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蠱毒災禍

 外装と頬に弾が掠めて地面に穴があく。

 仲前は射線上に入らないよう冷静に壁から距離をとり、ナイフと拳銃を交差して周囲を警戒する。変貌犬は望月の握るリードの範囲で地面を嗅ぎながら円を描く様に歩き回って落ち着かない。

「とりあえず瓦礫に陣取ってる奴は動く気がねえらしいな」

「君達の要求はなんだ! 自分達は人を捜しているだけで交戦するつもりは」

 屋根の上に飛び移った何かが真上に現れる。黒い影が構えたのを見て仲前は玄関を蹴破って望月を引き入れる。地面に降りそそいだのは突き刺さる鉄芯。靴箱を横倒しバリケードを作り奥の部屋へと退避すると、追いかけるように外から壁に同じ凶器が刺さる。

「確実に敵が増えてやがる。連中、案の定一般人じゃねえな」

「下敷きになっている三人が心配だ。救出を妨害するなら致し方ない。力に訴えるのは本意ではないが」

 古いぼんやりとした緑の冷蔵庫に手をかけた望月が軽々と持ち上げる。

「壁をぶち抜いてダイナミックお邪魔しますやるような女が大人しく下敷きやってるけねえだろ」

 真下から破壊音と小さな振動が届く。発生源不明の異音はこれで二度目だ。それも移動している。

 玄関から覗いた初顔の男を威嚇射撃で押し戻す。

「確か、この家の床下にガキが潜んでいたって話だったな」

「下か……」

 壁を貫通した銃弾を冷蔵庫で受ける。

 望月が冷蔵庫を手前に置いて、畳にナイフを差し込み引き剥がすと鉄の床が露わとなる。

「なんだこりゃ。防空壕にしちゃ随分と近代的じゃねえか」

「ここにきて地面の下まで調べねばならんのか」


 窓が割れて鉄の筒が投げ込まれる。目鼻を焼く刺激臭が噴き出すのにも怯まず望月は筒に服をかぶせて外へ投げ返す。場所の割れた部屋を移動しようと廊下に出た瞬間、鉈を構えた男が壁を走りながら突っ込んでくる。身軽で素早い動きに対して望月は部屋の枠を鷲掴んで廊下の男に向かい壁を引き倒した。男は床に叩きつけられる。壁の下敷きとなった男が呻くと仲前は壁越しに踏みつけて銃を撃つ。

 顔を顰めた望月のその背後で変貌犬が長過ぎる舌をしならせる。標的となったのは奥の窓、割れた破片が外に飛び散り、外にいた男は思わず顔を押えて後ろに跳んで暗闇の中へと逃げていった。


 下敷きの男は痛みに悶えて生きているが起き上がれずにいる。

「尋問してる時間はねえな。良いように包囲されてりゃ地の利も勝ってなぶり殺しだ。一回姿消すぞ」

「菅原君達を残しては引けない。こっちが上手く引いてしまえば狙いがあちらに向いてしまう」

「撤退じゃねえ」

 仲前は頭を銃口でつついて口を歪め不敵に笑う。

「俺は人間様なんだ。正面から殴り込みなんざしねえんだよ。勝つ必要がねえならやりようってもんがある」


 割れた窓に足をかけた仲前は間髪入れずに正面の屋根にいた人影を撃つ。だが人影は小さな動きで当たり前に躱す。そして仲前はその建物に向かって今度は銀の水筒を投げた。人に当たる程の肩はない。放射線状に高く遠くへ投げられたそこへ仲前は器用に銃口の照準を合わせて家の手前で撃ち抜いた。

 白い閃光の火花を散らして爆炎が起こる。家が燃え上がってガソリンの特徴的な臭気が鼻についた。一気に膨らんだ黒煙に包まれた家は周囲の視界を完全に奪い去る。


 酷い熱が窓の中へと吹き込んだ。風に煽られた仲前は動きを止めることなく廊下を走りだす。

「周囲に遮蔽物がないから山中を迂回する。いいか、化け物犬まで撒いちまわないよう責任持ってついて来い!」

 反対側の窓を割って外へ飛び出した仲前に、変貌犬を抱き上げた望月が続く。


 仲前は山中に踏み入った途端に携帯缶をあらぬ方向に投げては複数箇所で銃弾着火してまわる。爆発の後には黒煙を上げて盛大に山が燃え上がっていく。

 外界から隠れていた村だ。景色が開放的になっては後にも困る。鎮火に回らざる負えない村人は狙い通りに人手を真っ直ぐ消化に割いた。

「景色が鬱蒼としてるから性根が腐る。村興しの介錯だ。ちょいと悪事にゃ向かん程度にこざっぱりした垢抜け村に生まれ変わらせてやるよ」

 これでは麓からでも何か起こっているのは一目瞭然だろう。人が山脈の周辺に残っていればの話だが。


 火元から消そうと木枝を蹴って中空から骨張った男が襲いかかってくる。砂か灰か細かい物を撒き散らして木立に紛れる姿は正しく忍者と呼ぶにふさわしい。


 上着を脱いで空中を薙ぐ仲前の目前にクナイが迫る。その刃の前に望月は滑り込む。両腕を眼前に構えて我が身を盾にした時、犬の触手が空中でクナイに巻きつく。つかみ損ねた二、三本が触手を裂いて地面に落ちると結束を失い毛束となって解けて散った。


 望月は仲前の元から携帯缶を引ったくると村人との間に投げる。

「仲前君!」

 横に飛び出した仲前は寸分違わず缶を撃ち抜く。火が飛び散り衝撃と熱波を正面から受けた。黒煙がまたしても視界を黒く染めて互いの位置を眩ませる。

 迷わず望月は犬を抱えて黒煙を突っ切り、近くを走る仲前と足並みを揃えて距離をとった茂みに潜って息を整え気配を殺す。伸ばした触手を縮めた変貌犬も毛玉の周りで大人しく触手をうねらせている。追ってくる音は聞こえない。

 広範囲が黒煙に包まれて空高くまで昇っていた。下手をすれば酷い山火事になるかもしれない。火に巻かれて死ぬ可能性もある策だ。


「仲前君も思い切った事をする。確かに効果は絶大だろうが、この後始末をどうするつもりなんだ」

「生半可な嫌がらせじゃ余裕ぶった楽しい狩りに水も差さんねえよ。これで連中のケツにも火がついた。こっちにかまければ火に巻かれて全滅だ。あちらさんが頑張って鎮火するのを応援しようぜ。こっちの用事が終わるまでな」

「話し合いもままならん現状ではコレがむしろ平和的か。問題には後で解決に当たるとしよう」


 細く息を吐いた望月は片膝をついて化け物を優しく撫でる。

「守ってくれてありがとう。だが君も無理はするな。自分は頑丈だから怪我で済むが、あのナイフ一本が小さな君には致命傷にもなり得てしまう。それは大切な人をも悲しませることになるだろう。次からは自分を信じて後ろに隠れているんだ。分かってくれるか?」

「くーん」

 大きくかぶさる掌に変貌犬は毛玉を押し付け甘えた声で鳴いた。そして身軽に望月の膝蹴って肩に飛び乗ると、再び毛を束ねて触手を伸ばし首や胴に巻き付く寄生するような形で望月の背中に張り付いてしまった。

 仲前は顔を歪めて身を引かせる。

「無駄に構うから憑りつかれてんじゃねえか」

「そ、そこが落ち着くのなら構わないが、見た目が少し、いや、まあ動きやすくなっていい、か?」

 あんまりな見た目に、さすがの望月も口を引き攣らせる。


 そんな束の間のやりとりの間に、再び鈍い轟音が地下から微かに届く。

「さっきからこの揺れは何が起きているんだ? まさか地下に巨大な機械でも埋め込んであって巨大ロボでも出てくるなんて言うんじゃないだろうな」

「この規模で暴れる化け物なら一匹心当たりがある。大人しく現地で待機してるわけがねえからな。ダークホースで床下這いずってたテケテケ娘でも構わんが、別件の化け物だけは認めねえ」

「それは自分も勘弁願いたい」


 迂回して気配を殺したまま村に再度踏み入れる。

 端にある半壊して屋根もない家の壁に張り付いて、壁から慎重に周囲を窺がうと近くには汲み上げポンプも無いような古ぼけた大きい井戸が一つ、最初に案内された家の瓦礫と化した屋根の上に居る老人だけが目視できる。

「見える位置からは人が捌けたな。分散して戦況が見えない分、別の危険が増したきらいもあるが」

「普通の殺し合いは数の優位性が物を言うんだよ。戦線離脱を出した時点で主導権はこっちのもんだ。

仕掛けるなら最小限まで規模の絞れた今。問題はあの屋根の下がどうなっているかだ。正面から行けば集中砲火になる可能性が高い。蓋を開けたら穴掘り作業が待ってましたじゃ、確実に袋叩きだからな」


 望月は深く思考を巡らせる。

「誘拐された少女のいた鉄の床、潰れた家を型崩れもせず覆っている不自然な屋根、床下に監禁する箱物があるとして出入りはどうしていたんだ?」

 小さな振動が足元を震わせる。

「振動が移動しているというなら地下があるのか。ならば何処かに出入り口があるはずだ。判り易い侵入口は守られている。盲点を突くには想像を超えなくてはならない」

 拳で額を殴る。

「布引君の様に玄関ではなく壁を壊して侵入できるような、これといった壁がハッキリと判別できれば」


「わふ」

 控えめな鳴き声で振り返った仲前が顔を強張らせて身構える。

「おい、おっさん。寄生獣がえらいことになっとるぞ」

「何を」

 背中に張り付いている毛玉が四方に大量の触手を伸ばして地面や壁を突き破っていた。

「な、なんだ? これはどういう形態なんだ?」

 触手が回転しながら地面深くに潜り込んでいく。犬本体は毛糸の先を引っ張って解いている様に背中で跳ねながらグルグルと急速回転している。

「わん」

 地面を縫って一本の触手先端が望月の目の前に飛び出してくる。鼻先にきた触手は何かに巻き付いてた。取れと言わんばかりに揺らされた先端に望月が手を出すと毛先が解けて掌に何か落ちる。それは少しだけ干からびていた。


 黒く変色した断面に反してペディキュアで飾り立てられた小さな爪が愛らしい三本の足の指だ。


 目を見開いて硬直する望月の背中で、更に回転して触手を引き戻しながら姿を取り戻していく変貌犬は半壊した壁の中からも何かを持ち帰って仲前の鼻先に突き出した。

「距離が近い!」

 正体の分からない生理的嫌悪感に仲前が後退ると、そこには薄汚れた人形が吊り下げられていた。スカートを纏い笑顔を浮かべて脱力したまま付喪神とも化していない物だ。だが、仲前は顔を歪めて人形を手に取った。

「この人形、なんで両足が切り取られてんだ」

 裏返した人形の背中には「きび」と歪な文字が記されている。


 思考に嵌まりかけたその時、それを中断させる程の大震動が村を突き上げる。

「真下だぞ!」

 振動が大き過ぎて正確な場所だとは限らない。だが足元から感じる衝撃が地面を通じて響いてくる。誤差は大してないだろう。

 仲前が地面をナイフで掘ると行きつくのはやはり鉄で、確実に下に何かはある。犬が開けた小さな穴だけが貫通して肉片を持ち帰ってきた。地面の下には人間がいる。おそらく床下にいた少女だ。

 もし特定の家に地下に至る落とし穴の仕掛けがあるとしても、それを調べるには邪魔も入る。結局は正面衝突するのと何も変わらなくなってしまう。

「タイタンに鉄を叩き割らせて穴を掘ってちゃ目立って仕方ねえし、一気に穴を開けようにもダイナマイトをぶっこんで生き埋めになったら元も子もねえし」

 頭をガシガシと掻いて仲前が突破口を手繰り寄せていく。


「わん、わん、わん」

 耳の横で控えめに鳴く変貌犬が望月の背中を押して触手で体を引っ張っていく。

「どうした。何処に行くつもりだ。あまり派手に動いては相手の視界に」

 触手の先が井戸に纏わりついて動きを止める。覗き込んだ井戸は深過ぎて底が見えない。暗闇の先は水面なのかヌルリと揺らいで波打っている様にも感じられる。水を汲み上げるつるべもなく、古い石で組み上げられた相当古い代物だ。

 この深さなら今よりは震源の場所に近づける。

 何より村まで少女の匂いを辿ってみせた犬がここに望月を導いている。

「…………仲前君」

 望月は井戸の縁に手をかけて覚悟を決める。




 大きく振りかぶられた鉄柱が円形の鉄板を深く貫いた。周囲を揺るがす轟音と一瞬の火花が散った。マンホールよりも分厚い鉄に人力で部品を取り付けた布引は接地面を確認して軽く頷く。

「後はこれを石臼みたいに回していけば良いのかな?」

 茉莉は布引の超越ぶりに訝しみ、足の先から頭のてっぺんまで視線を滑らせた。

「これ、もう変貌者なんじゃないの?」

「この程度は卒なくこなせますとも。なんたって私は世界最強だからね!」

 力こぶを作ってみせる布引に、雨継が「よっ、一騎当千」と適当な掛け声をあげる。警戒を解かない茉莉に丸金が「布引さんは銃弾とか斬ったりできる道場師範で達人なので」と念押しする。

 鉄柱を握った布引が構える。

「それで回転して下降する仕掛けって事は、どっちに回せばいいのかな?」

 村上が空中に丸を描く。

「ネジを回す要領なら、時計回りでネジが閉まり反時計回りでネジが開く。この法則が当て嵌まると仮定した場合、下に降りるにはどちらに回すべきでしょうか? はい、口開いて間抜けヅラで油断してるマル」

「ほえっ!?」

 裏声になった丸金は挙動不審と化して忙しなく周りを見渡す。

「えっと、えっと」

 小声になっていき冷や汗を浮かべて丸金は顔を梅干しに顰める。イライラした茉莉が口を開いて答えかけると、勢いよく村上が片手で口を塞ぐ。

 頭が白くなった丸金が布引に視線を向けると、布引は笑顔で持ち手に力を入れる。

「壊せば回す必要なしかな」

「昇降手段が絶たれるので反時計回りで閉める方向でお願いします」

 物理で解決しようとする脳筋にすかさず雨継が笑顔で介入した。

 地面に向かってネジを閉めるように力を加えた布引だったが、最初はパキパキと怪しい軋む音がするだけで微動だにしなかった。本当に動くのか不安がもたげるかないかの間で円形の床は確かに回転し始める。刺した鉄柱が軽く歪んではいるが動きだした後は石臼を曳く様に、時々何か破損してへし折れるような音をさせながら沈んでいった。

「これ、何の音でしょうか」

「仕掛けを強引に動かして本来の部品が悲鳴あげてる音ですねー」

 途中で問題が起きる事なく、分厚い床を超えて底が抜ける。下降していく空間はまるで光源がなく何も見えないのに、質量を持った濃く澱んだ空気が流れ込んで広さを予感させる。生臭いのに焦げ臭くて腐臭下水のそれとは系統が違う。

「うえっ」

「変な臭い」

 少女らが鼻を押さえる中で大人は原因を検索する。

 村上は数本の半透明の筒を取り出してパキパキ折ると下の空間へと投げ入れた。

 暗闇に灯りが灯る。

 筒を折る手元を覗くと村上は青く華やかな光を持っていた。

「キラキラ」

「ケミカルライト。祭りでも見かけるだろ」


 円板の上に落とされた光で地下の全容が露わになる。最初は暗闇が動く錯覚。床が波打ち鳴いて飛び上がり威嚇する蛇、蛇、蛇、蛇、中には蛇の上を歩く巨大鼠。そして開いた天井の穴を覗きこんだのは縁に密集した大小さまざまな蜘蛛だ。道を見つけた蜘蛛の群れは一斉に蜘蛛の子を散らす様に穴から這い出した。

「ぎゃああああああ!?」

 丸金と茉莉の悲鳴が重なり遠くに飛び退く。走り出しそうな丸金の足をつかんだ茉莉とそれでパニックが加速する丸金という阿鼻叫喚の中、腕に布を巻き付けた雨継が円周上の蜘蛛をグルリと拭い潰した。落下した蜘蛛が蛇の波間に埋もれて消える。

 巻いた布を地下に向かって払いながら雨継は平然と話す。

「仲間の体液に寄ってくるタイプじゃなきゃ、暫くは警戒して登ってきませんよ。蜘蛛は臆病ですから」

 村上が顔を顰めて舌を出す。さすがに気持ち悪かったらしい。


 四方八方を埋め尽くすゲテモノ空間を改めて見渡した。

「蛇じゃねーな。胴体に細かくて白い小骨みたいなのが突き出してる。口からもなんか出てんな。まさしく蛇足」

「変貌生物ばかりってわけじゃないけど毒持ちも多そうだ」

「足の踏み場もありませんね」

 身動きもままならない距離感で蛇もどきが蛇に喰らい付く。争いがそこら中で発生している。全ての生物が張り詰めていて、もう動かなくなって損壊した死骸も多く見受けられた。ただ動きが鈍く抵抗のない命は下に埋もれ沈んでいくようで、自由を求めて上に登っているのは強者の特権となっている。

 雨継は声を出して笑う。

「まるで蠱毒ですね」

 嫌悪感に震えながら丸金は浮かんだ疑問を投げる。

「い、いっぱい、いるのに?」

「ふふ。孤独ではなく呪物の類ですよ。毒を持つあらゆる生物を一つの入れ物に封じ込めて殺し合いをさせるんです。強い毒が勝ち残り濃縮されていった結果、最強の毒が生き残る。中に閉じ込められた者はたまったもんじゃないでしょうね」


 嫌そうな顔で村上がぼやく。

「こんな状況じゃあ長らく使われてないの確定って事で、こっち路線を諦めるのが無難ではあるが」

 蜘蛛の気配がする円盤に降りて布引が目を凝らす。

「奥まではよく見えないなあ。結構な広間だけれど棚とか配電盤みたいな物があるよ。機械仕掛けの上物を昇降する手掛かりがなくもないかも? あと、床に一ヵ所だけ有象無象が集まっていない場所があるかな。更に下がありそうだ」

「その目玉には暗視ゴーグルでもついてんの?」

「うちは山だったから周辺に街灯もないし、夜目はそこそこ効く方かもしれないね。それでも陰影と濃淡でなんとなくだよ」

 鉄柱を持って逆さまに村上が地下を覗き込む。ついでに点灯したⅬ字型のフラッシュライトを布引の胸に差し込んだ。谷間がきっちりと柄を固定して正面を明るく照らす。

「それじゃあ、張り切って調査よろしくお願いしまぁす」

 上下逆さまの顔が至近距離で見合う。


 物言いたげな布引よりも丸金が反対する。

「ここに入るなんて危ないです! だって噛まれるかもしれないし、通路がないなら他の所を探すべきで」

 布引は笑顔を作る。

「蟲毒は最強が生き残るんだっけ。丸金は私が負けると思う?」

「そういうんじゃ、ないんですけど、でも気持ち悪いし」

「行ってくるよ。村上君はどうやら怖いみたいだから」

「単なる適材適所なんだよなあ」

 丸金が折れ目のついた札を取り出す

「偵察なら私が」

 すかさず村上が札を引き抜く。

「目札を使えないマルがどうやって?」

「うっ」

「言ったよな。蝙蝠に繋げた目札は他の術を付け焼刃で組み合わせたもんだ。常時発動させたまま別の術を発動すれば混線しかねない。上手く発動したとしても器用に片目だけ解除できるのか? やり直しはきかないぜ。これは賭けに出る程の危機的な状況なのか?」


 顔を梅干しみたいに皺むくれにして丸金が凹むと、布引が攻勢に出る。

「それなら村上君が試すのはいかが? 前に鳥は飛ばしていたんだ。やろうと思えば丸金にやらせなくたって、器用な君ならできるんじゃないのかな」

 丸金に戦慄が走る。

 唯一、役に立てるはずの特技だ。

 口を開けて目を見開いて戦々恐々と身構える丸金の様子に、村上は吹き出しかけて口元を隠す。

「残念ながら一朝一夕ってわけにもいかなくてなあ。俺がやれるのは本当に紙を飛ばすだけ。属性も関係のない初歩も初歩ってやつだ」

「それは、とっても残念だね」

 布引の口が少し尖り、ゆらりと両手に大きな包丁を構える。


 床を踏む様に一歩、布引は竜巻の様に待って天井から真下の有象無象までを風圧で跳ね飛ばした。靴底を汚すこともなく低く構えた足が弧を描いて範囲の蛇を巻き取って壁に叩きつける。降ってくる蜘蛛を手甲で払い、蛇の尾を踏んで擦り足で振り回せば鞭が如く周囲は打ち据えられる。

「はぁあ!?」

 茉莉が思わず身を乗り出す。フィギュアスケートでも滑るかの如く擦り足を駆使して、飛びかかってくる敵には正確な斬撃が与えられ、一滴の汚れすら布引には届かない。見えなかった床は広がり、我先にとゲテモノ達は壁際へと殺到した。

 黒い滑りを帯びた道を布引が優雅に進む。

「うぇっぷ」

 総毛立つ鳥肌に笑顔を湛えた布引は小声で吐き気をやり過ごした。


 分かり易く何かある所は後に回して正体の知れない一角を確認に向かう。覗き込んだ布引はフラッシュライトを下に向けた。

「これはぁ、巨大な井戸? いや、水路、もしかして下水かな?」

「こんな山頂近い隠れ里の地下深くで?」

 それには格子状の蓋がついていた。形状は四角く水面を死骸が埋めている。腐敗か生物か、気泡が死骸の隙間からポコポコと漏れるたびに波打った。

 布引はちゃぷちゃぷと波打つ水面を凝視していたかと思うと、大きく後ろに飛びすさりながら包丁を構え直す。


「何か来る!!」


 死骸が破裂した様に部屋を待った。部屋が壊れそうな程に揺れて部屋を巨大な物が圧迫する。生臭い焦げた様な臭気。蛇の如き舌がシュルシュルと揺れる。大蛇どころではない普通の通路ならいっぱいに塞ぐであろう大きな、大き過ぎる蛇の様な物がいた。

 それは当たり前の様に周囲にいた逃げるゲテモノを大口で丸呑みにする。入れ食いとなり消えていった仲間を惜しむことなく怯えが空間を支配する。大蛇は首を左右に振って、布引を目に留めると威嚇をして標的に定めてしまう。


「虎に乗り古屋を超えて青洲に蛟龍捕り来む剣太刀もがああ!!」

 叫んだ布引は奥に向かって壁を走る。追いかけてきた大蛇を布引は天井スレスレで回避した。地面を鳴動させながら穴の真下を鱗が過ぎる。今にも丸呑みにされそうな布引は包丁で斬り込んでは距離をとり、確実にダメージは与えていっている。それでも大蛇は怯むことなく詰めよって、いつかのタイタンとの苦い戦闘がチラつきだす。


「これはまた、えらいもん引いちまったなあ」

 あまりの化け物にドン引きした村上に、丸金は躊躇いがちに話しかける。

「あの、布引さん、さっきなんて言ったんですか?」

「俺にもはてな。なんか知らんが辞世の句かねえ?」

「じせいのくぅ……」

 村上に代わり雨継が答える。

「武器がないと万葉集になぞらえて風流に嘆いておられますね」

 村上が真上から大蛇に銃弾を撃ち込んでみるが痛みで注意を引いてしまう。罷り間違って上に標的が移れば危険の範囲が変わってくる。


「マル」

 村上が親指を大蛇に向ける。

「水から出てきた大蛇だ。あれに該当する名前はなんだ」

「うぐぅ!」

 記憶を絞り出す。

「あの、蛇だから龍の系統かもで、水、水なのは」

みずち?」

 雨継の言葉で記憶が開いた丸金が目を輝かせる。

「そうだ、水神の蛟!」

 言ってから先に答えを出した雨継を不思議そうに見上げる。なんでもない顔で「布引さんが、もがあって叫んでたのに登場していたから閃きましたね」と言って観戦に戻る。


 慎重に戦況を見定めていた茉莉は嫌悪感でひとりごちる。

「あんな気持ちの悪い存在が、神様?」

 蛟の上顎から吐き出された黄色い毒を大鼠がかぶってしまっかと思うと、たちまち外皮が溶けてしまう。行きずりのツマミとばかりに大鼠は蛟に捕食された。


「先人は凶悪な水神様をどう対処しろって?」

 グロテスクで市場には並ばない絵本を読んでくれた母の声を思い出して嬉々として答える。

「瓢箪を水に沈めてみよって蛟に挑戦したら、ムキになった蛟が鹿に化けて瓢箪に夢中になったから背後から斬って倒しました!」

 役に立てるのではないかと期待を膨らませる丸金を視界からはずし、村上と雨継は人間の声帯では出し得ない威嚇を冷静に眺める。

「日本語が喋れそうには見えませんね」

「まあ、物理が効くものはなんでも倒せるらしいから」


 丸金は逸話が参考にならなかったせいで萎んで穴の縁にしゃがみ込む。

 武器だ。

 布引はいつも武器さえあればと困ってきた。実際、これがシザーならすぐにでも真っ二つの返り討ちにしているだろう。

 どんな物でも良いわけではない。長さが合っていても銃剣は扱いにくいと言った。刃先が狭くて使える手が少ないと。利点や得意は違ってくる。大きな刃物は簡単に転がっていたりしない。

 だが先程ちょうど何処かで禍々しい刃を見かけはしなかったか?

 大量に、何に使われていたのか想像するのも恐ろしい拷問道具の数々だ。

「さっきの部屋」

 何か武器になるものがあるかもしれない。

 散々調べ終わった場所。

 大人が、村上が、布引本人が見逃す様な物があるのだろうか?


 それでも。


 駆け出したくなる気持ちに一呼吸おいて、冷静に視野を広くもつ。

「村上さん、さっきの部屋に探したい物があるんです。行ってきても、いいでしょうか?」

 これが違う大人なら問答無用で禁じられていただろう。

「五分以内だ。戻らなかったら解ってんな?」

 村上は視線を下に向けたまま居所がつかまれないよう蛟の気を散らせる程度に銃を撃つ。弾を再装填して蛟以外のつゆ払いも請け負い、這い出してきた蜘蛛を銃の底で叩き潰して。

 丸金が戻ってこなければ戦線を放棄して迎えに来させてしまう。即ち布引が孤軍奮闘。元も子もない。蜘蛛が這い出してくれば茉莉が犠牲になりかねないだろう。

「はい! 行ってきます!!」

 全速力でその場から駆け出した丸金に、茉莉も身を起こして後ろ姿を睨みつけながら引き際を見計らい、舌打ちだけで観戦に戻る。


 部屋はそう遠くない。

 戻ってきた血生臭い部屋の凶悪な拷問道具に飛びついて下から横からと覗き込む。

「シザーみたいな大きい武器」

 人を寸断するもの、潰すもの、磨り潰すもの、引き裂くもの、丸金には用途も使い方も分からない。刃物として使えるか、叩き込むのに適した物がそこら中にある。だが武器として使うにはどれもこれもどこか足りない。

 時間には限りがある。

 許されたのはとても短い一回きり。


「丸金さん」


 背後からかけられた声に飛び上がって物にぶつかる。

 振り返ると音も無く雨継が立っていた。村上に頼まれたのか、心配からか、化け物が下で暴れているというのに緩んだ笑顔を貼り付けた男は丸金を否定する。

「武器を探しにきたんですか。具合の良い物はなかったでしょう。時間はかかりますけど勝ちそうですよ、あの人。大人しく待っていては?」

 轟音と振動がここにも届く。

 確かに、いつかは布引が勝つだろう。それは丸金にも確信があった。例えば素手でも布引と村上がいれば丸金はあの化け物に喰われる事なく生き延びるのだ。


「私、周りの大人がみんな死んでいくんです」

 考える事も思い出す事も拒絶していた記憶を自らの口で紡ぎ出す。

「守られていました。なんでもできると思ってた完璧な大人を応援したり、勝利を祈って何もせず、子供だからと見守る事しか思いつかなかった。目の前で食べられる人を見てました。私は」

 木枠に大きな刃がぶら下がったギロチンの縄に手をかける。なんとか持ち出せそうな大きな刃物はこれだけだ。布引なら振り回して使えるかもしれない。

「すべき事をまっとうします! 勝つだけじゃ嫌!! 私は、一緒に無事でいて欲しいから自分の頭で考えて責任を持って選ぶんだって、いっぱい教えてもらってきたから」

 涙は滲むが食い縛る。

「もう、いなくならないでぇ」


 木枠を壊して巨大な鉄板を取り外そうと奮闘する丸金を眺めた雨継は、その辺にあった血糊がついた斧を手にすると真横にギロチンへ叩きつける。

 粉砕された木片が飛び散って、斧がそのまま投げ捨てられて不快な音を立てる。表情を変えない雨継はそのままギロチンの刃へ手をかける。

「では、こういうのはいかがですか?」

 持ち上がった重量のある凶器を雨継は拷問器具の上に引っ掛けてレバーを引く。ギロチンの刃に叩きつけられた筒が鉄を貫通する。

「ないなら作れば良いんですよ。簡単です。僕、工作は得意なんで」




 蛟と睨み合う状況で顎に流れる汗を拭う。

「良い運動だよ、まったく。こうなってくると一寸法師になって胃を突き破ってやりたくなってきた」

 毒を吐き出す蛟を躱した布引は、鋭い牙が辛うじてぶら下がる歯の付け根に何十回目の斬撃を叩き込んで一本を落とす。

 ここまでくれば蛟の方も警戒を覚えて距離を置く。布引も飛びかかってきた小さな蛇には目もくれず、援護を村上に全て任せた。

 負ける気はしない。

 だが、こちらには制限時間がある。急ぐ気持ちが苛立ちを生む。勝つだけでは人を救えないのだから。


「布引さん、武器、持って、きましたああ!!」

 丸金の声と共に蛟の向こう側に重量感のある音が鳴り響く。

「武器って、丸金、何か持ってきてくれたのー?」

「はい!!」

 自信に満ちた元気な声に思わず布引は自然な笑顔が湧く。せっかく用意してくれたと言うのなら使わないわけにはいかない。

「分かった! 有り難く使わせてもらうよ。受け取るにはまず」

 村上が蛟の上に飛び乗った。

「配置が悪いんで、中ボスは壁際にご移動願いますかあ!」

 ゼロ距離で脳天に弾を撃ち込むと、奇声を上げた蛟が首を振る。器用に地面に降りた村上に視点を合わせた蛟が舌を伸ばして体をくゆらせる。村上はゆっくりと壁際に後退して蛟を端まで連れて行く。逃げ場を失い、一つ間違えれば丸呑みにされる場所までだ。背後には残っている小蛇や蜘蛛が蠢いている。

 蛟が口を大きく開いて勢いをつけて村上へと飛びかかる。


「そうそう、良い感じの配置についたよ」

 蛟の横っ面をギロチンの刃が両断する。刃には鉄柱の持ち手がついて、巨大な斧か槍かのように作り替えられていた。

 裂けた口を天井と床に打ち付けて蛟が絶叫をあげる。鼓膜を破るような振動か超音波に近い。

 正面に回り込んだ布引は村上を背に刃を構える。

「君は鼻先は無い方が魅力的かな?」

 蛇の毒腺は上顎の牙の裏にある。口の中から脳天を串刺しにされた蛟は貫かれたギロチンごと水路に吸い込まれる様に逃げて行く。

 勢いよく渦巻いた水路に巻き込まれた蛇擬きや死骸を道連れに大きく沈み、渦巻いた水は徐々に、緩やかに、何処かへと引き摺り込んでしまった。後に残るのは何も浮かばない鎮まりきった水面だけ。


 残されたゲテモノ達は畏怖で怯えきり、隅の影が色濃い場所に寄り固まり、あるいは死骸を被って息を潜める。

「足の踏み場程度は片付いたかな」

 本当に武器さえあれば布引は水神ですら斬って落とす。包丁一本で立ち向かい苦戦しても尚、本人は一切の無傷。神すら対等の相手に非ず。


 茉莉が目を丸くして愕然とする。

「あんな、え? 嘘でしょ!?」

「布引さんはあれです。世界最強なので」

 誇らしげに丸金が言うと、振り返った布引は満面のVサインを掲げた。


 地下二階へ移動する。

 ただし、丸金と茉莉の定位置は円板の上とされた。床を踏ませる気はないらしい。

「蜘蛛だ蛇だと近寄ってきたら目につきやすいからね」

「危険から隔離しつつ目の届く所ときたらそこっきゃねえし」

 指定外の雨継はさっさと羽織りを靡かせて躊躇いなく飛び降りる。足先は迷いなく棚に向いて、着くや否や邪魔なゲテモノを振り払ってファイルを手に取る。黙々と手慣れた調子で流し見て、興味を惹かなければ容赦なく床に打ち捨てられていく。


 村上が配電盤を開く。周辺にある装置は滑りで糸を引き、蜘蛛の巣まで張っている。

「いよいよ謎解き脱出ゲームじみてきたな。現実は問屋がおろさないわけだが」

 布引は時々少女達の周囲に目を光らせながら、蛟の沈んだ水路を覗き込んでいる。あの巨大が通るぐらいだ。何処か広い場所には通じているだろう。問題は蛟の様な大物に水中で出くわすかもしれない点。何を見ているのか、布引は視点を水中に留めて動かなくなる。


「ねえ」

 声をかけられた丸金が跳ね上がる。

「え!? え、あ、はい……」

「あんた達って一体何なの? 動機は聞いた。経緯も聞いた。でも正体だけは聞いてない。あたしを助けてどうしようっての」

 茉莉は注意深く自分を助けにきたという人間離れした集団を見定めようとしていた。隠し事には向かない素直で御し易い年下から、信じられる情報を、力を持たない少女が今まで生き抜いてきた慎重さでもって動く。

 途方もなかった脱出が叶うかもしれない。

 本当に助かるのかもしれない。

 そう思わせるだけの力は示された。

 だが親ですら捨てたこの身を見返りなく助けるはずはない。納得のいく本性を見極めようと一つしか露わになっていない丸金の瞳を覗き込む。

 押し負けて身を退け反らせながら丸金は目を泳がせる。

「し、正体と言われても、その、私だけの話でいいなら、あの」

 指を忙しなく交わらせる。

「駄目駄目な陰陽師としか」

「あぁ?」

「ひぅ……」

 低い声に怯えて肩を竦める。

「ふざけてんの? ごっこしてんの? 足がないからってあたしの事を舐めてんなら、ここから突き落としてやるからね」

「うぇぇ、高いから怖いです」

 剣呑な茉莉の目に、満足しそうな答え方が思いつけない丸金はチラリと着地点を確認した。


 布引が一歩足を引いて武器を構える。

「また何か来る」

 全員に緊張が走り身構える。丸金もいざとなれば茉莉を上に抱き上げようと胴に腕を回して身を固くした。

 気泡が水面を泡立たせ、水面に触手が飛び出すと、床をつかんで巨体が一気に地下へと踊り出した。床に勢いよく打ち付けられる触手が汚い水を撒き散らせる。中心の巨体は蛟に比べれば小さいだろうが人間としては最大に等しい。両手をついて咳き込んだそれは咽せながら大きく息を吸う。


「はぁあ! はあっ! は、ぐぅっ、これは、目が」


 武器を降ろした布引が目を見開く。

「羽秋さん!? どうしたのそんな所から。あれ、もしかして背中のびよんびよんはワンコ?」

 回転して汚水を噴き飛ばして元の形態に戻っていった変貌犬は、何食わぬ顔様子で望月の背から離れて横に座る。

「ええ!? も、望月さん? なんで望月さんが下から」

 混乱する丸金は円板の縁に手をかけて唖然とする。

 地下にいる知った顔と知らない顔を見渡して、疲れを滲ませながら望月は笑う。

「井戸にある横穴にもしやとは思ったが賭けに勝ったか。犬を信じようと覚悟はしたが寿命がかなり縮んだぞ」

 ここにきて思わぬ強力な助っ人に、丸金は嬉しくなって言いつけも高さも忘れて飛び降りかけた時だった。


「……パパ?」


 茉莉の呟く意味が分からず丸金は首を傾げる。少女の視線の先を追って、それは望月に終着した。水を拭って無事を喜ぼうとしていた望月の顔がゆっくりと強張り蒼白となる。

「まさか君は、茉莉……なのか?」


「ぱ」

 布引と村上の聞いたことがない声が完全に重なる。

「ぱぱぁ!?」

 呆然と立ち尽くす望月から茉莉に視線戻して、丸金はそれが人間違いではないと理解して困惑する。茉莉は会話の端でこう言った。


『親に捨てられた』と。

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