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呪い

作者: 森 go太
掲載日:2026/01/24

どろりと溶けるように流れゆく血液が、私の身体を撫でるように循環しているのです。

泥水の様な血液には、ざらざらとした砂利の様な不純物が混ざり込んでいて、循環するたび血管に擦れてくすぐったい。試しに腕を切ってみると、生き物のように流れ出てきて、粘着性を帯びた見た目がとても気持ち悪く、その傷口ごと、切り落としてやりたくなります。また、色は赤ではなく、漆黒の闇でした。深い深い闇が私の身体には流れているのです。私は闇によって動かされている、哀しき傀儡なのです。呪いの人形と言ってもいい。呪いの人形であれば、私は心臓に釘を打たれ続け、誰かの憎しみの代行者とならなければいけません。

心臓に大きな釘を打ちつけて、私を殺してください。そして誰かを殺せば良い。私はそれを否定しません。だって私も既に、闇に塗れて半ば人を殺しているようなものだから。闇を振り撒くことは犯罪だ。人間不信は殺人と同義だ。私は人を殺したのだ。殺人鬼だ。だから呪われる。釘をずっと心臓に突き立てられていて、いつでも呪いの人形となれるように、常に脅されている。

そんなことを考えている人間が、表向きは普通の人間でいる。怖いでしょう?みんな騙して、生きていることがどれほど罪深いか。

ピエロを演じて、みんな不幸にならないように。

だけど不幸にしたければどうぞ。

私は無責任な傀儡です。人間が生み出した屑と何ら変わりはありません。

私の身体を流れる血液からは、腐臭に似たにおいがします。吐き気を催すようなそれが身体中を流れ、いつかは溢れ出して、身体ごと取り込んでしまう想像をしてしまいます。

そうなれば、本当の呪いの人形です。

黒い人型の物体。

呪いを全身に帯びていて、釘を打てば今にも分散し溢れ出す。

崩壊に導くための呪物。



私の心臓はまだ動いています。

漆黒の闇を循環させています。

時折全て滅茶苦茶にしてやりたくなります。

生きているから。

静かな場所で死にたい。

誰にも迷惑をかけない場所で。

呪いの人形になることなく、死にたい。

それが今の願いです。

…なんて、

烏滸がましいですよね。

自分のような奴が。

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