売り言葉に買い言葉。売買で利益は出るかしら…よし!いつだって赤字計算にしかならないわ!
なんだか午前は対応に疲れたりしたけれど、やっと一息つけるランチタイム。
最近は食堂の二階席…というか、ロフトみたいに他の席を見下ろすちょっと特別席みたいなとこに座っている。
いや、わたしは今まで通り普通〜にクラスメイトのみんなとかと座っていたいのだけど、ヒエラルキーなのかなんなのか、最近食堂に来ると色々な生徒さん達から「あちら空いておりますよ!」「階段ありますのでお気をつけて」「僕が運びます」とか、いつの間にか毎日この席に誘導される様になって、「ヤダヤダクラスのみんなと一緒に食べる〜!」とも言えず…。何故なら断ってまで一緒に食べる友達居ないしね!!!
食事相手は相変わらずのシルクとロイさん。あとはアベイルさん…は、今日は用事があって後から来るらしい。
そうそう、アベイルさんといえば、生徒会書記が認知されて、みんなから一目置かれる様になったみたいで、沢山声掛けられて本人は変化にオロオロしてるのをたまに見かける。
それとレイさんやロットさんが居たら一緒に食べるくらいで…
って、
あっっかーーーーーーーーん!!!
逆ハーレム状態が悪化してるわ!!!!
ミラさん!!ミラさんカムバーーーック!!!
ってなって、さっき声掛けたら「え?ユリエルとあのメンツで食べろって…なんの拷問!?」って言われた…。
ですよね…。
いいもん。ご飯は一緒じゃないけど、ミラさんって友達出来たもん。絶対今度2人でご飯食べるもんっ!!
そんな決意を新たにしていれば、
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ〜…」
とんでもなくでっかい溜め息が聞こえてきた。
溜め息の主はロイさん。
「…ロイさんはどうなさいましたの?」
コソコソとシルクに聞けば、
「今日から魔法の授業だったでしょ?ロイさんは3属性も持ってるものだから、高等部では3年間順番に一年は火、二年になったら風、三年は光って受けることになったんだよ。」
「沢山持ってるのも大変ねぇ」
「うん。それで、火魔法の教室に行ったら…」
その時階段をガンガン!!と上がる音が近付いてきて、
「おぉ!!お前らここで食ってるのかぁ!!ワシも今日はここで食べるとぉとするかぁ!!」
食堂に響き渡るんじゃ無いかって声のグラヴァルドさんが現れた。
「ごきげんようグラヴァルドさん」
「おぉ!!ユリエル嬢じゃぁねぇか!!相も変わらず別嬪さんじゃぁのぉ!!!」
「まぁ、ありがとうございます」
「お前さんそんなちょっとの飯でぇは足りんじゃろ!?ワシの分けてやろうかぁ?!」
「いえ、グラヴァルドさんの様には食べられませんわ。そんな食べてわたくしがグラヴァルドさんくらい大きくなったら困りますでしょう?」
「ガハハッ!!そりゃぁちげぇねぇな!!よぉ!ロイサマよ!午前の火の授業では対決出来ずに残念だぁなぁ!!?」
「…はぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜っっ」
ロイさんの腹の底からの溜め息が出ましたわ。
そして眉間の皺が酷い。
こっそりとシルクに目で「この方が原因?」と聞けば頷かれた。
「先生方もケチ癖ぇよなぁ!!初回サービスで、対戦くらいさせてくれてぇもいいと思わねぇか!?」
「…だから今年火属性で受けるのは嫌だったんだ…」
「あの、グラヴァルドさんは火魔法なんですか?」
「火…いや、ワシのは炎だな!!そんじょそこらの火とは訳がぁ違う!!」
ちょっと聞いたら滅茶苦茶胸張って言われたわ。
自信と誇りがあるのね。
「ユーリ…そいつは単純馬鹿の一本槍だ。相手にしなくていい」
「ガハハハハッ!違ぇねぇ!!ワシはお前の様に組み合わせだなんだぁとチマチマした事が出来ねぇからなぁ!!」
「チマチマ…だと?」
ロイさんの声色が変わったわ!!
「おぅよ!!なんじゃ何個も属性が有るとかで、それの組み合わせだぁなんだぁと小せえ事でチマチマチマチマ攻撃してきやがってぇ」
「戦術と言え」
「へいへい。戦術と言やぁ聞こえがいいからなぁ!王子様よぉ!」
「貴様…!!」
「なんだチマチマくん!やるってぇのか!?」
ガタンとロイさんが立ち上がれば、受けてたつと言うようにグラヴァルドさんも立ち上がり…
「はいはーい、その辺でお開きやで!」
2人の間にロットさんがいつの間にか立っていた。
ブクマ、☆評価、感想、誤字報告いつもありがとうございます。
後書きあまり書かないクールな作家さんに憧れてるのですが、前回の後書きのテンションを見返して凹んでる作家にしかなれません。





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