表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化準備中】「そんなの、ムリです!」 ~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~  作者: 高鳥瑞穂
■廿四章 三周年の告知

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

309/375

24-4.【EFO】第3回サザンクロスPvP大会 - サザンクロスチャンネル

 

「さーてやってまいりましたサザンクロスプレゼンツ非公式PvP大会!今回は参加者がぐわっと増えたね〜」

「長期間レベルキャップ解放が来ていないから、ゆっくり遊んでいた人たちも追いついてきたな」

「だあね。まあ経験値掃除機システムがあるから敵は倒さないとなんだけど!さて、じゃあ最初にルール説明でーす」


 配信が始まり、リーダーさんとロイドさんのオープニングトークが始まった。

 解説席に腰掛けて周囲を眺めるとたくさんのプレイヤーがこちらを見ている。


「今回は俺とロイドの他に、セリスにも来てもらってまーす」

「お邪魔しています」


 挨拶コメントが流れていく。

 今日は大会中はあまりコメントは拾わないらしいのだけど、終わった後の振り返り配信では気になるのものを拾っていいらしいので一応見ておかないと。


「で、すみません本当は全試合じっくり見たいんだけど、参加希望があんまりにも多くてですね。たいっへん申し訳ないんだけど、一回戦は四試合同時、二回戦は二試合同時進行とさせてください!」

「時間にあまり余裕が無いので、早速始めていこう」


 最初は広いコロシアムを四分割して同時進行して行く予定だ。今回は1on1で必要スペースは少し狭いので、一箇所のコロシアムを分割すれば間に合う。

 複数サーバーにまたがると進行がかなり大変らしく、一つのサーバー内で四分割できそうだと分かった時にリーダーさんもロイドさんもほっとしていた。


 トーナメントAの八人のプレイヤーがフィールドに転送される。そして足元から石の壁がゴゴゴとせり上がって来た。

 朽ちた壁が迷路のようにフィールドを区切っていく。


「この壁が上がって来るのかっこいいですよねえ」

「分かる」

「壁が少し崩れていて、登ろうと思えば場所によってはスキルを使わなくとも登れるところがポイントだな」

「基本的に高低差のあるフィールドでのPvPは上を取ったほうが強いからねー。どこからどうやって登るかも大事」

「今回はコロシアムを四分割しているので、中央に十字の大きな壁が立っている。この壁はスキルが貫通しない。多分登れない高さになっているが、登ろうとしないように」

「システムハックしないようにねー。隣のフィールドにお邪魔しますしたら失格にするからなー」


 フィールドに四つのカメラが浮かび、配信画面が四分割表示ですべての戦闘が表示された。


「それでは一回戦第一から第四試合、カウントダウン!」






「一回戦終了でーす。設定を切り替えるので少しお待ち下さい!」

「セリスは感想はあるか?」

「そうですね、トーナメントDのはまぐりさんの三角飛びがやっぱりすごかったです。ジャンプブースト系なしであそこの壁の上に登るの、難しいですよ」

「あれ格好良かったよね~!ロイドは?」

「後衛Cグループ、ののまるさんが、索敵の仕方がとても上手かった」

「オブジェクトありだと雨弓結構重要だなー。ミリダメだけど上から壁無視して降ってくるから回避は結構むずいよね」

「お相手の紅子さんもディフェンシオやマジックガードで防御していたが、躱しきれなかったな。雨弓の連打具合を見るに、クールタイム減少系のスキルを厚めに持っていそうだ」


 今の一試合でそこまで分かるんですね。やったことのないジョブのスキルクールタイムは完全には把握しきれていない。PvPをもっとやるならちゃんと研究しないとな……。


「っと、設定完了しましたー。二回戦は二試合同時になります!じゃあAグループから、行きましょう!」




 さほど遅延なく順調に試合は進行し、トーナメントAの優勝者が決定した。

 優勝者はハザマンタさん。


 ――――さて、出番ですかね。


「前衛トーナメントA勝者、ハザマンタさん!えー……一応、確認しようか。この解説席で察してくれてると思うんだけど、どうする?」

『セリスさんとの勝負を希望します!』


 ハザマンタさんの力強い声が響いた。

 うーん、私がボス役をやるのは未発表だったのでコメントがざわざわしていますね……。


「行ってきます」

「はーい、じゃあよろしく、グッドラック」



 フィールドに転送される。まだ壁が上がってくる前なので、少し離れた正面にお相手のソードマンのハザマンタさんの姿が見えた。


「サザンクロス所属、アサシンのセリスです。本日はよろしくお願いします」

「ホントに来てくれると思いませんでした……」

「実はトーナメントAは全員、私との戦闘を希望したプレイヤーなんです。なのでどなたが優勝しても私が出る予定でした」

「はい…あ、あの!大ファンです!いつも応援してます!」

「あ、えっと…ありがとうございます。ええと、お互い手加減はなしで、いい試合にしましょう」

「はい!」


『いいかなー?試合開始するよー』

「大丈夫です、よろしくお願いします」

「よろしくお願いします!」


 壁が迫り上がり、ハザマンタさんの姿が見えなくなった。

 ハザマンタさんの装備は見えている範囲は多分移動速度アップ系。さっきの3試合とも、アクセサリーはアルトジャンプだった。


 視界の隅のカウントダウンが動き出す。


 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1


「イカサマダイス ジャンプブースト」


 初手はとにかく地形把握に一度飛び上がる。

 小部屋の少ない純粋な迷路型かな。


「スローインダガー」


 飛んできた、おそらくファストシュートにナイフを投げ入れて相殺する。アクセサリーを交換したのか、それともアルトジャンプと二つ装備しているのか。二つ装備な気がするな、どちらも強いアクセサリーだから。


 さて、お相手さんの場所もわかったので。


 相手は片手剣片手盾、右利き。

 相手の周囲の壁には崩れはなし。


 相手のいる通路上に飛び降りる。

 ここはちょっと上に上がりづらいところなので迎え撃つつもりなのだろう、ハザマンタさんも剣を構えた。


 よし、まだ練習中ですが、多分できるので行きますか。


 アジリティアップを起動して敏捷を最高値に。そのまま真っすぐ走り出し、


 一瞬、横に飛んだ。


 体が傾ぐ。壁に足がつくその瞬間。


「ショートダッシュ」


 指輪のスキルが反応して、スキルの効果で体が前に加速する。

 ハザマンタさんの真横で壁を強く蹴り飛ばし、横っ面にソニックダガーを叩き込んだ。




『勝者、セリス』

『壁走りいいなあ!俺実はまだ練習中なんだよ!』

『……練習しているのか』

『え、そりゃするでしょ』

『あー……ああ、まあ、がんばれ』

『クイックダッシュよりもショートダッシュの方が距離調整しやすそうかねえ。いやこれは後にしよう。グッドゲーム!』


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
壁走とか三角跳びとかロマンですね 出来るって分かったら私も練習しそう
色々組み合わせれば真空ジャンプとかクイックターンとか出来そう。 あと「きぃぃぃ~~ん」って言いながら高速ですり抜けるドップラー効果も楽しそう。 「クールタイム減少系のスキルを厚めに持っていそうだ」 …
壁走りのロイドの反応が気になりますね… 更新ありがとうございます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ