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文芸コラム 『言葉の精練』 -魔法に変わる言葉-  作者: Kobito


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第40回 読書感想会【前編】 ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』 (会主・古寺猫子)

皆さん、お久しぶりです。

先日、景色が初夏になったのを、空や風景の色合いから感じて、「なるほど、Kobitoさんが詩で言っていた感覚は、これだな。」と思った、古寺猫子です。


第39回のコラムの前書きで、Kobitoさんが触れられている通り、このコラム連載で私が頂いているレギュラー回は、4回に1回のペースなので、本来であれば、私は第39回に登場する予定だったのですが、Kobitoさんが、どうしてもすぐに発表したいコラムがあるという事だったので、その回をお譲りして、私はこの第40回に登場させて頂く、ということになりました。

第39回の内容は、Kobitoさんらしい、正義漢というか、反骨心というか、多勢に単騎で向かって行くドン・キホーテ……、じゃなかった、武蔵坊弁慶のような勇ましさがありましたね。


それで、節目の第40回を譲っていただいた私も、Kobitoさんの孤軍奮闘を見習って、何か文芸コラムにふさわしい、創作に関するお話をできたらいいな、と思うんですが、いかがでしょう。

先日、ミヒャエル・エンデさんの『はてしない物語』を読み終えて、いたく感動したんですが、試しに、どんなに魅力的なお話だったかを、皆さんにご紹介する、という、読書感想会を、催してみましょうか。

海外の児童文学の中では、比較的有名な作品らしいんですが、読んだことがある、っていう方は、居られますか?

感想会と銘打ったからには、どなたかと一緒に、作品の魅力を語り合いたいんですが……、読んだことのある方をすぐに見つけるのも難しそうなので、やっぱり無難に、読書感想文にしましょうか?


この『はてしない物語』、実は、最寄りの図書館の児童書のコーナーにあったのは、以前から知っていて、私の大好きな映画『ネバーエンディング・ストーリー』の原作らしい、という事も分かっていたんですが、分厚い単行本が上下2巻という、なかなか手ごわそうな本だったので、今まで背表紙を見たり、表紙の絵を眺めたり、クンクン匂いを嗅いでみたりするだけで、本を開いてみる事はしなかったのでした。

だけど、本との出会いというのは、不思議なもので、ある時、不意に、「今が、この本を読むべき時だな。」という、感じが起こって来たんです。

Kobitoさんに、その事を話したら、「私も、つげ義春さんの漫画を、気になりながらずっと読まずにいたけど、ある時、『読む時が来たな。』と思って、全集を買って、一気に読んだ、という事があったよ。そして、やっぱり、その時まで読まずにいたのは、正解だったなと思った。それ以前は、理解力とか、受け入れる器が、まだ十分に準備できていなかったんだと思う。」と、おっしゃっていました。


つまり、いよいよ私も、準備期間を終えて、『はてしない物語』の、奥深い世界に、足を踏み入れる事になった、というわけですね。


「ピンポーン」


あら、誰かしら。はーい!


「ねーこーこーちゃん。あーそーぼ。」


おや、夕子ちゃん、いらっしゃい。学校、もう終わったの?

「今日、日曜だよ。」

あはは。そうだった。猫に曜日ってあんまり関係ないのよ。でも、いい所に来たわ。ちょっと手伝って。

「なぁに?」

今ね、ミヒャエル・エンデさんの『はてしない物語』の、読書感想会をやってるの。あなた、ひょっとすると、『はてしない物語』、読んだことがないかしら?

「あるよ。去年の夏休みに、読書感想文を書くために、図書館から借りて読んだ。」

やっぱりね、読んだ人って顔だったもの。ね、今、コラムの読者さんに向けて放送中だから、夕子ちゃん、一緒に読書感想会、やりましょうよ。全国放送よ。

「でも、あんまり覚えてないよ。それに、難しかったよ。」

いいのよ。適当で。どうせ、読んだ人なんて少ないんだから。いい加減な事言っても分かりゃしないわ。

「猫子ちゃん、悪いんだぁ。せーんせいに、言ってやろ!」

さっきそこの猫八幡で買った梅が枝餅をあげるから、ね、焼きたてで美味しいよ。

「買収やん。でも、いいよ。手伝う。」

じゃあ、そこに座って。はい、梅が枝餅。好きなだけ食べていいよ。

「熱々だ。てゆうか、猫子ちゃん、これ全部、一人で食べるつもりだったの?」

まさか。おすそ分け用も含めて、多めに買ったのよ。

「彼氏にあげるん?」

うふっ。そうよ。

「嘘やん。山本さん家のキンタとか、河合のおばあちゃん家のシロとかにあげるんやろ。時々食べ物あげてるの、知ってるんよ。」

ばれたか。でも、最近、彼ら、私を見ても、吠えなくなったでしょう?良好なご近所付き合いのためにも、必要な事だったのよ。

「ふぅん。猫もいろいろ大変なんだ。」

そうよ。多めに梅が枝餅を買っていたから、こうやって、夕子ちゃんも買収できた事だし。

「そうね。(もぐもぐ)」

さて、梅が枝餅の話はこのくらいにして、本題に入りましょう。



【中編に続く】





梅が枝餅の話が弾んで、肝心の『はてしない物語』の話が全然できませんでしたね。

ということで、読書感想会の模様は、【前編(第40回)】【中編(第41回)】【後編(第42回)】の、3回に分けて、余裕を持ってお届けしようと思います。

Kobitoさんには、後で了解を得ときますね。第39回の出番を、急きょ譲ってあげたのだから、このくらいのお礼は、気前よく下さるでしょう。


ゲストの夕子ちゃんが来てくれたおかげで、楽しく感想会が進められそうです。

次こそは、本題に入りたいと思うので、皆さんも、どうぞお楽しみに。




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