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フォルトゥナ・エクスプローラ・オンライン  作者: 須藤 晴人
第四章: きっちり組織設立!

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004_06_みんなで作るリスクオン

 ログインして人の多い広場のそば、一等地にあるギルドの拠点に行くと、建物の前に大きな荷馬車が停まっていた。そこから机やら椅子やらベッドやら、といった家具がひっきりなしに建物の中に運ばれていく。


 なんとかその隙をついて中に入ると、家具の設置やら室内のデコレーションやら、みんなが忙しそうに働いていた。部屋の隅でリカの親衛隊たちが、炎をモチーフにしたエンブレムを木の板に描いているところだった。あれってギルドの看板だよね。それにしても親衛隊、意外に絵上手いなあ。


 ところで、わたしは何をしたらいいんだろう? 迷っていたら、奥からわたしを呼ぶ声が聞こえた。


「リンー! こっちこっち!!」


 見るとセイが手を振っていた。隣にはリカもいた。一緒にいるってどういう風の吹き回しだろう。何も起こらないといいけど。


「今日はあたし達でリスクオンの制服のデザインだよ! 次の大規模討伐イベントには制服がないとダメだからねー。

 あ、制服って言ってもみんな装備は色々好みがあると思うから、マントだけおそろいにしよって話なんだ。それなら装備に支障でないでしょ?」


 リカがパチンとウインクした。確かにいいアイデアかも。全然似合わなそうなのにされたら困るもんね。


「えっとぉ、マントのカタチはいくつかパターンがある中から選んで、後は色と、ギルドのエンブレムをどこにいれるかってのを決めるカンジ」


 セイがそう説明を付け足して、何か操作すると、机の上にマントを着た人形の立体映像が現れた。


「エンブレムってさっき親え……ゲン達が書いてたやつ?」


「そーそー。ってもまあ、入れるトコは背中が定番で、後はマントのデザインによっては胸らへんか留め具に入れれるかなーってカンジ」


「探検家協会の制服は背中に入ってたよね。あれはあれでアリな気がするし、他のギルドと区別するっていうのなら、やっぱ目立った方がいいんじゃないのかな?

 じゃないと同じ色の普通のマントの人と見わけつかなくなっちゃうし」


 わたしが言うと、リカとセイが揃って大きく頷いた。


「だよねー。エンブレムもかっこよくできてると思うし、リスクオンを有名にしてくって意味でも背中に入れちゃうのがいいと思うな」


「ウチもイイと思う! じゃ、それで。後はマントの色とか長さ選ぼーぜぃ!」


 人形のマントの背中部分に炎のエンブレムが表示された。おお、いい感じ。三人で立体映像を操作して色や長さを切り替えながら、ああでもないこうでもないとワイワイ言いながらデザインを固めていく。


「お、これよくね?」


 何度か繰り返したところでセイが得意げに言った。


「あたしもいいと思う!」


「うん。いいね!」


 リカとわたしも笑顔でうなずいた。三人で作った背中にエンブレムを入れたチャコールグレーのショート丈、フード付きのマントのデザインをジョーや他のギルドメンバーに見せる。


「おー、いいじゃん! じゃ、これで早速発注しといて!」


 ジョーが笑顔で言ってくれた。他のメンバーもうなずいていた。良かった、みんな気に入ってくれたみたいだ。これを着てみんなで仕事っていうのも楽しそうだな。


「あ、そういえば、制服が必要だっていう次の大規模討伐イベント? ってどんなの?」


 せっかくギルドマスターのジョーが来てくれたので、気になっていたことを聞いてみた。


「おお、そういや説明してなかったな。丁度みんな集まってるし、仕事も一段落したから、今から説明すっか。

 スターリングから少し行ったところに新しく開拓村を作ろうとしてて、その建設予定地に蔓延ってる魔物を退治するってイベントが土曜日にあるんだ。

 で、騎士団含めた他のギルドと協力して魔物退治をやるんだが、その時の貢献度によって報酬が決まるらしい。どこよりも多く魔物狩って、うちの強さを見せつけてやろうぜ!」


 最後の方は気合を入れて、ジョーがそう説明してくれた。貢献度ってよく分からないけど、ジョーの感じだととにかくたくさん倒せばいいってことなのかな?


「ってかさ、このイベントってタイラントドラゴン出るってやつっしょ?

 ウチはぜってータイラント倒した最初の一人になってやるし!」


 セイが息巻いた。なんかまた知らない単語がでてきた。


「名前からして強そうだけど、タイラントドラゴンて?

 最初の一人ってことは、まだ誰も倒してないってこと?」


「タイラントは超大型の魔物ですっごい強いってウワサ。遭遇した人はいるけど、倒したって話はまだないらしーし。

 だからウチらが倒せば最初に倒したってことで、多分ボーナスつくんじゃね?」


 わたしが聞くと、セイがウキウキしながら答えた。それもう絶対やばい奴じゃないか。けど最初に倒したって言うのは確かにカッコいいかも。と、ちょっと浮ついた気分のセイとわたしの方を見て、リカがクスリと笑った。


「多分ねー。でもタイラント倒すにも、まずはギルドの資金集めとかメンバーの強化とかしなきゃ。

 ってわけで、今週はガンガン魔物退治の仕事入れて準備だよね、ジョー?」


 そしてそう言うと、ジョーを上目遣いに見た。その様子をセイが不機嫌な顔で見ている。


「ああ。それにパーティの組み方とか戦い方も検討したいしな!

 っつー訳で、色々仕事入れさせてもらうぜ! 後、各自装備の強化や傷薬の準備もよろしくな!」


 ギルドの活動もいよいよ本格的にスタートだ。


 これから忙しくなりそうだけど、頑張るぞ!


読了ありがとうございます。ギルドの活動もいよいよスタートです。

次が本章ラスト、日常回で、その次からいよいよ大規模イベントに入ります。

宜しければお付き合い下さい。


評価・感想・ブックマーク等、よろしくお願い致します

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