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おわコン!~お笑い芸人は異世界で最高のコンビ!~  作者: 印朱 凜
第3章 ブサイクルをリサイクル
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嵐の前の静けさ3


「このフォークリフトは、工場のバイトで乗っているヤツと同じやな。実は俺、フォークリフトの免許持ってんねん。食えなくなったら工場に勤めて、ピッキングの作業でもやろうかと思って」


 思わぬ反応に、アビシャグは目を丸くした。


「おお~! 凄いじゃないですか、ダケヤマさん。思う存分、このリフトを使いこなして下さい」


「それで、あっちゃん。このフォークリフトでどうしろと? 何か運ぶモンでもあるんか?」


 ダケヤマの言葉にアビシャグは困ったような顔をした。だが彼は、すぐに思い至ったのだ。


「いやいや、もし動いたら馬代わりになるどころか、戦場でバリバリの馬力を発揮できるかもしれへんで!」


 カヤタニの方は「ホンマかいな」と言うだけで、リフトを前にしてもイマイチ、戦力としての価値を見出せないような感じだった。それでもアビシャグは嬉しそうにしていたので、ついでに訊いてみるのだ。


「魔法使いは何でも、例えば欲しいお宝や武器とか、色々と日本から手に入れられるの?」


「いえ、魔力に制限がありすぎて、全く思い通りにはいきませんよ。そもそも、象使いを召喚したつもりが、ミスしてリフト運転者を丸ごと召喚してしまった次第ですから。本当にクワバラさんには申し訳ない事をしたと、今でも反省してます」


 ダケヤマは、いい加減な召喚魔法に愕然とした。彼でも呆れるぐらいだから、相当なレベルである。


「召喚ミスと言えば俺らもやで~。ところで、このリフトはLPG仕様のようやな」


 後ろに装備されているガスタンクを調べた彼はリフトに飛び乗り、エンジン始動のキーを捻った。

 バッテリーは奇跡的に生きているらしくセルモーターは回ったが、ガス欠のようだ。


「最近まで乗ってたんやな。でも、タンクの中のガスは空みたいや。何とかならんのか、あっちゃん」


「何とかと言われましても。もちろん私は異世界の勉強もしておりますが、そもそもガスとは?」


「ガスはガスやろう。アスパラガスとちゃうし、何やったっけ? カヤタニ?」


「LPGは液化石油ガスじゃなかったっけ? あかんわ、多分石油みたいに掘り出して、工業的に生産されるモンやで」


 しばらく考えたアビシャグはダケヤマに伝えた。


「もし大地から生み出される物質ならば、地の精霊の力を借りる事ができるかもしれません」


「ホンマかいな、あっちゃん。一か八か魔法でガスを満タンにしてくれへんか?」


「それなら、土系の魔法を一度試してみましょう!」  


 あくまで現実主義者のカヤタニは呟く。


「ホンマ信じられへんわ、アンタら……」

 

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