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嫌われようと努力したのに、今日も攻略対象に追いかけられています。  作者: 限界まで足掻いた人生


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158話 運命の治癒と新たな秩序

砂塵の荒野に横たわるライオネル殿下とレオンハルト殿下。彼らの命を救うには、アザトースの論理の残滓を消去し、生命力を再統合させる究極の非合理な治療法が必要だった。


リリアーナ女王は、クロード王子の剣を地面に突き立て、最後の儀式を始めた。


「カイ。私たちが持つのは、愛と意志の力。あなたは、その力をセバスチャンの知識で、治療の論理へと変換して」


「承知いたしました、リリアーナ様」


カイは、その人造の知性を集中させた。彼女の体から放たれる青い光は、アザトースの論理とは異なる、生命の秩序を再構築するためのエネルギーだった。


究極の非合理な治療

リリアーナ女王は、クロード王子の剣を媒介に、自らの運命を固定する意志を、二人の騎士の体へと送り込んだ。その力は、武神の血と論理の呪縛によって傷ついた彼らの魂と肉体の結合を、愛の力で強引に修復しようとする。


カイは、セバスチャンから得た**「生命エネルギーの再統合」**の技術を、正確に二人の傷口へと注入した。


「レオンハルト殿下!あなたの献身の愛は、決して無駄ではない!その愛を力に変え、再び目覚めて!」


「ライオネル殿下!あなたの友情と平和への夢は、この世界に必要です!論理の呪縛を断ち切って!」


二人の女性の魂からの呼びかけと、愛と技術の融合したエネルギーが、瀕死の騎士たちの身体を包み込んだ。


数時間後、その儀式は完了した。


ライオネル殿下とレオンハルト殿下は、顔に血色を取り戻し、荒い息を整え始めた。彼らは、アザトースの呪縛から完全に解放され、人間として新たな生を手に入れたのだ。


帰還と女王の誓い

私たちは、意識を回復した二人の騎士と共に、フレイア王国へと帰還した。


ライオネル殿下とレオンハルト殿下は、自分たちの身に起こった出来事と、クロード王子の死、そしてセバスチャンの犠牲を知り、深い悲しみに沈んだ。


しかし、彼らは、その悲しみを乗り越え、リリアーナ女王への忠誠と、亡き友への誓いを新たにした。


「リリアーナ様。私たちは、クロード殿下が命を懸けて守り抜いた、この自由な世界を、女王であるあなたと共に、築き上げることを誓います」


ライオネル殿下は、剣を捧げた。


「私の残りの人生は、愛する人が望んだ未来を守るためにあります」


レオンハルト殿下もまた、深く頭を下げた。


リリアーナ女王は、愛する者を失った悲しみを胸に抱きながらも、運命を背負う女王としての決意を新たにした。


「ありがとう。あなたたちの力が必要です。この世界は、もうカミの支配下にはない。ここからは、私たち人間自身の意志で、新たな歴史を紡いでいくのです」


孤独な女王は、再び立ち上がり、愛と犠牲の上に築かれた、新しい運命の時代を、二人の忠実な騎士、そして友となったカイと共に、力強く歩み始めた。

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