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【書籍化準備中】「そんなの、ムリです!」 ~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~  作者: 高鳥瑞穂
九章 第四回公式大会

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9-10.本戦 二回戦第一試合 リーダーロイドVSニンカグライド

 二回戦第一試合。

 親友はいつも通り読みにくい無表情でフィールドを広く見ている。

 対するは山羊車に乗った少女と、アッシュグレーの髪の大盾の男。


『さあ始まるぜ二回戦!』

『二回戦八試合終わったら今日は仕舞いだぞ!』

『さー一回戦からの勝ち上がりは!』

『説明不要!リーダー・ロイドペアだ!』

『対するは暴走ダンプトラック!ニンカ・グライドペア!』

『どっちもギルドサザンクロスのメンバー!ギルド内対決だ~!!!』


「暴走ダンプトラック、だってよ?」


 ちょっとその通り過ぎて笑ってしまう。命名は誰だろうか。


「ま、来週には修正来るらしんで、ダンプトラックは店じまいっすね」


 グライドが軽く肩をすくめて言う。


「とんでもない事するよね、雷雷木風との相性がやばい」

「元々シールドバッシュで走り抜ける練習してたんスけどね。必要なくなりました」

「そっちのほうがまだ納得感あったよな~」

「作っちゃったもんはしゃーないじゃん。文句はびっくり箱にどーぞ」

「それ最終的に俺に返ってくるじゃんw」


『さあ両者和やかに会話をしているようですが』

『まあ知り合いだしな。あれ、ギルド内PvPって戦績に反映されるんだっけ?』

『されますよ。ニンカ・グライド選手はPvP戦績ゼロですから、ギルド内でも対戦されたことはないはずですね』

『ほう!意外!』

『さあそろそろ時間です!』


「さて、じゃあ行こうかロイド」

「ああ、いつも通り」

「それじゃ、胸をお借りしますか」

「勝てば大金星。出し惜しみ無しでいこう」


 カウントダウン! 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 GO!


従魔召喚(サモンモンスター)

「ファイヤーアロー ウォーターアロー メテオアロー ファイヤーバレット」


『ロイドの息もつかせぬ魔法ラッシュだああああ!』

『的確に二人の隙間を狙っている!これは分断目的か!?』

『リーダーはニンカの移動を邪魔してる?これ邪魔してるよね?』

『遊び人系をあんまり移動させると面倒だからな!』

『ニンカ選手のカードをリーダー選手が切り落としています!』

『リーダーの攻撃もニンカが相殺……いや微妙にできてないな!?』

『ニンカの方にはジリジリダメージが入っているぅ!』

『グライドはさすがのジャストガード!多分ロイドの魔法全部ジャスガしてる!』

『しかあしニンカとグライドの間はジリジリ離れてるぞ!分断うまいな!』

『さあグライド、なんとかニンカの方に近づきたい!でもロイドはそれを許さなああい!』

『召喚獣、出すそばから切り倒されていくぅ!』

『そこそこHPあるはずなんだけどな!?コツとか後で教えてくれ!』


「ダブルキャスト フロストバレット サンダーバレット」


『ロイドのダブルバレットだ!』

『さあ普段のトリプルじゃないぞ!?』


 さあ見晒せ世界、これがうちのロイド(ぶっこわれ)だ!


『うええええおまえそんなこと出来んの!?』

『バレット二つずつ、二方向に割れていく!』

『ニンカとグライド両方にちょくげええええき!グライドはジャスガ!』

『ニンカ選手、かなりダメージを負っています!』

『第二弾が待ってるぜええええ』


 悪いね、避けさせないよ。

 間断なく攻撃を仕掛けて移動を制限する。

 二方向バレット操作はロイドも最近できるようになったばかりで、あまり精密なアタックはできないらしいんでね!


「ニンカ!」


 グライドの声が響く。

 突如山羊車が解除され、茜色の髪が低く落ちる。

 山羊車の解除?ここで?

 ニンカの足が着く(・・・・)

 っ、移動させるな!

「一閃」

 とっさに最も発動の早い初期スキルを発動し、


「「死が二人を分かつまで」」


 目の前の少女が消えて、剣が空を切った。




「………………マジ?」


 先程まで目の前にいたはずのニンカが、グライドの真後ろに移動している。

 彼女は最強の盾の後ろで悠々と疾く駆ける戦車(チャリオット)を発動し、乗り込んだ。


『…………し、しがふた?』

しがふた(・・・・)だああああああ!?』

『信じらんねえあいつら!結婚指輪(・・・・)付けてきてやがるうううう!?!?』

『アクセサリー枠一つ埋めて、他の効果ゼロの指輪付けるか普通!?!?』

『二人共だぞ!?うっそだろお前ら!?』


「ヒールⅡ。さて、仕切り直しと行こうか」

「じゃあグライド、こっちはよろしく」

「まかせろ」


 やっちまった~。ワープマーカー2箇所設置されちゃったわ。これはやられた。

 ロイドとアイコンタクトを交わす。親友はただ小さく頷いた。




 ニンカが駆け出す。

 ロイドの背後に周り、投げ込まれたカードスローをロイドがバレットで叩き落とした。

 俺はグライドに接敵する。さあ、カウンターの打ち合いと行きましょうか。



『マジックシールドの発動ぜってえ間に合わねえだろどうやって全部受けてんだよこの壊れブラックマジシャン!!!』

『リーダーとグライドがお互いの攻撃を全部ジャスガカウンターしててマジ意味不明なんだけど!?』

『ソードマンのほうがすこし柔らかいのでカウンターの撃ち合いですとソードマン不利ですが、ロイド選手の嫌がらせのようなバレットがチクチクとグライド選手を削っています!』

『ニンカの攻撃受けながら嫌がらせまで出来るのホント嘘だろ!?』

『さあそのニンカ選手をバレットが追い回し始めました!これは十字砲火狙いか!?』



「神出鬼没」


 ニンカのスキル発動が耳に届く。ようやく来た。


「ポイズンチェーンバインド」

「ランナップソード!」


『ニンカの転移先に毒の鎖がはいったあああああああ!』

『リーダーが即座に移動攻撃スキルを発動だあああああああ!』

『え、これ転移先完全に読んでるってこと!?』

『ランナップソードが入ってチャリオットが砕け散った!』

『すかさず一閃!からの五月雨斬り!ニンカ選手ダウンです!』

『ロイドの頭にグライドの剣が叩き落ち……まじっくしいいいいるどおおおお!』

『それでも結構はいった!けど耐えた!!』

『後ろからリーダー選手が迫る!』

『グライドジャストガード!』

『ああああでもゼロ距離メテオアローが刺さった!』

『かーらーのー烈火!グライドだうううううん!!!!』

『勝者、リーダー&ロイドペア!』

『ぐっどげえええええええむ!』

『超いい試合だった!!!!!』




 二人がフィールドに復活し、握手を交わす。


「いやめっちゃめちゃビビったね」

「ナイショにしてた甲斐があります」

「山羊車乗車中にはテレポートマーカーが設置できないから、多少こちらに油断もあったな」

「ポイズンチェーンもろに食らっちゃった~あれどうやって分かったの?」

「普通に、テレポートの場所を覚えていただけだ。2箇所固定だからな」

「というか神出鬼没待ちだった感じ」

「2箇所からあっちだって分かったのは何で?」

「俺が誘導したからだね。カウンター技の中でわざと攻撃範囲が広いのを選んでたから、グライドの後ろには飛びにくかったっしょ?」

「対人戦経験の低さが出たな」

「うぐぐぐぐ、誘導された~」


 グライドが何かしら操作をすると、非表示モードになっていたらしい指輪が左手の薬指に輝いた。


「あ、あたしも表示しとかなきゃ」


 ニンカの手にも指輪が光る。


「そいつにほんとにやられたよ」

「いいでしょ~」

「っと、そろそろフィールド空けますか」

「ああ、そだね」


 ニンカがふわりと微笑む。グライドが自然に彼女の手を取って、もう片方の手で優しく頬に触れた。


 ばちっ

「いっっっ」


 電気が弾けるような音とともにグライドが手を離す。


「またやってる」

「いやつい」

「あー……そういうの(・・・・・)はよそでやってくれるか」

「すんません……」

「はいはいうせろうせろリア充ども~」


 二人はくすくすと笑いながら、フィールドから転移した。


「…………ロイド」

「何だ?」

「真面目に、俺等も結婚する?」

「ワープの指輪がほしいって話だな?」

「うん、真剣に検討するべきかと思って」

「…………大会後に、相談しよう」


 大真面目に頷いて、そしてフィールドから転移した。



※死が二人を分かつまで(チャージ0秒/1日1回のみ、毎日午前4時に使用回数復活)

結婚している二人が、二人共結婚指輪(ステータス補正なし、エンチャント不可)を装備している場合にのみ使用できる。

受付時間中に二人ともがスキルを発動した場合、先に発動した方が後に発動した方の場所にワープする。

同時に発動した場合の挙動は事前設定による。


※センシティブガード

故意にプライベートゾーンを触れようとした場合に発生する。今回の場合は唇が判定に入っている。

ダメージはないがめっちゃ痛い。


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