表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Genesis Dogma Online  作者: カサゴ
20/39

新しい世界(生産)への扉を開く。

(意味深)

レイさんたちと別れた後。

これからは、ダンジョン攻略に向けての準備をしていくつもりだ。具体的には、ダンジョンでの戦闘に向けて情報収集、装備品や消耗品の作成などだ。

もう、いい加減、溜まりに溜まったラビ系の素材を使いたいし、重量値にはかなり余裕、というか無駄があるので、どうせなら防御力の足しにしたい。それに、せっかくイイモノを手に入れたんだから、試してみたくなるじゃないの。

まずはギルドで依頼達成の報告だな。もう伝わってると思うけど、一応報告しないと。

というか、さっきのパレード(?)の影響でものすごい人だ。

ええーい、心の中でヤン○ーニヤン○ーニ唱えれば全て躱せるはずだッ!









無理でした。常人には躱せねえよ。密度が濃すぎて弾幕どころか普通に壁レベルだもん。





そんなこんなでギルドに着く。早速報告しないとな。

「「「「「「あ」」」」」」

うん、さっきいい感じで別れたレイさんたちと再会したよね。

考えてみたら、同じクエスト受けて同じタイミングで解散したんだから当たり前か。

「いやーその、お久しぶりです」

「おい!急に『3年後…』みたいなコマが挟まったみたいに振る舞うんじゃねえ!」

「アッハイ」

「まあ、一緒に報告、していきませんか?」

「そうですね」

気 ま ず い 。



ともあれ、報告はすべて向こうのパーティーがやってくれたので、結果的には楽になったかな?

報酬は各々に1万ジェネと、今回の災害に巻き込まれた人たちで、冒険者の活動の手伝いになる職業の人が直々にお礼をしたいということで、紹介してもらうことになった。ポーションを作っているおじいさんや、革製品で防具を作っている女性がいるらしく、場所を教えてもらった。

後で行ってみよう。それで、どうせなら作り方なんかも色々教えてもらおう。

今度こそレイさんたちとは別行動になる。レイさんたちは一旦ログアウトして休んでから紹介された人たちの所を訪れるらしい。俺はギルドでダンジョンについての説明を聞いてから、このまま直行するつもりだ。

「それでは、僕はこれで」

「おう、ちゃんと休めよ?」

「…身体は大事にしろ」

「フオアっ!?」

「あら、珍しいじゃない。ニックが自分から話すなんて」

「…フンッ」

なんだこのエルフのツンデレ。女の子になってからやってもらっていいですか?

「ありがとうございます、ではまた」

「こんどこそ、じゃーねー」

レイさんたちはギルドの外へ出て行った。俺は相談窓口へ行く。



「ダンジョンについて?またか…」

「すいません、最初の方と、補足だけお願いします」

「しょおがねえなあ…ちゃんと聞いてろよ?」

俺が相談窓口に着いたとき、既に他のパーティーがダンジョンについての説明を受けていた。窓口のオッチャンにしてみれば、ここ最近の仕事はダンジョンについての説明ばかりで、それこそゲームの村人のような気分だろう。前のパーティーの説明は俺も聞いていたので、少しでも仕事を減らそうと思って俺が来る前の説明と、よく聞き取れなかった所を聞かせてもらう。

まとめると、こうなる。

ダンジョン自体は全20層。15層までは5層ごとに魔物の構成やダンジョン内の様子が変わって、下に行けば行くほど出てくる魔物のレベルも上がるそうだ。で、境目の5階層ごとにボスが居るとか。

このダンジョンを構成する要素は4つ。15階層までは層の順番が1日ごとに入れ替わるランダムだそうだ。

1つ目は、森の小道のように入り組んだ地形で、獣型のMOBが発生する地形。薬草以外にも色々とれる採取ポイントがあるらしい。

2つ目は、洞窟のような地形。攻略組が難儀しているのはここらしい。何でも、土や金属でできたゴーレムが徘徊していて、効果的なダメージを与えることが難しいらしい。魔法なら3発位で倒せるらしいが、結構な数が配置されていてMP切れになって撤退することになるんだとか。ゴーレムらしい弱点があり、EMETHのうち最初のEに傷を付ければそれで倒せる…と言われているが、暗い洞窟で身体のどこにあるか分からない、しかも浅く彫られている窪みを見つけるのは至難の業で、結局魔法で攻撃した方が消耗が少ないとされているそうだ。

ここの採取ポイントは壁にある亀裂で、ピッケルがないと多くの鉱石は採れないらしい。それでも、現時点で唯一アイアンが採れる場所という事で、人が群がっている状態なんだとか。

3つ目は、石でできた通路のザ・ダンジョンといったマップで、出てくるのは主にスライムやビッグラット、ビッグワームの3種だけ。採取ポイントは通路の奥や部屋の中にある宝箱で、ポーションや初心者装備と同じくらいの性能の装備品が手に入る…と言っても攻略組はこの層は殆どの場合スルーしていくんだとか。貧乏性の俺には出来ない芸当だ。

それで、最後の16~20階層は、地形自体は3つ目と変わらないが、出てくるのがスケルトンになっているらしい。スケルトン自体はかなり脆いらしいが、どれだけ破壊しても核を破壊しない限り3秒程で復活して襲いかかって来るので、面倒な相手なんだとか。また、ラビットのように役割を持ったスケルトンファイターなんかもいるらしい。

ダンジョンのボスはイーヴィルスケルトンという魔物で、3メートルの巨体に2対の腕を持ち、それぞれの腕に大剣、大槍、杖、盾を持っているとか。それほど知能が高いわけではないが、初期のものと言っても魔法と武技を同時に使ってくることがあるなど、非常にやっかいな敵のようだ。このコンビネーションにどうしても盾を崩されて、後衛を守りきれないのがネックになって、今のところプレイヤーで倒しきれたパーティーはないらしい。

こんなところか。

「ありがと、オッチャン」

「おう、気ィ付けろよ」

さっきの奴らみたいなのもいれば、このオッチャンみたいにいい人もいる。取り敢えず、初めて会う奴は警戒することにしたけど。騙されたときの報復がめんどくさいから。



まずはポーション職人のお爺さんからだな。

このセンドもファストの様に区域によって主な産業が異なる。ファストと別れ方は同じだけど。ポーションの作成者は東側に多い。自分の手で売った方が儲けが大きいから当たり前か。

東の門から5分ほど行った所にある、そこそこの大きさのポーション屋が目的地だった。雰囲気が出てて良い店だ。

早速店に入る。

店の中は側面の壁一面の棚にポーションや丸薬なんかが並んでおり、正面にはカウンターがある。

今は誰も居ないようだ。

まあ、ドアを開けるときに結構大きな音が出たので、もう少ししたら人が来るだろう。

商品とかを見て時間を潰そう。買い物だってしておかなきゃだし。



「スマン、待たせたな」

ポーションやMPポーションの効果を見ていたら、奥からオッチャンとお爺さんの間位の人が現れた。

「おお、あの馬車の時の小僧か。早速来たんじゃな?今日は休んでおかなくても良かったのか?」

「はい、少しお願いしたいこともあったので」

「ふむ、お主の頼みなら聞いてやりたいが、まずはワシから礼を言わせてくれ。あの時は助けてくれてありがとう」

「いえいえ、普段なら怖くて助けられませんでしたよ。柄が悪い人は怖いですし」

「そうか。でも、あの時は助けてくれたじゃろ?なら、礼を言うには十分じゃよ。ワシからの礼は、この店の商品を安く提供することじゃ。お主は冒険者じゃから、金よりもこっちの方が良いじゃろ?」

まあね。

「そうですね。これからお世話になります。早速なんですが、ポーションとMPポーションをそれぞれ一万ジェネ分と、こっちの丸薬を3つずつ下さい」

領主さんの分まで経済回さないとね。それに、売り物の効果は実感しておいた方が良いだろう。

「それだと、結構な額になるぞ?いや、そういえば今回の報酬があるから大丈夫か」

そういって、お爺さんカウンターからこっち側へ出て来て、色々と見繕ってカウンターに並べていく。

まだまだ現役と言わんばかりにポーションの瓶を木の枠ごと一気に3つも持ち上げているが、流石にお爺さんに働かせて自分はなにもしないのは気まずいので、手伝った。

カウンターの上に全て並べると、結構な量になった。24本入りの缶ビールの箱が3~4個分はある。

と、「ちょっと待っとれ」と言い残してお爺さんが奥へと消えていった。

暇なので机の上の薬を鑑定していく。

ポーションは回復量が40、MPポーションは45だった。ファストとかセンドの駅ビルで売っている物と比べると、効果はかなり高いな。

丸薬はスーパーのレジの向こう側にある10円ガムみたいな見た目で、それぞれステータスを一定時間強化する物だ。効果時間は20分、強化される値は5だった。中々使い勝手が良さそうだな。同じ種類でなければ複数の効果を同時に得られる辺りが便利だ。

お爺さんが戻って来た。手には様々な色のポーションが。見たことない種類だ。

「お主にはこれを渡しておこう。状態異常の回復薬じゃ。」

ナヌ!?ベータの最終日から2日前に最前線でかろうじて出回っていたと言われるアレか!

「今後、またあ奴らのような者と遭遇した時に、お主の身を守ってくれるじゃろう。今は材料が出回っていないが、持ってきてくれれば作ってやるぞ。心配せんでもお主以外の6人組の分もちゃんとあるから、持っていけ」

「ありがとうごさいます!」

これは嬉しい。ここまでしてくれるとは思っていなかったが、素直に感謝すべきだな。

心苦しいが、俺からのお願いを言ってみよう。

「ここまでしてもらって申し訳ないんですが、お願いがあるんです。俺に調薬の基本を教えて下さい」

「フム…」

なんか、機嫌が悪くなった?目が鋭くなった気がする。

「なら、条件を付けるぞ。まずは、お主のDEXの値が45以上であること。そして、《鑑定》スキルのレベルが20以上であること。最後に、何か1つの生産系スキルのレベルを10以上にすること。これ等の条件を満たして、もう一度来るといい」

なんか、諦めムードで言ってくる。

「その条件なら、もう満たしてますよ?」

確認すると、俺のDEXは49だった。人は経験値が多めだったのかな?レベルが1上がっていた。そして、《鑑定》はLv.22に、《錬金術》はLv.14になっていた。これなら条件は満たしているだろう。

「本当か?」

「?はい。嘘ついてもどうしようもありませんし」

途端にお爺さんは相好を崩した。

「そうかそうか。お主のような若者もおるんじゃのう。これまでワシに弟子入りしたいと言ってきた者は、いつもすぐにやめていってしもうたからの。最初から生産者の根気と、必須スキルの《鑑定》、最低限の器用さを持つ者にしか教えないことにしておるんじゃ」

まあ、初めてやっても上手く行かないし、やめてしまうのはしょうがないか。地味な作業が好きじゃないと、生産者は出来ないだろう。

俺?地味な作業が嫌いな奴が延々と土掘れるわけないじゃん。プチプチとか大好物ですよ。

「それじゃあ、教えてやるとするかのう。人に教えるのは久しぶりじゃから、年甲斐もなくはしゃいでしまいそうじゃ」

正直爺さんとは思えねえよ。

「おお、名乗っとらんかったの。ワシの名前はドクタルじゃ。皆はドクと呼ぶがの。お主は?」

「僕はコウといいます。よろしくお願いします、師匠」

師匠と呼ばれて悪い気はしないのか、ドクさんはニッコリ笑った。

大して話は進んでない。

ドクさんは昔はブイブイ言わせてたので、当時は自分で素材を採取していました。今でもプレイヤーの最前線組にタイマンで勝てるくらいには強いです。でも、加齢には、勝てなかったよ…。

長時間の移動は無理です。

膝に矢を受けたわけではありませんが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ