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第238話 長き夜を越えて

 俺とレゼルも退避場所へとたどり着いていた。


 ルペリオントの駐屯(ちゅうとん)基地で待機していた偵察兵たちがそれぞれの退避場所を行き来し、徐々に被害状況が明らかとなってきた。

 退避場所にたどり着いた者たちはみんな悲しみにうちひしがれていたが、騎士団の部隊はほぼ壊滅、さらにエルマさん・ガレル・ネイジュの訃報(ふほう)によって絶望の底へと叩きおとされた。




 とある退避場所では、ブラウジのもとへもエルマの訃報が届いていた。


「なんと! 奥方(おくがた)様が……!?」


 ブラウジははじめ魂を抜かれたように呆然としていたが、やがてたくさんの涙があふれ、彼の(ひげ)をびしょびしょに濡らした。


 レティアスに、オスヴァルトに、そしてエルマ……。


 もっとも古くから騎士団に属しているブラウジ。

 彼はエルマがまだ幼いころから、彼女のことをよく知っていた。


「またこのオイボレが生きのこってしまった……。

 ほんとうならこのワシこそが、誰よりも先に命を投げ捨てねばならぬというのに……」




 ……当初の目標であるシャティユモンは潰すことができたが、そのためにあまりにも多くの代償(だいしょう)を払ってしまった。


 からだの痛みと、悔しさと、悲しさと……。

 俺たち騎士団の生き残りは、いつまでもいつまでも嗚咽(おえつ)をあげ、枯れることなく涙を流しつづけた。


 あまりにも長い夜を越え。

 俺たちの悲しみなど素知らぬ顔で、空はどこまでも青く澄みわたっていたのであった。




※第四部は悲しい結末を迎えてしまいました。


 ……しかし、読者の皆さまは知っているはずです。

 悲劇のあとには、必ず希望が待っているのだということを!


 レゼルたちの戦いを、どうか最後まで見届けてください。

 第五部『神になれなかった少女』、次回からスタートです!

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