IF END2 砂漠化エンド
BAD ENDです。
しかし、これらはまだ序の口であった。
転移した先が地球のような環境であるはずが無かった。
日本の気候は日本が位置した地理環境によってもたらされていた気象であったがために、まったく違う場所に転移したならまったく異なる気象となる。
例えば、大陸が無いことによって、本来なら大陸に影響受けて吹き付けてくる風が、遮られずに吹き付けるのである。
毎年、やってくる黄砂も、最近はPM2.5なども問題となっているが、問題ばかりではなく、栄養を各地に運んでいるという良い影響もある。
転移した先に四季があるなんて決まってもいない。
日本に季節があるのも地球の地軸が約23.4度傾いているからである。
地軸が傾く切欠となったとされるジャイアントインパクトで月が出来て、月は満潮や干潮など地球に大きな影響を与える存在となっている。
さらに、日本は北は北海道、南は沖縄という位置関係と北半球の中緯度に属し、北に行くほど寒いという環境である。
転移した先でも同じとなっているとは限らない。
南半球になっているかもしれないし、北半球でも北海道は南、沖縄は北という向きである可能性もある。
緯度も高緯度や低緯度になっている可能性もある。
地球の自転周期約24時間、公転周期約一年というのも転移先の異世界が同じとは限らない。
こんな天変地異が起きては既存の気象学は当てにはならないが、異世界のことが一切分からない状況では気象予測など出来るはずもない。
地球では長年の経験や研究、様々な観測データを利用できたが、異世界ではそんなものは無いから一からやり直しである。
日本が置かれたのが異様な状況だということは、直ぐに分かった。
季節外れの暑く、乾いた風が日本全土に吹き、一日が20時間になったのである。
気象データが使えないため、大規模な気象変動が起きても、それに対応出来ずに農業は崩壊する。
物資を求めて、ロシア軍が南下するなど、事態は悪化し続け、一日20時間や季節外れの暑く乾いた風に崩壊する農業による食糧不足が社会混乱に止めを刺し、政府の統制は崩壊、日本政府は倒れたのであった。
この手の作品でご都合主義だ、という批判に対する回答例です。
ご都合主義を排除したらストーリーが進みません。




