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13話

 他愛もない話をしながらもお菓子を食べ続け、小1時間。

「ポッキーゲームしようぜ! グッパで別れてさ!」

 もちろん発案は立夏ちゃんです。

「いいねぇ〜」

「ダメよ。妃結里としかしない」

「え、あ、どっちでも……」

「よし! じゃあいくぞ〜! グーとパーで分かれましょ!」

 反対したのが1人だったので強制的にやる事が決まったっぽいです。そしてグッパの結果は……

「あ、蘭奈ちゃんとだ〜」

「あたしがゆりとだな」

 そういうわけで。

「じゃーあたしらからいくか」

「うん」

 っていうか、ポッキーゲームって初めてなんだけど。別に嫌ってわけじゃ無いけど緊張するな……。

「ちゃんと失敗しなさいよ」

「それじゃゲームにならんだろ。ゆりの唇って柔らかそうだよな〜」

 あぁ、立夏ちゃんたらゆゆにそんな事言って……。まあ確かに、失敗すれば何も問題無いんだけど。立夏ちゃんとちゅーしちゃったら後でゆりがお仕置きなんだよ〜?

「いちご味がいいな」

「姫様の仰せのままに」

 そしてポッキーを咥えた立夏ちゃん。忘れてたけど、立夏ちゃんも女の子に人気あるんだよね。カッコいいから。緊張する。あと、蘭奈の視線が痛い。

「ん、」

 ゆりも続いて先を咥える。

「よーい、スタート〜」

 サクッ、サクッ、サクッという音だけが教室を満たす。いちご味がいいって言ったけど、これじゃ全然味分かんないや。

 そしてあと一口で成功、というところまで来てしまった。立夏ちゃんは躊躇なく残りの一口をーー。

「いっでぇ!!」

 食べることは叶わず、気付くと立夏ちゃんが……切れてた。

「おい蘭奈! ふざけんなよ、あと一歩だったのに! つーかマジで殴っただろ!!」

「当たり前じゃないの」

 そして蘭奈の腕の中に帰りました。

「蘭奈ちゃーん、次は私たちの番だよ〜?」

「……しょうがないわね」

 解放されたゆりは自分の席に着きました。

 んー。成功してほしくないなー。でも春華ちゃんだし、別に他意は無いんだろうけど。

「スタートっ!」

 ポキッ

「あー折れちゃったわーざんねんしっぱいねー」

 素晴らしいくらいの棒読み。

「蘭奈ちゃんつれないなぁー」

「面白くねーの」

 それでも手が出ないだけ気分はさほど害していないようです。

「ところでさ、こんな破廉恥なゲーム誰が考えたんだろうな」

 破廉恥……そうかな?

「さあ。どうでもいいんじゃない」

「ポッキー開発した人じゃない?」

「じゃあ、ポッキーの日作ったのも?」

「そんな日あったなー」

 んーやっぱいちご味は美味い!

 1本もう1本と手が出てしまう。

「あら妃結梨。誘ってるの?」

 何本目かのポッキーを咥えると同時に蘭奈に言われる。

「?」

「妃結梨とならいくらでもしてあげるわ♪」

 訳も分からぬままにポカンとしてると、気付いたら蘭奈とキスしてました。

「お前がしたいだけだろ! ゆり、何もわかってねぇぞ!」

「蘭奈ちゃんは本当にゆりちゃんには甘いよね〜」

「甘いっつうかさ……」


「「恋人バカ(?)」」


 立夏ちゃんと春華ちゃんがハモった!

「別に、あたしだけじゃないでしょ。みんな妃結梨には甘いと思うわ」

「まあそれもそーだけど……」

 そうなの?


「全然関係無いけど、ツンデレとヤンデレだったらどっちと付き合いたい?」

「唐突だな!! しかも本当に関係ない!!」」


 春華ちゃんの唐突な発言によってゆりたちの駄弁り会は更に盛り上がりそうな予感です!

 もう日も暮れて来たけど、いつまで続くのかな?

突然終わるやつ。でも私が友達とする駄弁り会ではよくあります。

結果、世間話から日本の少子化問題へと話が発展したくらいですから。


グッパは地方によって違うらしいですね。全身ラジオで知ったけど。

福岡では、ていうか私はグーとパーで分かれましょ! です。

みなさんのところはどうでしょうか?

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