19話
短いです
「「なんですって?」」「なんだと!!?」
はい、バレました。というより、あまりにも頻度が高くなってきたので話す事にしたの。
この間からポケットに入るようになっていたあの人からのメッセージ、ルーズリーフを破っただけのようなものから葉書サイズのメモ紙になり、ついにはしっかりとした便箋になったの。しかも封筒に入ってた。流石にポケットには入らないので、机の中でした。無論、内容は読まずに捨てています。
ゆりの心は動かないよ。振った理由がどうであれ、向こうの今の気持ちがどうであれ、今のゆりは蘭奈が好きなんだもん。付き合ってるんだし。
「ミンチ肉」
「あたしも手伝う」
「じゃあ私は精神攻撃担当する〜」
「みんな怖いよ! やっぱり1回、ちゃんとお話した方がいいのかなぁ」
「「「ダメ」」」
仲のよろしいことで。まあ分かってたけどね。でもほら、もしかしたらそれで納得してもらえて、手紙攻撃も無くなるかもしれないじゃん?
「妃結梨」
「は、はい……」
これは。蘭奈激おこだ。
「何で最初に言わないの」
「だって気持ち悪いし気にしなきゃいいと思ってたし」
って、こんな言い訳しちゃ余計に怒られそうだけど。……時すでに遅し。蘭奈はキラッキラの笑顔でゆりを見てます。怖い。と言っても、別に初めての事じゃないしね、怒らせるの。長い付き合いだし。
「おいで」
昔からそうなんだけど、ゆりが怒らせたのに何故か蘭奈は、ゆりを抱きしめる事で自分を落ち着かせようとします。というわけでお膝の上へ。
「ん〜」
なんというか急に甘えたくなったので、向き合って座って抱きつきます。
「しっかし、いつの間に入れたんだろうな。すれ違った時なんだろうけど気づかなかったんだろ?……机の中なら移動教室の時だろうけど、それは避けようが無いよな」
そうなんだよね。ポケットなら気を付ければ済むけど……って、気を付けてたつもりが入ってたけど。
「で? その例の手紙は?」
「捨てた」
「封筒付きのも?」
「それは破り捨てた」
いい加減にしろーって感じだよね。
「読んだの?」
「読んでない」
「読んでたらどうしようかと思ったわ」
「読まないよ」
読んでたらどうなってたんだろう……。うん、怖い。
次回はすこーし長くなる、かも?




