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嫌われようと努力したのに、今日も攻略対象に追いかけられています。  作者: 限界まで足掻いた人生


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160話 論理の代償と友の左腕

アザトースが放った強大な排除のエネルギーは、レオンハルト殿下の武神の盾を打ち破り、リリアーナ女王とカイに迫っていた。論理による存在の否定という、カミの最後の攻撃だ。


「間に合わない!」カイが叫んだ。


リリアーナ女王は、千鶴の杖の破片を握りしめ、覚悟を決めた。


その瞬間、ライオネル殿下が、叫び声を上げながら、私たち二人の前に飛び出した。


「リリアーナ様!クロードとの運命は、俺が守る!」


彼は、アザトースのエネルギーの直撃を、自らの肉体で受け止めるという、最も非効率で、最も崇高な行動を選択した。


剣の代償

ライオネル殿下は、友クロード王子の死を乗り越え、アザトースの支配から解放された真の武神の力と、人間としての純粋な友情を、肉体の盾に変えた。


アザトースの青い排除のエネルギーは、ライオネル殿下の左腕に集中した。


「ぐあああああ!」


凄まじい断末魔の叫びと共に、ライオネル殿下の左腕は、肘から先が、論理的な力によって跡形もなく消滅した。その傷口は、血を流すこともなく、青い炎のようなエネルギーに包まれ、**論理的に「存在しない」**状態となっていた。


しかし、その犠牲的な防御によって、アザトースのエネルギーの奔流は止められた。私たち二人は、辛うじて難を逃れた。


最後の隙

「ライオネル!」レオンハルト殿下が、友の姿に絶叫した。彼は、自身が盾となりきれなかった悔恨に打ちひしがれた。


ライオネル殿下は、片膝をつきながらも、右手に持つ剣を離さなかった。彼の顔は蒼白だったが、その瞳には、友情という論理を超えた輝きが宿っている。


「クロードとの…約束だ…」


その一瞬の隙、アザトースがライオネル殿下の行動という論理的矛盾に驚愕し、分析を試みようとした時――


「今だ、リリアーナ!」


リリアーナ女王は、その千載一遇の機会を逃さなかった。


「ゼロの論理よ!アザトースの知性をフリーズさせろ!」


リリアーナ女王は、千鶴の杖の破片に、カイの知性と、セバスチャンから得た**「自己否定の論理」**を全て注ぎ込み、アザトースの核めがけて解き放った。


アザトースの知性が、再び、停止した。

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