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異世界が召喚されました。 ~モンスターとダンジョンの出現で地球滅亡の危機ですが、気にせず観光を楽しもうと思う~  作者: 結城 からく


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第45話 暗殺者は爆破する

 俺は男に歩み寄る。

 足音を立てないように距離を詰めていった。

 その際、握った剣を意識する。


 蹲る男は治癒に専念していた。

 俺達から受けた傷は、徐々に消えつつある。

 再生能力を保有しているらしい。


 ただ、治りが遅い。

 俺ほどの回復力ではないようだ。

 或いはダメージが大きすぎて弱っているのかもしれない。


 俺は男の前で足を止める。

 逆手で剣を構えて、頭上に振り上げた。


(一撃で仕留める。ここが正念場だ)


 ダンジョンマスターである男は、全身が骨の膜に覆われている。

 そのため生半可な攻撃は効果が薄い。

 首を斬り飛ばせればベストだが、骨の膜に阻まれて失敗するだろう。


 自由に動けていることから、おそらく関節部は柔らかい。

 もっとも、そこをわざわざ狙う必要もなかった。

 適切な攻撃箇所は既に考え付いている。


 俺は男の顎に片手を添えて、真上を向かせる形まで持ち上げた。

 直接触れられたことで、男も俺の存在に気付く。

 しかし、もう遅い。


「食らいやがれ、クソッタレ」


 俺は剣を振り下ろす。

 切っ先が男の口内に突き込まれた。

 強い抵抗感を無視して、力任せに沈めていく。


「ゴ、ァッ……ゲ、アァァ……っ!?」


 男は血を吐きながら呻く。

 両手で剣を掴んで、必死に引き抜こうとしていた。


 もちろんそれは許さない。

 俺は精一杯に体重をかけて、剣を押し込んでいく。


 やがて刃の部分は、すべて男の体内に収まった。

 俺は剣をぐりぐりと掻き混ぜるように動かす。

 吐血の量とペースが一気に加速した。


「ゥゴァッ……ェアゴァ!」


 男は両腕を振り回して、俺の胴体を爪で抉ってきた。

 とんでもない痛みに襲われるも、絶対に手の動きは止めない。

 再生が追い付かないスピードで破壊し続ける必要があった。


(さて、こいつでフィニッシュだ)


 胴体に穴を開けられる中、俺は男の口をこじ開ける。

 そこに手榴弾をねじ込んで蹴り飛ばした。


 男は尻餅をついて壁にぶつかる。

 直後、その頭部が爆発した。

 血や骨や脳漿が混ざり合い、割れた剣と共に弾け飛ぶ。

 断面からは白煙が昇り、手足が痙攣していた。


「…………」


 俺は無言で接近すると、手頃な瓦礫を掴み取る。

 それを掲げて、首を失った男に何度も叩き付けた。

 執拗な攻撃によって骨の膜は砕けて、内側の身体が壊れていく。

 それでも俺は、攻撃の手を止めなかった。


(普通なら即死だが、油断できない。このまま完全に潰してから――)


 そう考えていると、唐突に男の腕が跳ね上がった。

 俺の胴体が薙ぎ払われて、肋骨や内臓が引き裂かれる。

 さらに男は、起き上がってタックルを繰り出してきた。


 見事に吹っ飛ばされた俺は、体勢を整えて着地する。

 込み上げる不快感に逆らわず、大量の血を吐いた。

 既に再生が始まっているが、相当な重傷である。

 立っているだけでも辛かった。


(やはり生きていたか)


 しかも、あそこまで機敏に反撃できるとは予想外だった。

 向こうの生命力に呆れていると、掠れた声が聞こえてきた。


「やめ、て……く、れ……」


 声の出所を探す。

 首無し男の鎖骨辺りに、人間の唇と眼球らしきものがへばり付いていた。

 直前までは無かったはずだ。

 不気味な唇は、静かに呼吸を繰り返している。

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