表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化準備中】「そんなの、ムリです!」 ~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~  作者: 高鳥瑞穂
廿一章 EFO1000days 後

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

270/375

21-4.禁書の防衛 下

「1ウェーブ1分、7の倍数でボスだな」

「とりあえず21ウェーブで上級か。これ28ウェーブで超上級来んのかね?」


 第7ウェーブは初級ボス、第14ウェーブは中級ボス、第21ウェーブは上級ボスだった。

 一回目のチャレンジは14ウェーブ目のボスが取り巻きを大量召喚して手数が足りなくなり終了、二回目のチャレンジでは20ウェーブ目で雑魚が飽和して終了、先程の三回目は23ウェーブのところで高速特攻してきた敵がテントを破壊してしまい終了となった。

 取得ポイントは1,2,3回で倍では効かないほど上がったので、ボスを超えたところで急激に上がる仕様だと思われる。


「超上級基本的に神様系だから、上級で数が増えてくとかが現実的じゃね?」

「一定ラインまではそうじゃないかねぇ。試すには36人フル必須だけど」

「ちゃんと時間合わせて企画しなきゃ駄目だな」

「あとは出現ボスが順番固定なのか、ランダムなのかだな」

「7ウェーブと14ウェーブがランダムボスでしたから……」

「ランダムだろうな」

「でーすーよーねー」


 かなり当たり外れのある、ガチャ要素の強い戦闘ラッシュだ。

 構成が上手く嵌まればかなり続きそうだけど、ガチ編成でも特化型ボスが連続したら低いウェーブで終わりかねない。


「さて……大体話は分かったんで、リーダー達の到着前に1回くらい真面目にやりますか」


 既に遊び始めてから一時間以上経っている。

 リーダーさん達は一通り生産や納品系を触り終えたら合流すると言っていたので、確かにそろそろ来てもおかしくない。


「パーティを6:6から4:4:3に分ける。基本は2パーティ表・1パーティ休憩の状態を作る。上級ボスのときだけフルメンバーで行こう。スイッチタイミングは様子を見つつだけど、とりあえず5ウェーブごとかな」

「ぽんすけはヘルパー?」

「うん、僕ヘルパー。基本奥にいるんで見ながら入るわ」

「私、休憩なくても大丈夫ですが…」

「だめ」


 ノータイム即決で却下された。

 だめ、なのか。


「あー、えっとね。休憩は他のメンバーが取りやすい形を作んないとだめ。セリスちゃんが連戦してるとこで大人しく休憩できる図太いメンバーだけならそれでもいいんだけど、そういうやつらばっかりじゃないのよ」

「あ……すみません」

「団体戦は全員で最高を目指すから、個人のポテンシャルよりも場合によっては集団の心理負担を優先することもある。わかりやすいとこでいうと、アネシアさんの爆発をロイドが止めたみたいなやつね。覚えといて」

「はい、わかりました」


 再編されたAパーティに入る。

 最初の5ウェーブを入って、次の5ウェーブで休憩、そのあと10ウェーブ連戦して、21ウェーブで上級ボス。うん、多分大丈夫。



 最初の方の敵は、数もレベルも大したことがない。サクサクと5分戦って、ぽんすけさんの「スイッチ」の声に合わせて後ろに下がる。

 テントのそばで座る。ソロのときからずっと連戦でやってきたので、休憩の時にどうすれば良いのかって実はよくわからない。


 初級ボス、今回はビッグフロストバット。ゲーム中だと最初の氷系ダンジョンのボスですね。

 ダンジョン自体が耐寒装備をしないとスロウデバフがかかるという、対策装備必須系ダンジョンだった気がする。

 さくっとスキルを決めて決着。流石に初級は早いですね。

 さあ、初級ボスを倒すと敵が明らかに強くなる。ウェーブで追加される敵の数もぐっと増えた。

 8ウェーブ、9ウェーブ。もうすぐか。

 10ウェーブが終わって、Bパーティとスイッチする。湧き出てくるモンスターに、飛び込んだ。

 いち…………に…………さん。

 ウェーブを3つ通り過ぎて、現れた中級ボスはノールトリス。……え?ノールトリス出るんですか?宝物を溜め込む性質を持つ、中盤の金策ボスですけど。

 毎週の挑める回数に制限のあるタイプの敵だ。3回でしたっけ?ええ……このウェーブバトル敵のドロップ出ないんですけど。


「せめてドロップをよこせ~」

「なんでここでトリスなんだよ何もドロップしねえくせによお!?」


 ノールトリスの特徴は、とにかく硬い。攻撃力自体はさほど高くないけれど、かといって放置もできない。本当に……鬱陶しい。せめてなにかドロップしてください。

 ギリギリ時間内に倒しきって、15ウェーブ。また敵がぐっと強く、多くなる。

 そろそろ毒アサシンだと一撃が厳しい。……次はファイターで来よう……。

 17ウェーブをしのぎきったところで、ぽんすけさんの「Aパーティスイッチ!」の声が聞こえた。


 え?誰か落ちましたか?


 指示に従うようにとは言われているので急いで下がる。あと10秒くらいで次のウェーブだ。


「お、出るの?」

「みんなが僕に何もさせてくんねーから体があったまらん。ちょっと3ウェーブもらうね」

「おー、やる気じゃん」

「まー、()()()()()()()。ドドンガ、トチったらフォローよろ」

「あいよー、いてらー」


 ぽんすけさんが、Aパーティが下がった場所へ一人入っていく。


「……え?」

「あれ、セリスちゃんもしかしてぽんすけの戦闘見たことない?」

「え、あ、えーと、リーダーさんとPvPしているのは、何度か」


 あとは過去ボルナデラとなななコピー戦もご一緒しているけど、どちらかと言うとサポート寄りの戦闘をする方だと思っている……の、ですけども。


「なるほどねえ。そういや機会もなかったか」

「最近はぽんすけ向きのイベント少なかったからねぇ」


 いや、あの、4人で抑えていた場所に、一人で入って行っちゃったんですけど?


「よく見ときな、セリスちゃん」


 ぽんすけさんが槍を構え、()()()()()()()()()()()スキルを発動する。


「あれがサザンクロス(うち)の、鬼神(ランサー)だよ」




 はじめからそこにいたかのように着弾地点に敵が現れて、即時蒸発した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
パターン把握からのポップ先読み名手か……。 ある程度決まった型のあるバトルに滅法強いタイプ。
これはかっこいいw ……てかトラさんチームと後衛組抜いたら、割と前衛の枚数足りてないから団体戦とかのためにも必然的にエース枠はいるんだよな、完全に気づかなかったww
先読みの鬼はレイドに1人居ると凄く頼もしいやつだ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ