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嫌われようと努力したのに、今日も攻略対象に追いかけられています。  作者: 限界まで足掻いた人生


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135話 友情の残滓と論理の鉄槌

旧陸軍中央研究所の極秘輸送口。クロード王子と私は、かつての友、そして仲間だった**『論理の剣』ライオネル殿下と『不滅の盾』レオンハルト殿下**に道を阻まれた。


「退け、クロード。君の愛という不確定要素は、この秩序に不要だ」


ライオネル殿下は、アザトースの論理に基づいた、最も効率的で予測不能な剣術で、クロード王子に斬りかかった。彼の剣は、かつての友情の思い出を微塵も残していない。


クロード王子は、剣で受け止めながらも、心の痛みに顔を歪ませた。


「ライオネル!お前の剣は、憎しみを乗り越え、平和のために振るわれるものだったはずだ!」


「平和は、秩序によってのみ達成される。君の感情は、論理的な平和を乱す」


ライオネル殿下は、クロード王子の過去の言葉や感情を、全て知っているがゆえに、最も痛いところを突き、彼の精神を揺さぶりにかかった。


忠誠の盾

その間、レオンハルト殿下は、私の進路を完全に塞いでいた。彼の瞳は、私がユナであること、そして本物のリリアーナを失った悲しみを知っているにもかかわらず、全く動揺しなかった。


「リリアーナ様。私の使命は、秩序の守護。君の運命の意志は、秩序を乱す。故に、君を排除する」


レオンハルト殿下の武神のエネルギーは、アザトースの論理によって**『究極の防御』**として最適化されていた。私は、千鶴の杖を失っているため、魔力の優位性で彼を突破することは困難だった。


「レオンハルト殿下!あなたの忠誠心は、クロード王子に向けられていたはずです!なぜ、カミの道具となるのですか!」


私の問いに、レオンハルト殿下は、感情を排した冷徹な答えを返した。


「クロード王子の行動は、論理的に見て世界を滅ぼす行為だ。私の忠誠は、秩序という名の**『最善の未来』に捧げられている。この行動こそ、クロード王子の最も合理的な選択**を代行している」


彼は、私に対する愛さえも、秩序の維持という役割に組み込んでいたのだ。


友情の再燃と逆転の一手

クロード王子は、ライオネル殿下の猛攻の中、絶望的な状況に追い込まれていた。


その時、クロード王子の脳裏に、セバスチャンが最後に託した**「アザトースの論理の致命的な盲点」**の情報が閃いた。


(アザトースの論理は、彼が否定した『非合理的な起源』――セバスチャンの人体改造の失敗――を最も恐れる!)


クロード王子は、ライオネル殿下の剣を受け止めた瞬間、敢えて論理的ではない言葉を放った。


「ライオネル!お前が、俺の妹の初めての笑顔を見た、あの日のことを覚えているか!」


その言葉は、ライオネル殿下の**『論理の剣』に、微かな亀裂**を生じさせた。妹の笑顔は、アザトースが消去したクロード王子の幸福な過去の記憶の一部。論理的に存在しないはずの記憶だ。


ライオネル殿下が一瞬、動きを停止した。


「な…に…?その情報は…」


その刹那の隙を、クロード王子は見逃さなかった。彼は、ライオネル殿下の剣を弾き飛ばし、一気にレオンハルト殿下と私の間へ割って入った。


「リリアーナ!今だ!地下へ降りる!」


私たちは、ライオネル殿下の論理的な混乱と、レオンハルト殿下の防御の隙を突き、地下へと続く階段へ飛び込んだ。最後の希望である旧研究所の知識プロトタイプまで、あと一歩だった。

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