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おわコン!~お笑い芸人は異世界で最高のコンビ!~  作者: 印朱 凜
第2章 魔女の卓球部員
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モテ期到来


 野次馬どもが蜘蛛の子を散らすように広場から去る頃、穴金(アナキン)の先導でスカンピンのコンビとダイナゴンは城への帰路を急いだ。

 今度は一体何が起こるのか……。ダケヤマは、そわそわして落ち着かない様子だ。意を決して無口な騎士に声を掛けた。


「あ、あの~、タマキンさん……」


「……俺の名はアナキンだ」


「俺達はこれからどうなるんですか?」


「……どうなるも、姫君からの挨拶があるだけだ。もっとも公式な物でなく、大がかりな式典の予定もないから安心しろ」

 

 ぶっきらぼうな穴金(アナキン)の言葉を補うように、後ろを歩くダイナゴンが続けた。


「あくまで姫様は、お忍びで2人に会いたいそうですよ。心配しないで下さい、何があっても騎士である私が守って差し上げますから!」


 ダケヤマとカヤタニの間を割るようにダイナゴンが、ずいっと入ってきた。


「こ、こら。相方は私やって、ず〜っと言うとるやないかい」


「恋愛方面のパートナーは、この私です」


「厚かましすぎるわ。ダケヤマから離れろ!」


「もう、貴女は邪魔しないで下さい!」


「邪魔してるのは、どっちやねん!」


 ダケヤマを巡って再び女の戦いが再燃した。あまりの剣幕に、当の本人はなだめる事もできず、青ざめて困惑するだけだ。


「ダケヤマさん、髪を引っ張られそうです!」


「うわわ……」


 ダイナゴンは彼を盾に反対側へ回ると、左腕に抱き付いて、ぐいぐい胸を押し付けてきた。


「だから、そんなに相方に引っ付くなって!」


「もう、貴女はそっち側でいいでしょう!」


 普段のカヤタニなら有り得ない事であるが、ダケヤマの右腕に巻き付くように絡んできた。


「なあ~、お前まで何やねん……」


 男なら誰でも嬉しいはずの両手に花の状態であるが、決してそうでもなかった。左右から引っ張られ、せめぎ合い、プレッシャーに押し潰されそうになる。


 吊り橋を渡ると城の衛兵達は目を丸くし、すれ違う城内の人々は、まるで見世物のように面白がっていた。さすがのダケヤマも、この状況には赤面するしかなかったのだ。

 先を行く穴金(アナキン)も関わり合いたくないのか、他人の振りをしてズンズン進んでいく。


「アナキンさん! 何とかして下さい! 助けて下さいよ」


 溜め息を漏らした赤騎士は、あくまで同じ態度だった。


「……自分で何とかしろよ」





 

 やがて多くの煌びやかな近衛兵や、紫の服を纏った侍従に囲まれた一団に遭遇する。これは、わざわざ城の外にまで出迎えにきた王女様……、ゼノビア姫と家臣達に違いなかった。

 ようやく騎士らしく、キリッとしたダイナゴンから、ダケヤマは解放されたのだ。




 



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