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転性剣士商売  作者: 明之 想
第二章
45/61

第四十五話  地階2



 戦闘、撤退の作戦とも言えないような作戦の話をした後、再び階下へ。

 地階の大広間に到着した時には最初の戦闘から数刻は経っていた。

 ミノタウロスと同じシステムなら、さっき倒した2体は復活しているかもしれない。

 まあ、100体程いるんだ。

 2体なんて関係ないか。


 さあ、突撃だ。


 発光後、現れる骸骨兵士たち。

 これだけいたら、2体が復活しているかなんて判るわけもない。

 俺が先頭に立ち、魔法攻撃と剣で前面の敵を殲滅。

 撃ち漏らしたり、背後に回られた骸骨をエルマさんが処理。

 20体程度を倒したところで、一度撤退。

 そういった簡単な作戦。


 予定通りに、まずは魔法の一撃で2体を撃破。

 間髪入れずに剣を振り回し、数体を粉砕。

 こちらに負傷はない。

 さらに魔法を使い、剣も振るっていく。

 面白いように倒れていく骸骨戦士たち。


 おっ。

 エルマさんも順調そうだ。

 数体倒したか。

 でも・・・。

 浅い傷を幾つか負っている。

 これは・・・やはり一旦撤退だな。


「一度退きますよ」


「分かったわ」


 階上までは撤退せず、通路の奥、階段の下まで退却。

 ここまで骸骨戦士は追って来ないから安全だ。


 エルマさんの傷を素早く治療。


「続けて行けますか?」


「当り前よ」


 エルマさんのためにも、もう少し休憩したかったんだけど、そうするとさっき倒した奴らが復活するかもしれない。それだと、切りが無いからな。

 だから、エルマさんが無理なら俺だけでも戦うつもりだったんだけど。

まだまだ元気そうだ。



 ということで、再突入。

 やはり魔法と剣を使っての戦闘。

 さっきと同様、いや、それ以上に順調だ。


 エルマさんは・・・。


「余裕よ」


 振り返る俺に対して、その言葉。

 それ程余裕があるようには見えないけど、まあ、大丈夫か。

 今回はほとんど怪我も無さそうだ。

 ということで、15体ほど撃破。

 ひとまず退散と。


 まあ、これで30体以上は倒したかな。

 残りは約70体。


 うん・・・先は長いな。


 1刻程休憩して、さらに突撃。

 大分慣れてきたな。

 殲滅速度も上がっているようだ。

 よし、15体ほど倒したか。

 まだまだいけそうだけど、ここは慎重に。

 後退と。



 ここまでは、すこぶる順調だ。

 エルマさんにも余裕が出てきた。

 でも、魔力残量が少し心配だな。

 強力な魔法を数回使ったので、あとの事を考えると少し控えた方がいいかもしれない。以前よりは、魔力総量が増えているし、魔力を攻撃魔法に変換する時の効率も上がっているから、それなりの数は撃てるようになっているけど。

 それでも、2、30発も使えるわけじゃ無い。

 治癒にも使いたいしね。


「まだ行けますか?」


「へ、平気よ」


 言葉とは裏腹に少し疲労しているようだ。

 一度休んでもらって、俺だけで行こうか。

 そう提案したところ、言下に却下された。

 それならと、治癒魔法をエルマさんに。

 治癒魔法には体力回復の効果もあるので、少しは楽になるだろう。

 とは言っても、精神的疲労が取れるわけでは無い。

 なので、あまり楽観はできない。

 次の戦闘の後はエルマさんには一度休んでもらって俺だけで行こうか。

 などと考えながら。


 四度目の突入。

 今回は低威力の省エネ魔法と剣で対応。

 目標撃破数も少な目でいいだろう。


 1体、2体。

 ますます順調。

 エルマさんも疲れているとはいえ、コツを掴んだようで危なげがない。

 さすがに、一撃で倒すことはできないけれど、華麗な剣捌きで骸骨戦士を翻弄している。


 3体、4体・・・。


 えっ!?


 いきなり、とんでもない閃光が広間から溢れ出た。

 眩しくて目を開けていられないくらいだ。

 その光に、俺達だけでなく骸骨戦士も動きを止めている。


 何だ?

 何が起きるんだ?

 戸惑っているのは俺だけじゃない。


「何これ?」


 背後で闘っていたエルマさんが駆け寄って来る。

 その声にはさっきまでの余裕はなく。

 不安が隠しきれない。


「・・・嫌な感じですね」


 骸骨戦士登場時の発光なんて比べるまでもない。

 ミノタウロス登場時の光も遥かにしのいでいる。


「なんだか悪寒がするわ。逃げた方がいいんじゃない」


 発光は少し弱くなったものの、いまだ収まっていない。


「・・・そうですね。エルマさんは通路に隠れていて下さい。僕は何が登場するか確認してから戻りますので」


「また一人で無茶するつもり? 確認するだけなら、一緒に通路から見ればいいじゃない」


 そういえば、最初に骸骨戦士と対した時も同じようなこと言ったよな。

 そのあと、エルマさんは不機嫌になったし。

 でも、今回も。


「いえ、僕たちがここから出ると、何も現れないかもしれないですし・・・それに少し試してみたいので」


 まあ、ここから出ても何モノかは現れるとは思うけど。


「・・・自信はあるの?」


「ええ、まあ」


 確かに、尋常ならざる感覚が俺を襲っているけど、それでも、どうにもならないという感じまではしない。今俺に残っている魔力でも、少しぐらいなら・・・。


「はぁ・・・」


 大きく溜息をつくエルマさん。

「どうせ言っても聞かないわよね」


「・・・」


「なら、いいわ。好きにしなさい。でも・・・でも、危ないと思ったら、すぐ逃げるのよ」


「はい」


「約束よ」


「約束します。任せて下さい」


 エルマさんが俺を信じ、任せてくれた。

 ありがたい。

 あとは、やるだけだ。


 おっ、まずい。

 発光が収まってきた。


「エルマさん!」


 小さく頷き通路へと向かう。

 骸骨戦士たちはまだ動きを止めたまま。


 さて、何が現れる?


 皮膚がひりひりする。

 髪の毛も逆立つような感覚。

 これは本格的にヤバそうだ。

 鬼が出るか蛇が出るか。


 ・・・。


 僅かに残る光の中、現れたのはミノタウロスより一回り大きな怪物。

 手が四本あるような・・・。

 もう少し確認だ。


 と思ったのが甘かった。

 油断禁物、慎重にと肝に銘じながらこの始末。

 やはり、甘く見ていたということか。


 閃光が止むや、そいつは跳躍し俺の背後に着地。

 通路の手前に仁王立ちしていた。


 こうなると、闘わずに撤退するのも難しいだろうな。

 少し様子を見ようと思っていただけなんだけど、仕方ない。



「ふぅ~」


 思わず大きな息を吐いてしまう。

 背中にはじっとりと汗が滲んでいる。

 多くの骸骨戦士と戦ってきたからではない。

 目の前にいるこいつのせいだ。

 ホント、尋常じゃない圧力だな。

 何とかなると思った俺の勘は信用していいのか。

 残り少ない魔力で本当に大丈夫なのか。


 クリスタルに照らされた仄暗い空間の中。

 周りには、約50体の骸骨戦士。

 眼前には四本の手を持つ巨大な怪物。


 さすがに楽観できる状況じゃない。

 少しだけこの怪物と手合せして、そのまま脇を抜けて通路に逃走できないものか。


 しかし、こいつは・・・。


 ミノタウロスの様に無闇に突進してくるわけでもなく、俺の様子をうかがっている。

 観察しているのか。

 確かに、その眼には知性が感じられるな。

 赤銅色の身体を持つこの怪物。

 分かりやすく言えば、四本手の巨大な赤鬼といったところ。

 その四本の手には剣と盾。

 左右対称に二対、俺に向けて構えている。


 巨体でありながら隙を感じさせないその姿。

 俺も下手に動き出せない。

 背後の骸骨も身じろぎもせず、その場に止まったままだ。


 じりじりと時間が過ぎる。

 剣の達人と仕合っているような感覚に襲われる。

 こんな怪物がいたなんて・・・。


 あっ!


 赤鬼の背後。

 通路からエルマさんが姿を現した。

 顔面は蒼白。

 が、赤鬼に背後から突進。

 静寂を破る剣戟。

 剣を赤鬼の背中に突き入れる。


「ハヤト、今よ!!」


 エルマさん、危ない!

 でも・・・逃げる事ができるように隙を作ってくれた。

 俺は固まっていた身体を動かし、赤鬼を回避して通路へ向かおうと・・・。


 赤鬼には隙など全く生じなかった。

 奇襲にも全く動じず、赤鬼は盾でエルマさんの攻撃を防御。

 悠然とこちらに顔を向けたまま、盾を持つ手だけをありえない方向に曲げて・・・。


「っ!!」


 声にならない叫びを漏らすエルマさんの顔には驚愕の色が浮かんでいる。

 俺も思わず足を止める。

 赤鬼は依然として俺の方を向いたまま、今度は剣を持つ手をありえない方向に回し。


「逃げろ、早く!」


 エルマさんに向かって赤鬼の一撃が・・・。


 させるか!


 一瞬で赤鬼の前まで間を詰め、下段から大剣を振り上げる。

 当然のように、盾で防がれるが。

 時間は稼げた。


 エルマさんは・・・。

 良かった、傷を負っていない。

 赤鬼の間合いからも離れてくれた。

 けど、通路には戻っていない。


「早く通路に戻っ、つぅ!」


 赤鬼の剣が上段から俺に向かって振り下ろされた。

 とんでもない威力だ。

 なんとか剣でその攻撃をいなしながら、左に避ける。


 が、今度はエルマさんの攻撃に向かっていた手から新たな剣の一撃が俺を横薙ぎにする。

 この威力も速度も凄まじい。

 けど、対応できなくはない。

 上に跳躍し、赤鬼の一撃を避けざまに水平に赤鬼の胴に向かって剣を・・・。


 ガゴン!!


 右肩に激しい衝撃。

 視界から赤鬼が消えた。

 いや、俺が赤鬼の前から消えたんだ。


 みじめに地面に這いつくばった俺。

 数メートル吹っ飛ばされていた。


 さっきまで微動だにしなかった骸骨たちが、ここぞとばかりに俺に剣をあびせてくる。

 一撃一撃に大した威力は無いが、続けられるとそれなりのダメージを負ってしまう。

 素早く立ち上がり、左手に剣を持ち替え円を描くように剣を振るう。

 俺に群がっていた数体の骸骨を粉砕。

 残りは俺から距離をとるように後退した。


 助かった、骸骨の相手なんてしていられない。

 あいつを何とかしないと。

 跳躍し再び赤鬼の正面に。


 赤鬼は表情を変えることなく、さっきまでと同じ場所に立っていた。

 傷を負った俺を追撃することもなく泰然と。


 くそぉ。

 余裕だな。

 俺なんか敵じゃないということか。


 しかし、さっきの攻撃・・・。

 水平に斬りつけようとした瞬間、赤鬼のもう一つの手にある盾が俺に叩きつけられた。

 思いもよらなかった攻撃。

 盾での攻撃とは。

 いや、盾で攻撃はしないだろうなんていう思い込みはただの先入観だ。

 そんな攻撃、大昔から存在する。

 考えていなかった俺が甘いだけだ。

 おかげで、完全に右肩をやられた。

 右手で剣を持つくらいなら問題ないけど、右手だけで剣を使いこなすのは難しい。


「・・・」


 もう、余力を残してる場合じゃないな。

 幸いなことに、あいつは動きもせず俺を凝視している。

 その隙に。

 倍速を発動、水弾と火炎弾を待機。


 よし、今度こそだ。


 さっきまでとは違う速度で赤鬼に接近。

 跳躍のフェイントを入れてから身を屈め、赤鬼の足を払うように剣を振る。

 飛んで避けてくれれば、そのまま通路まで遁走するつもりだったけど、そう上手くはいかない。盾で俺の攻撃を防ぎにかかる。


 が、甘い。

 もう一段ギアを上げ速度を上げる。

 まだ、倍速での全力を出していなかったから。

 片脚に斬りつける。


 ガリ!


 そのまま、赤鬼の右に回り、そこから通路へ突進。

 はできないか。


 移動した赤鬼に防がれた。

 けど、あいつを動かしたぞ。

 それに、脚をやったはずだ。

 片脚は盾で防がれたけど、もう一方には届いた。

 切断はできないまでも、傷を負わせたはず。


 しかし、この感触。

 皮膚も相当硬いな。


 おっ、ちょっと表情が変わったんじゃないのか。

 よし、次で脱出だ。


 再び全速で突進しながら水弾を放つ。

 近距離での水弾。

 これも、盾で防ぐか。

 凄い反応速度と防御力だな。


 なら、これでどうだ。

 水弾の着弾とほぼ同時に大剣を一閃。

 今度は剣で防ぐ。

 さすがだ。


 でも、これなら。

 ほぼゼロ距離からの火炎弾。

 強力な一発だ。


 ドン!!


 着弾。

 貫通はしないが。

 でも、間違いない。

 腹に大きな傷を負わせたぞ。

 さらに・・・。

 そこに蹴りを一発。


 よし、入った。


「グゥルオォォォ!」


 俺を振り払うように、盾を振り回し、跳躍。

 赤鬼が俺から離れた。


 やった!

 これで、脱出できる。

 でも、このまま奴を倒した方がいいか。


 と、考えたのも一瞬。

 赤鬼が短く詠唱すると。

 階段へと続く通路の前に炎が吹き上がった。


 えっ!?

 本当かよ。


 通路と俺の間には、紅蓮の壁が出来上がっていた。


 エルマさんは?

 通路の横にいたから大丈夫だよな。

 無事でいてくれよ。


 で、どうする。

 水魔法を使って消火できるのか。

 いや、この炎を消すほどの水魔法って。

 そんな魔力は残ってないぞ。


 それに奴は。

 さっきとは違う詠唱をしながら、ゆっくりと俺に近づいて来る。

 足の傷、腹の傷が、塞がっていく。


 冗談だろ。

 治癒魔法も使うのかよ。


 さらに、赤鬼が右手を上げると。

 50体の骸骨戦士が俺に突進してきた。


 こりゃ、駄目だ。


 もう突っ込むしかないな。

 まずは水魔法。

 威力なんかどうでもいい。

 高速で発動し、俺の周りに水の膜を作る。

 さらに、魔力を俺の周りに螺旋状に集める。

 気も張り巡らせる。


 よし、何とかなってくれよ。

 全速で紅蓮の炎に突っ込んだ。



「熱ぅ」


 かなりの高温ではあったけれど、どうにか突破できたみたいだ。

 で、赤鬼も・・・よし、追ってこないな。

 やはり、この通路は安全地帯のようだ。


 エルマさんも・・・無事みたいだな。

 よかった。


 ふぅ~、一安心。

 

 とはいえ、結構な火傷を負っている。

 服も相当やられたな。

 レントに戻ったら何とかしないと。

 でも、とりあえず今は治療を優先だ。

 右肩も悲惨な状況だから。

 魔力はあまり残っていないけど。


「エルマさん・・・えっ・・・」


 傍らには、エルマさん。

 腰を抜かしたように座り込んでいる。

 蒼白な顔で震えている。

 さっきの戦闘か?

 炎にやられたのか?

 外傷は無さそうだったけど・・・。


「エルマさん、大丈夫で・・・」


「バカ!!」


「・・・」


「バカ、馬鹿!」


 口ではそう言いながら、俺に治癒魔法をかけてくれる。

 あらかじめ詠唱済みであるかのような素早さで。


「ありがとうございます・・・エルマさんは大丈夫ですか?」


「私は平気よ。怪我なんかしてないわ」


「よかった」


「よくないわよ。あんた何度そんな怪我すれば気が済むのよ」


「それは・・・」


「何が逃げろよ、何が任せろよ。全然駄目じゃない」


 ・・・。


 確かに、今回もへまをした。

 これも油断か。

 俺も成長しないなぁ。

 でも、エルマさんに逃げてもらったのは正解だ。

 それは間違いない。


 いや・・・。

 エルマさんは、そんなこと言いたいんじゃないか。


「心配かけて、すみません。考えが甘かったみたいです」


「うっ・・・心配なんてしてないけど・・・」


「何よりエルマさんを危険な目にあわせてしまいました。本当にすみませんでした」


「私は・・・平気だけど・・・」


「それに、治療していただいて助かりました。実は魔力があまり残っていないので」


「えっ!?」


「情けないことですが・・・」


「私がいなかったらその怪我どうするつもりだったのよ」


「・・・魔力が回復するまで待つしかないですね」


「そんな・・・そんな大怪我なのに・・・バカ・・・」


「すみません・・・」



 その後は、お互いに黙ったまま。

 ただ治療を続けてくれている。

 おかげで大分楽になってきた。

 ありがたいことだ。

 エルマさんの方も・・・うん、震えも収まっているし、顔色も戻ってきたかな。

 よかった。





「ホント、助かりました」


 エルマさんの治癒魔法のおかげで、もう全快。

 なんなら今からでも戦えそうだ。

 戦わないけど。


「パートナーを助けるのは当然よ」


「はあ・・・でも、ありがとうございました」


「いいわよ、これくらい。それより、今後はあんな無茶しないでよね」


「はい・・・善処します」


「ホントよ」


「・・・はい」


 多分・・・。


『もう、こんな心配したくないわ』


「えっ?」


「っ! 何でもないわよ。とにかく、もっと慎重にしなさいよね」


 言葉ほどには怒っていないと感じられる。

 うん・・・かなり心配かけたみたいだな。

 反省だ。


 しかし、まあ俺もホント未熟なもんだ。

 今回はもっと慎重に行動すべきだったよ。

 あの赤鬼、現れる前から只ならぬ雰囲気出していたからな。

 発光した時点で、通路手前まで下がっていれば良かったんだよな。


 それでも、得るものはあったと思う。

 一度手合わせしたからこそ分かることもあるから。



「それで、どうします?」


「どうするって、まさかまた戦う気?」


 驚愕の表情をしながらも俺を睨みつけるエルマさん。

 いや、戦いませんから。


「いえ、さすがに止めておきます」


「じゃあ、何よ?」


「他の迷宮の地階も調べますか?」


「地階! 今から!?」


「ええ」


「もう行かないわよ。またとんでもない怪物が出て来るかもしれないじゃない」


「まあ、そうなんですが・・・」


 確認だけなら・・・。

 いや、駄目だな。

 慎重に行動しようと思ったばかりなのに、つい・・・。


「今日はもう駄目よ! あんな怪我した後なのに」


「はあ」


 そうですよね。

 そりゃ、そうだ。


「今日はこれで終わり。帰るわよ」


 ということで、帰還することに決定。





 レントに戻る道中、エルマさんから質問が。

 なぜ、赤鬼に対して虎徹を使わなかったのかと。

 ・・・忘れてた。

 というか、使っているつもりでいた。

 うぅ・・・愚かだ。


 煩悶する俺を見つめるエルマさんの目は・・・ジト目でした。






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