覚え書き。自省録
あなたが幸せを求めるならばあなたを悩ます不幸を数えてみなさい。その全てがあなたを殺すには至らない! あなたは生きているのだ!
未来を恐れるならば良い方法がある。
あなたが若者ならばあなたにとって最も恐ろしいものを見出しなさい。父の拳骨。母の叱責。戦争に災害。
その全てはあなたを殺せなかったのだ。あなたが残念な老人ならば今すぐにでも何物に変え難い大事な人を振り返ってみなさい。
あなたの人生における最大の恐怖こそが困難に立ち向かう勇気を与えてくれるのだ。
金はいいものだ。あなたが侮蔑する全てのもの、いかな悪党にも宿と食事と衣服。そして異性と出会う機会を分け与えるのだから。
彼は本来あなたの尻を拭う紙切れや子供のおはじきに過ぎないがあなたが何者であっても差別をせず、あなたの再出発を祝ってくれるものだ。
だから手に入れたコインは目先の享楽者どもに見せず、賭け事に使わず、事業計画書の出せない儲け話に手を出さず、ただその日までそっとしまっておきなさい。
理不尽に怒るより自らの不明を恥じるほうが遥かに建設的だ。
だが怒りは本質的に実にいいものである。
己より強きものに牙を剥くための勇気をくれる。
恥じることを恐れてはいけない。
それは最も恐ろしいことだ。
もしあなたが世の理不尽に怒るならあなたより弱きものを少し手助けできるように心がけなさい。
誰かの忘恩は雑草のごとくあなたの心を荒らす。
感謝はあなたの心に咲く花。
雑草と見做していたものを正しく知り水をやり肥料を与えもしくは断ち切り風雪に共に耐える中で大輪の花となる。
怒り悲しみ憎しみ嫉妬はあなたの中で反響し心身を幾度も蝕む。あなたの心身は壊れやすい陶器の壺のようなものだ。
心の中で暴れ回るちっぽけな輩を笑い飛ばすためには彼らの動きをよく見ることよく知ることが寛容である。
そしてかのもの、いわゆる怒り悲しみ嫉妬憎しみを知覚できた時、あなたはきっと笑っているだろう。
しかし御用心。
あなたが心は晴れやかになり踊り出したくなる時、奴らはあなたの足元にこっそりまた穴を掘っている。
やる気など最初から人には存在しない。
少なくとも不明なる私の目には『やるき』なるものは見えた記憶がない。
ほかに見たというものかいるならば問い質したいところだ。
やる気は目覚めた直後に何かを、それこそ顔を洗い服を着替え髭を整えあるいは化粧を施している間にどんどんすり減る有限の資源である。
あなたが本当に為したいことをする手立てへの近道は母校のジャージで眠り夜が明ける前に起きると同時に机に向かうか運動に行くかである。
これを笑ってはいけない。
やる気は人間には、あるいは私にはないかもしれない。しかし、やる気のない自らを胡麻化して机に向かわせる方法は無数にある。
勉学と筋肉は確実に役立つ。
それを定着させるためには自分がその日何を成すつもりか何を成したのかを日記や手帳に記録することをおすすめする。
愚か者とあなたが思うものは、大抵あなたより誰かに愛され、何かしらの分野で誰かより優秀なものである。
人は英雄に憧れる。
しかし人間一人一人の力は全体の事象において一割にも満たないだろう。あとは全て運であり彼らの妄言に耳を傾けているとあなたは譬えるならば聴力を失った老人になっている己に気づくだろう。
しかし彼らに利用されて累々と転がる骸はあなたに重要なことを教えてくれる。英雄談に再現性はないが失敗には必ず再現性があると。
人に頭を垂れさせる英雄より、私には子供を養うため毎日理不尽に首を垂れ続ける敗北者こそが勇者に見える。
彼らは無力に見えるが少なくとも愛と向き合う勇気を得ている。
興味のない物語を読め。そこに明日の興味が記されている。
この冒険を成すもののみが興味のあることを調べる旅に行けるものなのだ。勉学とは本来そのようなものである。
よく眠りなさい。眠れないなら逆に全身に力を入れて深呼吸と共に体の力を持って抜き、表情筋をほぐしなさい。
椅子に座って心に休め休めと命じさらに力を抜きなさい。瞼の暗闇の中にて空想の泉に佇みボートに乗って寝転がりなさい。
悩み苦しみを俯瞰し瞼に浮かぶ何事かとともに全てをたった10秒わすれることができたならあなたは夢の世界にいるでしょう。この導きの書こそが知識である。
夢をみなさい。現を生きなさい。
酒、煙草、性欲、あらゆる薬よりあなたの夢現に酔いなさい。
明日とは今のあなたの連続が見せた本当の夢物語である。
昨日は戻らず。
明日は見えず。
泥の中でも日に出会えば輝く宝石のようにこの一瞬を生きなさい。
恥知らずにもどこかの哲人君主を真似してみた。




