うちの子のクロモリは可愛くて賢くていい子なんです!!
「あら?そんなに違います?」
「全ッ然違うわ!!かっこええなぁとは思っとったけど、人になってもデカっ!!え…ほなオレ舐めたのって……!」
そこまで言うと、シルクが無言の笑顔でロットさんの肩を叩く。
「シルっくん…お仲間なんか…?」
「なんなら僕はこの姿でも更に舐められました。」
「シルっくん!!!」
何故か熱い抱擁を交わす2人。
ロットさん、ハグの文化あるじゃないの。
それにしても黒豹でも人の姿でも、わたしにとっては同じクロモリなのだけど、みんなにとっては違うみたいだわ。こんな可愛らしいのに。ちょっと大きいのはご愛嬌よね。
「あ、ところでクロモリは飲む?」
コクリと頷いて床に座ったまま手を伸ばすので、ソファに座る様に促せば、わたしの横にチョコンと座り、わたしが一口飲んでしまっていたけど、手に持った紅茶を見ているのでそのまま渡すと、ロイさんがその手を止めた。
「ロイさん?」
「いや、それユーリ飲んだ後だよな?」
「今から入れ直すのも待たせますし、クロモリがいいならいいのかな?って。お行儀が悪いのは承知ですが」
「いや、そこじゃなくて」
そんな会話の途中にはもうクロモリが紅茶を受け取りグイーーっと飲む。よっ!いい飲みっぷりだね兄ちゃん!!もう一杯飲むかい?!って言いたくなる飲みっぷり。
本人は初めて飲食をした為、不思議なのか首を捻ってる。
そうよね。基本はわたしの魔力がご飯だものね。
飲み終わったコップも周りを見てテーブルに戻す。やだ賢い!!
「クロモリ、偉いわねぇ〜ちゃんと周りを見て置く場所も考えたのね?」
そう言って頭を撫でれば、また床に座って、わたしの膝に頭を乗せた。うちの子可愛い!!
「なんやろな…姫さん。なんか人間型でやると背徳的なかんじがすんやけど…」
ロットさんにそう言われても、いつもの黒豹のままだと大きすぎな感もあるし…
「そうだわ!!クロモリ!?耳だけ出せる?ピョコンよ!ピョコン!」
手で頭の上に猫耳イメージで必死に説明すると、クロモリは首を捻った後一度目を瞑り、ピョコンと猫…豹耳だけを出した!!
「賢いわ!!賢いわクロモリ!!これで可愛さ増したし大丈夫ですわよね?」
「いや耳の問題なんか!?」
そのまま頭を抱いてヨシヨシすれば、ゴロゴロと喉が鳴る。可愛い!!これぞ猫科よね!!!
「ユーリ。それはやり過ぎでは…ないか?」
「え?何故です?」
ロイさんの顔が引きつっている感じがする。
「いや、婚約者がいるのに男をそんな抱きしめるのは宜しくないだろう」
ゴホッとロットさんが咽せたのはスルーしながら、首を捻る。
「だってわたくしの召喚獣ですのよ?わたくしが褒めずに誰が褒めてあげるのですか?」
「いや、さっきの姿ならまだマシなのだが…」
「え?猫耳出したの可愛くないですか!?わたくし可愛いと思いますのに!」
「そこじゃない!」
「姉さん、僕は可愛いと思うよ?」
「まぁ!シルクわかってるわね!!」
思わぬ助け船に満面の笑みを返せば、ロイさんが半目でシルクを見つめている。
「ロイさん?それは姉の魔力から生まれた、言わば姉の半身です。婚約者だと仰るなら、クロモリも婚約者だと思って接してあげて下さい」
優雅にお茶を飲みながら告げるシルク。
一方ロイさんは一瞬何か考えた後、頭を振って「いや違うだろ!?」と1人ツッコミなのか、シルクへの返事なのか、悶々と悩み出した。
何かしら?婚約者だけに、クロモリの花嫁姿でも思ったのかしら?うん。それはそれでわたしは可愛いと思うのだけれど…流石にゴツくて周りにはウケなさそうね…って、ロイさんがそんな事考える訳ないわよね?
なんて事をおかわりしたお茶を飲みながら考えてみたりして。





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