あのゲーム発売日は、いつもニュースになって大騒ぎだったなぁ…。
朝に馬車から見えた景色は、樹々の葉の色は様々に色付き始めていた。
あっという間の秋の季節。
学園に来てから時間が流れるのが更に早くなった気もする。
決して年のせいではない。日々が充実し楽しいからだ。もう一度言っておく。決して年のせいではない。
そういえば曜日は【風、火、水、花、召、闇、光】なのに、春夏秋冬は日本と一緒なのよね。いや分かりやすくていいのだけれど。
さておき、体感的にも秋に差し掛かった今日の昼休み。
掲示板の前が人集りになっていて「あぁもうそんな季節か」なんてシルクが言うもんだから、「なんですの?掲示板は見えないし…皆さんは知ってらっしゃる有名なこと?」って言ったら、モーゼみたいに突然人混みが開いた。心で泣いた。
だってこれ悪役令嬢のパターンのやつじゃない!?
もしや「わたくしが見えませんわ!おどきになって下さらない!?」とか勝手に口が動いてた!?え!?どゆこと!?
質素に生きてるつもりが、強制力とやらが強すぎてるの?
頼んでも無いのに「ユリエル様!どうぞ前へっ!」とか言われてる!
いいの!空いたら見るから全然気にしないで〜!!って叫びたいけど、御令嬢はそんな事言わないの知ってる。心は大人だもん。ちゃんとその辺は親兄弟に迷惑かけないよう、卒なくこなすよっっ!!涙ちょちょぎれそうだけどっ!!
「皆様が見てらっしゃったのにごめんなさい。直ぐに見たら居なくなるから、ごゆっくり見て下さいな」
せめてもと低姿勢で告げれば、いえいえごゆっくり!と、更に場所が開く。
嫌味だと取られたのかなんなのか。
ぷるぷる…ぼくわるいユリエルじゃないよ!?ぼくあくやくれいじょうじゃないよ!!とか言いたいけど、伝わらないだろうな…若いし。そもそも世界が違ったわ…
ささっと見て「ありがとうございました」と立ち去れば、後ろから視線をまだ感じる。
思わずスタスタと少し早足に立ち去って、自分の教室も通り過ぎ、人気の無い突き当たりの空き教室に入る。
途中でシルクはお友達に声を掛けられて止まってしまったので、ひとりぼっち。
思わず悲しくなって扉の影に入り込み座り込んでしまう。
「はぁ…わたし何かしたのかしら…」
「あれぇ?ゆりえるサマだぁ!こんなとこでなにしてるのぉ?」
誰も居ないと思った部屋の、机の下からピョコッと薄い桃色のフワッフワした髪に、オレンジ色のお目々がくりっくりで、頬っぺたがぷにぷにっとした、小柄な男の子がダボダボの白衣を着て現れた。
オノマトペだけですでにかわいいっ!!
ブクマ、評価、感想等、心の底から感謝致します。
やる気元気勇気出ます!ありがとうございます!
そして日間異世界恋愛ランクに入れて頂きました!
読んで下さる方々のおかげです!有難う御座います!
この感謝をどう伝えたらいいのか分かりませんが、引き続きお楽しみ頂けるよう頑張ります!





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