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harem!〜カオス煮、いっちょ上がり!〜  作者: nyao
o メイドさん vs ご主人様
492/1098

ど-308. コレは売り物

お店には売ってません



「旦那様、危ないっ!!」



「お前が一番危ないわっ!! ……んで、お前的には俺のどこがどう危ないと?」



「いえ、馬車が通りかかっておりましたもので」



「ほー、なるほど。それで衝動的に俺を突き出してみたくなった、と?」



「有り体に言えばそう言えなくも御座いません」



「有り体だろうがどうだろうがそうとしか言わねえよっ!? 大体お前はアレか、俺を殺す気か!!」



「いえ、そのような事は決してございませんとも」



「……知ってるか? 殺す気が満々の奴よりも殺す気がない奴の方が暗殺とかには向いてるらしいぞ?」



「存じておりますとも。基本知識では御座いませんか」



「何の基本知識だ、何の」



「……何のでしょう?」



「はぁぁぁぁぁ。ったく、くそぅめ、お前俺に喧嘩でも売ってやがるのか」



「喧嘩、で御座いますか?」



「とは言ってもどうせお前の事だから、『いえ、旦那様に喧嘩を売るなど、そのようなたいそれた事……』とかなんとか言って逃げるに決まってるんだろうけどな」



「今のは私の真似だったのでしょうか? 全く似ておりませんね、旦那様」



「放っとけ」



「はい。では旦那様の思い出したくもない黒歴史の数々はいつも通り改めて書に記すと致しまして、今は旦那様のお望みどおりに放置しておきましょう」



「……お前、やっぱり俺に喧嘩売ってる? 喧嘩売ってるよな、絶対?」



「喧嘩で御座いますか……そう、ですね」



「そうって、つまり喧嘩を売ってるってことか? そうなのか? おういいぞ、なら受けて立ってやろうじゃねえかコン畜生!」



「そうで御座いますね。稀には――そのような趣向も面白いかもしれません」



「あ……ん? や、やる気か? 本当にやる気なのか、そして俺に喧嘩を売るんだな? いいいいいだろう、受けて立とうじゃねえか!!」



「旦那様、声が震えてらっしゃいますが?」



「エコーして聞こえるだけだっ!」



「旦那様、膝が生まれたての小鹿の様ですが?」



「単なる武者ぶるいだっ!!」



「……小鹿の様、とは小鹿に対して礼を失する物言いでしたか。訂正いたしましょう。旦那様、少々涙目ですか?」



「そんなわけがあるかっ。俺は売られたケンカは買う主義なんだ。たとえ相手がお前であろうと、目にモノ見せてやるぜこの野郎っ」



「せめて女郎と申して下さいませ、旦那様」



「ええいっ、細かいところを気にするんじゃないっ!」



「――そうですね。旦那様にとって私の性別が男か女のどちらかかなど、確かに“細かいこと”ですね?」



「っっ!? ……ふ、ふっ、そうだぞ。その通りだ!」



「……そうですか。では旦那様?」



「な、何だよ?」



「改めまして――喧嘩を売らせて頂きましょうか」



「……ふ、お前が本気なのは今の一言でよく分かった。いいだろうっ、お前が一体誰に対して喧嘩を売ったのか、そして身の程と言うモノを理解させてやるぜっ」



「いえ、それは辞退させて頂きたく思います」



「んぐっ……話の腰折る様な事言うな」



「私が喧嘩を売ったのは私の敬愛してやまない旦那様であり、また私自身の身の程と言うのは既に重々承知しております。それをよりによって旦那様に教えて頂かなくとも、何より私は旦那様ほど旦那様では御座いません」



「俺ほど俺ってのはどういう意味だ、こら。それは直接的かつ端的に言えば俺は馬鹿でお前は頭がいいとか、そう言うコトを言いたいのか、そうなのか?」



「まあ旦那様、ご自身を卑下なされるのは余り宜しくないと存じ上げましょう?」



「そもそも言い出したのはテメェだこのっ!」



「……この程度の口論で声を荒げるなど、他愛もない」



「おい、今ぼそっと言ったってちゃんと聞こえてるんだからな?」



「はい、旦那様のお耳にも正しく届くよう、心して明朗に事実を発声しましたので。コレで聞こえないと言われてしまえば、旦那様の顔と身体を心配せざるを得ませんでした。よかったです」



「ああそうかいそれは心配してくれてありがとよー。……あと顔を心配ってなんだ」



「いえ、たとえ何時如何なるどのような気分気持ち旦那様が真正のヘタレであると実感している時であったとしても――私が死の淵に立っていたとしても、私が旦那様の事を心配するのは至極当たり前の事に御座いますれば。そのように全く気持ちの籠らない礼を言われるまでの事も御座いませんとも」



「……お前、俺に喧嘩を売ってるって事忘れてないよな?」



「私は旦那様では御座いません」



「いや、俺も別に忘れてないから。あと俺がすぐモノを忘れる、みたいに取られる云い方は止めろ」



「直ぐに都合の悪い事を忘れられるのは旦那様の専売特許では御座いませんか。それを言わずにどのように旦那様を語れましょうか」



「ならお前は俺を語るな」



「……今のは中々の切り返しで御座いましたね、旦那様」



「俺はお前が唸る基準が分からんぞ」



「……何はともあれ、旦那様」



「何だ?」



「――私の喧嘩、買っていただけますか?」



「望むところ。日ごろの恨み、もとい目にモノ見せてやる」




と、言う訳でたまには趣向を凝らして(?)レム君vsメイドさん開始?



身に覚えのない話


「所で気になってたんだけどよ、この“養育費”って、何?」


「……さて。何でしょうね、旦那様?」


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