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おわコン!~お笑い芸人は異世界で最高のコンビ!~  作者: 印朱 凜
第4章 トンカツで婚活
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紅の騎士のつとめ2

 

 テラスに舞い戻り、外の空気を吸って頭を冷やしたダケヤマに対し穴金(アナキン)は、ぼそっと告げた。


「……改めて、ありがとう。礼を言うのが遅くなってしまったな、ダケヤマ殿」


「……はぁ? 一体何が?」


「いや、ネクロマンサーとの戦いの最中(さなか)、命懸けでリフトに跨がり、俺とダイナゴンを助けに来てくれたじゃないか」


「何や、そんな事か。気にすんなて、忘れてたぐらいや。当然の事をしたまでやな」


「ふふ、そうなのか……、そうなんだろうな」


 二人の間には自然と緩い時間が流れては消える。これほど落ち着いて語り合った事は、今までになかった。


「ところで、アナキンさん。ここはゲーム内の世界で、アナキンもプレイヤーとしての名前なんやろ?」


「まあ、当然そうだな」


「じゃあ、日本人かどうか知らんけど、ほんまの世界での本名は何ていうねん?」


「いやいや、普通に考えてみろ。オンラインゲーム内で、本当の名前を名乗る奴がいるかよ」


「それもそうやな。あんましゲームはやった事ないけど、プライバシーとかセキュリティー保護のためやな」


「ゲームと聞いて、一気に白けて馬鹿らしくなってきたか?」


「でも抜け出す事もできひん、シビアな第二の現実なんやろ?」


「そうだ、よく分かってるじゃないか……」


 穴金(アナキン)は照れ臭くなったのか、あるいは満足したのか、テラスから踵を返してダケヤマの前から立ち去ろうとした。


「……古河…………!」


「えぇ? 何やて?」


「俺の現実世界(リアルワールド)での名は古河だ」


「そうか日本人の……古河さんやったんか。 でも、何で俺にそんな大切な情報をばらしたんや?」


 疑問に満ちたダケヤマの声に、()()は遠い目をして答えた。


「フッ! 何でだろうな……。まあ強いて言うなれば、命の恩人に対する最大級の敬意とでも思っておいてくれ」


「…………ああ!」


「ちなみに俺のオヤジは、このクソみたいなゲーム『ディアブルーン』の運営会社、電気(エレクトリック)ブランの重役なんだぜ」


「ありがとう。そんなに俺を信用してもろて」


「言いたい事はそれだけさ。さらばだ……ダケヤマ殿」


 穴金(アナキン)のマントが影に吸い込まれるように消えてゆく。それをテラスで無言のまま、最後まで見送っていた。


『古河さん、俺からもアンタを同じように信用してええんやな? いや、ええと言うてくれ……』


 その答えは、仄暗い闇の中に消えたままだ……。

 


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