23-7.【EFO】フィツィロ12連打 - サザンクロスチャンネル
セリス視点
「はい、おはようございますカッコキョウベン、サザンクロスのリーダーでーす」
「こんばんは、サザンクロスのロイドだ」
『おはきょう』
『ぬるっとはじまるなw』
『あまりに普通すぎる』
『もうちょいなんか言え』
「えー……あー、まあ、あんまり深く話すつもりはないんだけど、ご心配おかけしました?」
『すっげえ心配したんだけど』
『男の子の喧嘩って感じだったからあんま心配してないけども』
『それ頭に(小学生の)ってつくやつじゃん』
「ドリアンにも小学生かって怒られた……」
「喧嘩らしい喧嘩は初めてだったな」
「そうねえ。喧嘩ってわけでもないんだけどw」
「見ての通り特にわだかまりの様なものはない。数日黙ってしまったのは申し訳なかった」
「ちょっとタイミング悪かったんだよなー。そこはほんとにごめんね」
『非公開になっちゃったの悲しい』
「いやーあれ公開すんのはちょっとね。ただすげえ見たかったってご意見がめちゃめちゃ多くて……俺側が折れまして、さっきメン限動画として公開しました。正直消したい気持ちしかない」
『まじかよメンバー入る』
『<メンバーシップギフトが贈られました>』
『<メンバーシップギフトが贈られました>』
『<サザンクロスメンバーシップへようこそ!>』
『<メンバーシップギフトが贈られました>』
「まじでガキの喧嘩してるだけだからわざわざ入ってまで見なくていいからね?」
「音声も入っていない。わざわざこのためにメンバーに入るのはおすすめしない。有料コンテンツだから、落ち着いて欲しい」
『本気で止めるじゃんw』
『<メンバーシップギフトが贈られました>』
『見逃した人が血涙ながしてたから仕方ないね』
『<サザンクロスメンバーシップへようこそ!>』
「あー……よし、進めよう。ええと今日何やるかなんだけど、まあ、あの、何ポイントになったかはちょっと申し上げられないのですが、禊配信です」
『知ってたwww』
『草』
『ポイントを言えwww』
『ロイドのギターが30っしょ?』
『100じゃねーか?www』
「可能な組み合わせ全てでフィツィロを攻略するまで帰って来るなと言われた。俺のキャラがブラマジ、セージ、ビショップ。リーダーのキャラがソードマン、ブレイダー、ランサー、細剣士なので、12パターンのフィツィロ戦を行う」
『あれ、ロイドも禊ぐ側なの?w』
「まあ……今回は同罪ということになった……」
『草』
『ほんとに何ポイントだったんだろうw』
「さーて……ランサーペアいけっかなー……とりあえず普通にソードマンブラマジからいくねー」
「これは前回解説しようとしていた組だ。スキル一覧と装備をつぶやいたーに投稿しているので参考にしてくれ」
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数日、EFOにも入って来なかったお二人の配信は、本当にいつも通りに始まった。
「だから心配ないって」
「まーセリスちゃんは喧嘩慣れてなさそうだもんね」
ギルドで一緒に見ていた他の方たちが言う。
「男の喧嘩なんてそんなもんよ」
「頭に小学生のって付くけどな」
「いうて男なんていくつになっても小学生みたいなもんだろ」
「それはそう」
けらけらと楽しげな笑いが起こった。
どれだけ大丈夫だと言われても見ているだけではらはらしてしまう。
だけどそんな心配を他所に、画面の中の二人はとても自然な連携でフィツィロを翻弄している。
「結局喧嘩の原因って何だったの?」
「聞いてない」
「セリスちゃんは?」
「え、あ、いえ、私も何も……」
聞いていないも何も、送ったメッセージにすら返事を貰っていない。
「聞いてたらこんなにハラハラしてねえだろw」
「それはそうかw」
「……何も聞いていなくても、皆さんは大丈夫なんですね……」
「あー、逆逆」
ぽんすけさんが手を振る。
「逆?」
「何も連絡がなかったから、ただの喧嘩だなってなってんの。本当にまずくて長期に活動状況がわからないってなったら、ドリアンかびっくり箱は連絡くれるよ。彼らはそのあたり間違えないから」
「…………ぁ」
「下手したらあの配信直後には仲直りしてて、禊時期の相談してたんじゃないの?2,3日置きましょうとかドリアンあたりは言いそう」
「言いそ~。実際結構話題だったしね」
「あの人話題のコントロール上手いからな」
そういう、ものなんですね。
あの配信当日も、シアさんは「よくある喧嘩っぽく見えますけど」と言っていて、あまり気にしていなかった。
男の人の喧嘩ってこういうものなんでしょうか。……いえ、私は女性とも喧嘩をしたことがないので、それもわからないのですけども。
耐久配信じみたフィツィロ攻略は休憩をはさみつつ4時間に渡り、配信が終わるとへとへとのリーダーさんとロイドさんがギルドに入ってきた。
300話!




