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おわコン!~お笑い芸人は異世界で最高のコンビ!~  作者: 印朱 凜
第4章 トンカツで婚活
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新パーティー結成3


 ここは広大な城の最下層。明け方近くの救護室であるが、看護に明け暮れる人々にとっては、交代で仕事を続ける正に戦場とも言える場所だ。

 出入り口近くに設置されている粗末な長椅子には、一人の騎士が数名の部下と共に仮眠していた。


「――誰だ!?」


 長身の野性味溢れる騎士、トムヤム君は一時も警戒を怠らない。そうやってディアブルーンの戦場を駆け抜けてきたのだ。眠い目を擦りながら視界が戻るまでの間に、腰の短剣を引き抜いた。


「さすがやな、円卓の騎士さん。俺ですよ……」


「何だ、脅かすなよ。ダケヤマ殿か」


 短剣をしまいながらトムヤム君は周囲を見回した。


「早朝からスンマセンでした。私財を投げ打ってまで救護活動に精を出している、っちゅう噂はホンマやったんですね」


「まあ、王国に仕える騎士として、当然の行為だな」


「そのワイルドな御顔に似合わず、品行方正なこって」


「何だと! わざわざ茶化しに、ここまで来たというのか!」


「まあまあ、やっぱ俺が見込んだ男やわ。実はアンタにお願いがあってな……」


 イラつくトムヤム君を前に、ダケヤマは相手の性根を試すような言葉を並べる。


「知ってるで。カヤタニに、ずいぶんお熱やそうやな。自分は隠してるつもりでも、結構バレバレやで」


「ぐぬぬ……」


「負傷者の面倒を積極的に請け負っているのは、ちょっとでも相方に近付くためなんちゃうか?」


「何だと! いい加減にしろ! 貴様!」


「おおっと! そんな大声出したら皆起きてしまうで」


 ダケヤマは救護室の片隅で寝ているであろう、カヤタニの様子を伺おうとした。


「ダケヤマ殿! 貴公の連れは、いつ終わるとも知れぬ四六時中の看護に疲れ果てて、今しがた眠ったばかりであるぞ! 何の用事かは知らぬが、少しは気を遣ったらどうなのだ?」


「そうか……そうなんや。で、本題に入ろか……」


「全く何なのだ。私を怒らせに来たのか?」


「ハハハ、ちゃうちゃう。 実はな……俺は暫くこの城を空ける予定なんやわ」


「ええっ? どこへ行くつもりなのだ?!」


「まあ、ええから。そこでだ……もし、もしかしてやで……俺が消えたまま、もう城に戻らんような事があったらな……」


「戻らない事があれば……?」


「俺の相方を……カヤタニの生活を、アンタが見てやってくれへんか」


「……!! どういう事だ? 一体何をするつもりだ?」


「詳しくは言えんが、この通りや! 頼む! ……いや、お願いします」


 土下座する勢いで、騎士の前で両手両足を揃えて頭を垂れた。

 普段は中々見せる事のない、ダケヤマの真面目くさった表情と態度。そして彼からの急な申し出に、トムヤム君は大いに動揺した。


 正にその時である。二人の視界外から人影が、ユラユラと音も立てずに近寄ってきた。


 


 



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