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第225話 黒夢の騎士団

 シュバイツァーと帝国皇帝がその姿を現したころ、一般龍兵たちの戦いでも異変が起こっていた。


 サヘルナミトスの消滅により、騎士団と戦う死霊兵(しりょうへい)たちのちからも確実に弱まっていた。

上板(うわいた)』での戦局は騎士団が優位に傾き、このまま勝敗は決するかと思われた。


 だがしかし、突如として()()()()()は現れた。


「よし! このまま押しきれるぞ!!」

「ああ、勝利は目前……だ……!?」


 意気揚々と戦う騎士団員たち。

 からだは疲れきっていたが、その動きは軽い。


 そんな彼らの前に、龍に乗った新手(あらて)が現れた。


 気配からは死霊兵ではなく、生きた人間のようだ。

 新手の兵士たちは突如として戦場に現れ、騎士団と死霊兵たちの戦いを静観していたのであった。


「なんだ、あいつら。

 帝国本国からの援軍か……?」

「だが、まだ数は少ない!

 勢いづかせる前に叩くんだ!!」

「「おおっ!!」」


 ……生きた人と龍が相手であれば、『結晶』を持たざる者でも戦える。

 数で勝っている騎士団員たちは勇んで敵兵のひとりに斬りかかっていった。


 だが――。


「!?」

「ぐあっ!」

「あぁ゛ッ!!」


 襲いかかった数人の騎士団員たちは一瞬で斬りきざまれ、物言わぬ肉塊(にくかい)と化す。

 敵兵は、槍斧(ハルバード)の使い手であった。


 ――『黒夢(くろゆめ)の騎士団』。


 漆黒の鎧に身を包み、黒き龍にまたがる帝国皇帝直属の騎士たち。

 その数はわずか百騎あまり。

 だが、世界最強の軍である帝国軍のなかでも、さらに最精鋭の者たちである。


 剣、槍、斧、(むち)、弓、そして(こぶし)……。

 得物(えもの)はそれぞれであり、自然素の使い手でもない。


 だが、どの騎士も極限までそれぞれの武芸を鍛えあげ、至高の域に到達している。

 その戦闘力の高さは疲弊しきった翼竜騎士団の兵士たちにとって、自然素の使い手になんら劣らない脅威であった。


 騎士団員たちが仕掛けたのを皮切りとして、漆黒の騎士たちはいっせいに動きだした。

『黒夢の騎士団』による、一方的な殺戮(さつりく)が始まる……!


 遠くからいち早く異変に気づいたブラウジが、ただちに指令をだした。


「帝国本国からの新手じゃ!

 少数だがかなり手強いゾ!

 総員、心してかかるのじゃ!!」


 ……しかし、漆黒の騎士たちの勢いはとまらず、近づいた者たちから次々と血祭りにあげられていく!


 味方がなすすべもなく(ほふ)られていくさまはまさしく、暗黒に包まれし悪夢のようであった。

 その漆黒の騎士たちが見せる戦闘力の高さは、まるで……。


 ブラウジは、身が総毛立つのを感じていた。


 ――コヤツら、全員がガレルたち部隊長と同等か、それ以上のちからを持っているというのか……!?




 今回の話は短かったので、次回投稿は本日の20時に予約投稿の予定です。余裕があれば少し早めに手動投稿します。何とぞよろしくお願いいたします。

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