表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/46

人混みに流されて。―月夜

タイトル見てたら卒業したくなってきた。

「………………さて、と。ねぇ雪乃、次はどこ行こっか?」

「そう、ねぇ………………ご飯にはまだ早いし………………灰谷さんは、どこか行きたいところある?」

「い、いえっ………………あー、こういう所、あんまり来ないんで………………すいません………………」

慌てて謝る。………………あー、もう、貧乏なの丸出しじゃん………………

「ん、忘れてた………………雪乃の制汗剤と、月夜ちゃんのシャンプー。」

「そういえば、それを買いに来たんだったわね……………… 灰谷さんを着せ替え人形にするのに夢中で、すっかり忘れてたわ。」

「なっ、き、着せ替え人形って………………」

「あはは、確かに楽しかったからねぇ。」

「墨森先輩まで………………」

わ、私ってもしかして遊ばれてる………………?

「………………そういえば、先輩達は春物は?」

「ん、いいの無かったからパス。」

「そうですか………………」

………………ちぇ、私も先輩達に『シカエシ』したかったなぁ………………

「………………あ、今『シカエシしたい』とか考えてたでしょ?」

「ど、どどどどどどうしてそれをっ!?」

「あ、図星なんだ………………」

か、カマかけ………………?

「………………ま、着せ替え人形ごっこはまた今度………………ね? でないと雪乃が嫉妬しちゃうからっ♪」

「し、しないわよっ!?」

白峰先輩がぷりぷりと怒ってる。………………うーん、いつもはクールな感じだけど、墨森先輩が絡むとどうも暴走しやすいんだなぁ………………白峰先輩。

「………………ほ、ほらっ、さっさとシャンプーとか見に行くわよっ、さぁっ、」

「はいはい、分かったって………………」

白峰先輩に引きずられるようにして、下の階にあるドラッグストアへと向かう。

「んーと………………雪乃、こっち」

来慣れてるのか、すたすたとエスカレーターに歩いていく白峰先輩を墨森先輩が止める。

「なんでよ、こっちじゃないの?」

「ほら、月夜ちゃん今は超ミニだし」

「………………確かに」

………………そ、そういえばそうだった………………慌ててスカートの裾を押さえる。

「バレーのパンツって結構ミニなのに、足出すの慣れてないの?」

「そ、それとこれとは話が別なんですよっ………………」

「まぁ、分からなくはないわね………………」

白峰先輩みたいに筋肉付いてるならいいけど、私の足細いからなぁ………………

「それなら、向こうのエレベーターで降りましょ」

そういう訳で3人でエレベーターの前に並ぶと、扉が空いた瞬間に人混みに襲われる。

「おわっ!?」

「は、離れないようにくっついてっ!?」

人混みが引くと、同時にエレベーターへと入り込もうとする人の流れに押し込まれる。………………や、やばいっ、先輩達を見失った!? 扉が閉まる前に辺りを見回すけれど、見つからなくて。

「ちょっ、雪乃、月夜ちゃん、いるっ!?」

扉が閉まってからそんな声が聞こえてくる。

「こ、ここにいますっ」

「私もここよ」

すぐ近くで声がして、顔をあげればそこに二人共いた。

「………………ふぅ、死ぬかと思った………………」

「ほんとに。今日はすごい人手ね………………離れないように、手でも繋いでましょっか」

言うが早いか、白峰先輩が墨森先輩の手を握る。

「じゃ、じゃあ私もっ」

そう言って手を差し出すと、ちょうどエレベーターの扉が開いて人の群れに襲われる。

「うわぁっ!?」

「つ、月夜ちゃんっ!?」

すごい力で流されそうになって、必死に手を伸ばす。その手を墨森先輩が掴んで引き戻すと、そのまま抱きとめられる。同時に扉が閉まった。

「………………ふぅ、危ないところだったぁ………………」

「………………………………」

「あ、大丈夫だった? ………………って、おーい、月夜ちゃん………………?」

墨森先輩の呼びかける声が、なんだか遠く聞こえて。

「………………あぁっ、す、すいません………………」

慌てて身体を離すと、そのまま後ろを向く。

(………………せ、先輩って、こんな柔らかかったんだ………………)

荒くなる息を誤魔化すのが精一杯だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ