男尊女卑良くない。男女平等大切ね。
レイさんとロットさんが分担を5班に振り分け、その先をレイさん、ロットさん、シルク、ロイさん、アベイルさんで各班担当し、場所まで誘導し掃除の仕方を説明していく流れだ。
わたしは今回担当は無く、カルージュ先生と全体を見て回ることになっている。
シルクとロイさん、それにアベイルさんも心配そうだったけど、見回りの教師とわたしが回ることは一番効率良く、逆に5人の誰かがわたしに付けば、人数的に回らなくなってしまうとなれば、渋々引き下がってくれた。
「皆さん動かれた様ですし、わたくし達も見回り開始いたしましょうか?」
「はい。ユリエル様の御要望通りに」
「…その〝様〟はやめて頂けませんか?わたくし教師にその様に呼ばれると、あまり宜しくない生徒の様に見えてしまいません?わたくし悪女とだけは誤解だけはされたくありませんの」
「ユリエル様が悪女だなんてとんでも無い!しかし御要望とはいえこれだけは!むしろこれから回って御指導されるのもワタクシめに任せて頂きたい程です。その分のユリエル様の御指導はワタクシめ専用にして頂きたく存じますが、不相応は承知しておりますし、むしろ今から共に歩くなどそれこそ不相応…ハッ!!ワタクシめは後ろから這って参りましょうか!?」
「絶対にやめて下さいませ」
思わず氷の如く冷たい目で見てしまう。めっちゃ良いこと思いついた顔して、何言ってんのこの人?
「はぁ…もう行くのでお黙り頂けますか?」
「ハァハァ…わかりました。ユリエル様の御許可が頂けるまで、胸の高鳴りで心臓が爆発しようが、ワタクシめは喋らず黙っ…」
「お・黙・り・頂・け・ま・す・か?」
「…ッ!!」
こうしてただの生徒であるわたしの言うことを素直に聞いてくれて、しかもなんだかんだで今回始めるに辺り、面倒を沢山買って出た良い先生なのはわかるのだけど、発言が意味わからな過ぎて会話が成り立たないのだけが問題である。
…あれ?ちょっと待って?生徒会や先生方との対応見てた限りめちゃくちゃシッカリした先生じゃなかった?あれ?わたしに対してだけ?
そこで一つ思い当たる。この世界も男子が家を継ぐのが常識で、やはり男尊女卑が少なからずはあるのは感じてたけど、こう接してこられるとカチンと来るものもある。
しかもまだ若い小娘として舐められてるのかしら?
この先のこの世の女性の為にもこう言った方々には凛とした態度で接して、舐められないようにしなければならないわね。
そんな偏見を受けた事に気がつき、思わず視線は冷たくなって「では行きましょう」と促せばコクコク頷き黙ってついてくる。
小娘の遊びに付き合ってる感覚なのかしら?良い先生なのに、この辺だけなんとかなれば子供達にとって素晴らしい教師になっていただけそうなのに…。
しかし歩き出して暫くして気がついたが、何故だか知らないけどわたしの後ろを歩きながら、物凄い色気を振りまいて歩いてるらしく、通りかかる女子生徒は膝を突き、男子生徒すら顔を赤くしてるのは何なのかしら?
なるほど!この色気で生徒を懐柔していたのね…!?
この辺もコントロールして頂かないと若い娘さん達ならイチコロよ。
こうなったら保護者目線で…モンペと言われても間違ったことは間違っていると言って先生に意見させて頂こうと心に決めましたわ!!
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