22-4.ギルドオフ会　下

「一年色々あったなーってことで！毎年恒例ビンゴで振り返り企画、やってくぜえ！今からこの――――くじ引きボール君で１〜２４までのくじをひきまーす」

　ええ……本当にくじ引きボール君だ……あれ公式グッズですか？へえ、一周年記念で発売されたやつ。ほうほう。

「”今年あったことリスト”から、引いた番号の内容を読み上げます！自分がその内容に該当するなって人はその番号を開けてくださーい」

　ああ、なるほどです。それで番号は２４までの固定なんですね。

　真ん中のFREEを開けてっと。

「景品は〜、まあ毎度おなじみドリアンのおすすめスイーツアソート！今年は北海道でせめてるらしいでーす。こっちは最近の俺のオススメゲームのダウンロードカードでーす！ミニゲーム系からデカ目のまであるんで楽しんでくれ！それからいい肉の引換券！今年の肉は神戸牛でーす。あとは〜」

　景品が紹介されていく。個人的にはロイドさん厳選SF傑作選ダウンロードパックが気になるところだ。

　大物の景品が無くなったらギフトカードになるらしい。参加賞ってことかな。

「狙いは決まったかー？じゃあ早速一投目！１６番！１６番はー……”リーダーの誕生日にナイショでクラッカーを作った”いやこれ実質FREEじゃねえか！？全員やってたって聞いてるぞ！？」

　作りましたねえ、１６番っと。

　トラ小屋メンバーにはやってない方もいるんでしょうね。

「つーぎーはー…５番！年末鬼ごっこイベント！これは鬼ごっこ自体に参加した人の他に、ギルドマーク作成のために素材集めたり錬金してくれたりした人も含まれます〜」

「あれしんどかったねえ…」

「いや本当に……何千個もギルドマーク作んのきつかったよな」

　ほうほう。これは私が入る前のやつですね。ロイドさんが配信中に倒れてしまわれた時のもの、ですよね。私は素材集めとかも参加しなかったんですよねえ。

「お次は９番！超越を獲得。お、これはもしかしてサポメンではやってない人もいるんじゃないか？フィツィロ探ししんどかったよなぁ……」

「フィールドを探すやつかと思ったら謎解きだったやつな」

「さすがにやっとるって」

「サポートメンバーも要素は一通り触ってらっしゃいますものね」

「さーて、最速だとこれでリーチが来るはずだけど、いるかー？リーチ出たら言えよー？いないなー？よし、次はー２４！ボルグ遺跡の作成・破壊に参加。これも実質FREEだと思ってるけど、どうかなー？」

　タイミング的にいらっしゃらなかった方以外は全員参加でしょうね。期間も一度壊して作り直したのを含めれば１０日間くらいありましたし。

「「リーチ！」」

「お、リーチでたね！グーグーと……ごめんもう一人だれー？」

「わたしでーす！」

「まっさん！さービンゴはくるかなー？次は……１５！メンテナンス中にログインしようとした。あー、いつもと違う時間に長時間メンテナンスが入った日がありますねえ」

　あはは……やりました。

「やったわ」

「あのメンテ長かったからなあ」

「めずらしくやらかさなかったせいで開かないんだけどっ！」

「リーチなしか？次はー３！ボートタウンの木に遊びに行った」

「何でそんなピンポイントの入れてんのよ！？」

「あっはははははは」

　あちこちから笑いが起こる。私はこれ開けていいんですよね？びっくり箱さんは開かないそうだ。ドリアンさんは「スクショ撮りに行っただけなので、遊びに行った訳ではないのですが」と言いながら開けた。

　数人からリーチの声が上がる。

「今リーチしたやつ誰！？」

　ふふ、ねむ蝉さんはリーチだしてましたよ。

「お次は〜、１０！バレンタインチョコを渡した。渡した方だとやってない人もいるんじゃないか〜？」

　もらった、だと全員にお渡ししましたからねえ。あ、

「リーチです」

「俺もリーチ」

「お、セリスとグライドがリーチか？」

「ビンゴ！」

　遠くの席からビンゴの声が聞こえた。

「ビンゴ出ました！えーと…ぽこぽこ〜じゃあ景品選んで〜」

「肉！」

　即答で出た声に笑いが広がる。いいお肉ってお話でしたものね。

「はい肉ギフト〜引き換えは自力でよろしく〜」

　・・・

「次はー２３、ペット部屋をやたら派手に飾り付けた」

「ぶっは、それ入れてんのか。ビンゴ！」

「オレもー」

「僕もっすー」

「おー3人かな、何がいいー？」

　ビンゴは賑やかに進行していく。うーん、なかなかビンゴしませんね。

「おっつぎー、えーと1番！ラフェル戦に参加！これは特別特化装備を作った人も対象です〜」

「え、あ、はい！びんご、です！」

「お、セリスー。ほかはー？いないかー？はいセリス何にする？」

「え、あ、えと……ロイドさんの、SF傑作選を……」

「ほいほい、これKandleのダウンロード券なので落とすのは自分でねー」

「は、はい、ありがとうございます！」

　あわわ、貰ってしまった。

　ビンゴカードに引き換え済のシールを貼って、ダウンロードコードを頂く。

　目録が付いているけど、暫くはSF小説読み放題ですね。意外と漫画も多い。

「ぬぐぐぐ、ビンゴしない……」

　ニンカさんが悔しそうにビンゴカードを眺めている。

「今何リーチですか？」

「5つ」

「リーチは出てんのになぁ」

　微妙にこう、開かないところがあるんですよね。

「よーし次引くよー」

　・・・

　・・

「ねええええええ絶対おかしいじゃんこれ！！！」

「ごめんニンカ、写真撮らせてｗｗｗｗｗ」

　ビンゴ大会は終了し、ニンカさんの手元には、

　12リーチのビンゴカードが残っていた。