ネクロマンサーの顕現4
「お、おい! 何やアレ!? 魔法使いのオッサンが、ゲームみたいに消えたで!?」
フォークリフトの座席に座っていたダケヤマが、驚きのまま頭上にいる騎士に向かって叫んだ。
「ああ、やっと理解してくれたか……。この世は、かりそめの異世界。つまり私達が今いる世界は、ディアブルーンと呼ばれる体験型のオンラインVRゲーム内なのさ」
「ええええええ~~!? !?」
己の理解の範疇を超えて動揺しまくりのダケヤマをよそに、アスカロンは舞鶴ジャクソンの死に弔いの言葉を贈り、そして隣にいるのべ太に言った。
「結局、ジャクソンは外部プレイヤーなのか、AIのNPCか分からずじまいだったな」
「とても気の毒だけど……アビシャグに次期宮廷魔道師の地位を脅かされていたから……ちょっと功を焦りすぎていたね」
下からアスカロンに向かって大声が聞こえてきた。
「ちょい待てや。どういうこっちゃねん? 何で俺らはゲーム世界におんねん?」
「話せば長くなるぜ。本物の悪魔が魔力で作ったゲームだから、簡単には出られないのは確かだけど」
「あ、悪魔、ゲームって……マンガとかアニメみたいな話やん!? そんなアホな!」
「あ~、信じられないのも無理ないか。科学大好きインテリ悪魔が、魔力と科学力の融合を目指して作ったハイブリッド世界って言えばどうだろう? 分かってもらえるかな?」
「いや、分かるわけないやん! いや、待てよ……ゲーム内って事は……あんたらは、まさかプレイヤーなん?」
「そう、現実世界に肉体を持つ、れっきとした人間だぜ。今見えている姿は超精密なアバターかな」
「オイオイオイ……! じゃあ目の前のゾンビや、あの化物は……」
「プレイヤーのなれの果てだけど、AIのゲームキャラも混じっているだろうな。ネクロマンサーに関して言えば、詳細不明だ。ここにいる誰にも分からない。ただの敵キャラとは思えないけど」
「あああ~! もう何が何だか、さっぱり分からんわ! 俺もゲームキャラなん?! もうどうしたらええねん!?」
混乱して頭を抱えるダケヤマに、のべ太が言った。
「とりあえず落ち着けよ。目の前にゾンビが迫ってきてるのが見えるだろ」
「いや、そう簡単に落ち着けるかいな! 頭ん中がメチャクチャやで、ホンマ!」
「う~ん、参ったな。どうする、アスカロン?」
「参ったのはこっちやで! 何言うとるねん?」
するとアスカロンはマントを翻し、リフトの屋根から地上に降り立った。
「だったら一緒に戦おう! 死んでゾンビになりたくはないだろう?」




