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オリオンとサソリ

作者: 一日千秋



あるところに、大きな大きな体をもったオリオンと言うハンターがいました。


オリオンは生まれた時から才能に恵まれていました。


走ったら誰よりも先にゴールして、

ジャンプしたら誰よりも高く飛び、

力くらべをしたらみんなより重いものを持ち上げる。


オリオンはみんなに凄いね、と言われ育ちました。



「ぼくって凄いんだ。それならみんなのためにこの力を使おう」



オリオンはそう決めました。



オリオンはハンターとして、みんなを守るため、

食べ物を仕留めてくるためにその力を使っていきます。


ウサギを狩り、

イノシシを狩り、

シカを狩り、

ウマを狩り、

クマを狩る。


「ぼくはどんな大きなケモノでも狩れるのさ!ぼくは凄いんだ!」



オリオンは自分の狩りに自信を持っていました。




そんな時、ハンターの女神のアルテミスが言いました。



「オリオン!凄いではないか!私と一緒に狩りに行こうじゃないか!」



オリオンは女神に認められたのです。


「ぼくが女神さまと一緒に狩りができるなんて!凄い嬉しい!ぼくって凄いんだ!」



オリオンはもっともっと自分に自信がつきました。


それから来る日も来る日も一心不乱に狩り続けていきました。




そんなある日、オリオンは言いました。


「ぼくは、この世界のすべてケモノを狩ってみせるよ!」



この言葉を聞いた大地の女神のガイアが言いました。


「その言葉は自然を壊すことになります!許しません!」



怒ったガイアはオリオンのもとに小さな小さなサソリを放ちます。



オリオンはどんな大きな大きなケモノが来るのかと待ち構えていました。


けれど、待てども待てどもそんなケモノは来ませんでした。




カサカサカサカサ



オリオンの足元に小さなサソリが忍び寄ってきます。




オリオンは気付きません。


オリオンは自分が強いということを疑っていないため、大きな大きなケモノが来ることばかり考えています。




そして、



オリオンはサソリの毒にやられてしまいました。







それを知ったアルテミスはとても悲しみました。



アルテミスは父ゼウスにお願いをします。



「オリオンが可哀想だわ、凄いハンターだったの。どうにかお星さまにしてあげられないかしら?」



「確かに、オリオンの功績を認めて星にしようじゃないか。たがこの事を忘れないためにもサソリも星にするぞ。」



ゼウスは手のひらを天に掲げて、雷をピカピカ放つ。




すると、雷がきらきらと光となって、真っ暗な天空へと登っていく。




きらきらきら。



きらきらきら。




夜空にはきらきら光る星が浮かんでいく。



さそり座が昇るとオリオン座が沈む。



二つの星は永遠に逃げ続けるのであった。






最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
 周りからの誉めちぎりを疑いもせず増長し、過ぎた純粋と傲慢をこじらせたまま物騒な事をいうオリオンが悪いのやら、自分の技能への過信と命を狩る事の重さへの諌めをせず、おだてを繰り返した周りが悪いのやら判断…
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