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【書籍化準備中】「そんなの、ムリです!」 ~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~  作者: 高鳥瑞穂
九章 第四回公式大会

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9-12.本戦 三回戦第一試合 リーダーロイドVSカフェオレ大好き紅茶こそ至高

「おはよう、ロイド」

「ああ、ちゃんと眠ったか?」

「そこはバッチリ」


 翌朝、ギルドハウスでロイドと合流する。


「おはようさん、完成したで~」

「おはようびっくり箱……寝れた?」

「無理。これから寝る」

「うわー無理させた、ごめん」

「いいんよ~好きでやっとるんやし。ただし負けたら許さんかんね」

「もちろん」

「急ぎの依頼で申し訳ない。きちんと勝つ」

「ま、その前に三回戦やね。きばりや」






『さあ第三試合の時間が近づいてまいりました!』

『午前中がベスト8!午後は準決勝、三位決定戦、決勝戦だぜ!』

『始まるぜ~三回戦、ベスト8第一試合だ!』

『最初に入場してきたのは!ギルドランキング1位!サザンクロスのリーダーサブリーダー!』

『”ソードマンタンクのお手本”!リーダーと!』

『”とんでもマルチタスク”!ブラックマジシャンのロイドだあああああ!』


「タンクやってるつもりはあんまりないんだけどなぁ」

「まあ、そのへんのタンクよりはタンクだろう」

「そうか……」


『さあこのぶっ壊れペアに挑むのは誰だ!?』

『ギルドランキング6位!オルタナティブの懐刀!』

『”爆走ランサー”!カフェオレ大好き!』

『”目の前から不意打ち”!奇術師の紅茶こそ至高!』

『さあ、オルタナティブのお二人にギルドリーダーのおるくんから応援の……あー…………応援の、メッセージが届いていますよ!』

『何だ今の間』

『”負けたら罰ゲームです”』


 ぜんっぜん応援メッセージじゃねえwwwww


「何だソレwwwww」

「え?えええええええ????」

「おるさん!?ちょっとマジそれは無理なんですけど!?」


『プレッシャーやめろwwwww』

『おいカフェオレ膝突いてるぞwww』

『紅茶がめっちゃ謝り倒してるんだけどwww』


「あのほんと、ほんっと負けてくれませんか!?」

「それは無理かな~www」

「おるさんの罰ゲームガチなんですよおおおおおお!!!!!」


『残念だな!その二人に泣き落としは通用しないぜ!』

『全力で勝ちに行くんだな!』

『さあ時間です!始まりますよ!』


 カウントダウン! 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 GO!


「ランナップソード」

「ファイヤーアロー」

「…………絡め取り」


『さあ紅茶こそ至高選手駆け出した!』

『カフェオレうまい感じにリーダーの剣いなしたな!』

『二人は奇術師無視か!?ロイドもカフェオレ狙いだ!』

『えええそれ大丈夫!?多分テレポマーカーめっちゃ設置されてるよ!?』

『ど、どうだろう?カフェオレ落としてタイムアップ狙い?』

『マジ!?あの二人がそんな事する!?』


 はは、俺もどうやるのかは知らないんだよね、これでいいって言われたからやるけどさ!


「五月雨斬り」

「大車輪」


 スキルを完全に合わせられて相殺される。だけど相殺できたのは俺の分だけで、ロイドのバレットは背後から突き刺さった。

 後ろから飛んできたカードをジャスガする。

 ロイドも何某か飛んできたものを残りのバレットで叩き落とした。

 走り回る子犬に一閃。イリュージョンはこれでしばらく来ないはずだ。


「ダブルキャスト サンダーバレット メテオバレット」


 8つの光る球が周囲を旋回し、カフェオレに容赦なく降り注ぐ。


「ほんっとにっめちゃっくちゃっなっやつっだなっ!」


 カフェオレが殆どを槍で突き落とすけれど、いくらかは刺さった。


「一閃 烈火」


 魔法の合間を縫って動作の少ないスキルを選択する。

 一閃は弾かれたが、烈火は入った。


『烈火入った!ごそっと持ってったぞ!』


「槍玄乱舞!」


『大技!』


「マジックシュート」


『え、は?』

初期技(マジックシュート)!』

『乱舞は技のおこり(・・・)を弾かれると発動しません!』

『実際にソコを合わせられるやつがどんだけいんだよ!?』


「五月雨斬り」


『はいったあああああカフェオレダウン!』

『え、こっからどうすんの?さっきから紅茶ガン無視だけど』

『俺だったら時間いっぱい逃げるけど!?』

『バレットが紅茶を追いかけ回すぅ!』

『神出鬼没!カードスロー!じゃすとがああああど!』

『さあリーダーがジャスガでロイドを守ってるぜええ!!!』


「リーダー」

「おう」

「3回、守ってくれ」

「ん、了解」


 盾を構える。

 正直敵の攻撃の正確な方向がわからないのは結構なストレスだが、まあ守れと言うなら守りますよ。


 紅茶さんが走り出す。

 やってきたイリュージョン猫を叩き切る。


「神出鬼没 カードスロー」


 純粋に発動の早いカードスローはなかなか厄介だ。


「神出鬼没 花吹雪(フラワーパレード)


 花吹雪の舞う範囲攻撃。またガードしにくいやつ選んできやがって!盾ガードでは追いつかないので範囲の広い攻撃で切り落とす。


「神出鬼没 月夜の魔人(デモン・リュネール)


 大きな鎌が吹っ飛んでくる。っしゃジャストガード!3回守ったぞ!


「神出鬼没」

「ポイズンチェーンバインド」


『え?』

『は?』


「すまないが、もっと上手い遊び人と戦ったことがある」


『え…………あ、つ、つかまえたああああああ!』

『ロイドの毒鎖が、紅茶捕まえやがったああああ!?』

『うっそだろどうやって分かったの!?!?』


 いやー、意味わかんね~。ま、倒すけど。


「奥義 斬釘截鉄」


『きまったあああああああああ!』

『勝者!リーダー&ロイドペア!』

『ぐっどげええええええええええええむ!』

『後で神出鬼没の捕まえ方はマジで教えてくれ!グッドゲーム!!!』




「あの、参考までにお伺いするんですが、なんで場所分かったの……?」


 復活した紅茶さんが恐る恐る尋ねる。


「飛ぶ先をちょっと見すぎている。目線で分かる」

「一応言っておくね?普通分からないからね?」


 俺も飛ぶ先に毒鎖はめ込むレベルではわからんぞ?


「アネシアさんの方が分からなかった」

「あ、噂の引き分けたっていう……」

「……一応、中断しなければ勝っていた」

「二割で負けてたけどな」


 茶々を入れるとロイドが嫌そうな顔で目をそらした。


「神出鬼没で逃げ回られても捕まえられる前提で、カフェオレを落としに行っていた。むしろ常に二人で行動されたほうが難しかったかもしれない」

「神出鬼没捕まえられる前提では、作戦組んでないですねえ」

「だーよーねー」

「まあ、なんだ、えーと、罰ゲーム、頑張ってくれ」

「おもいださせないでええええええ」


 崩れ落ちるカフェオレと紅茶を横目に、フィールドを脱出した。


 ……………配信楽しみにしてるね!ぐっどらっく!


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