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【書籍発売中】悪役令嬢なんてもうちょい若い子に任せたい  作者: そらいろさとり
高等部 一年生編

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ションボリ…ションはなんか下がった気がするオノマトペだけど、ボリ…?ボリってなんだ?

本編再開です



「ごきげんよう」


教室の扉を開け挨拶をしたら、何名かのクラスメイトがこちらを見て、遠巻きにそりゃもう遠慮がちに一応挨拶を返してくれる。


昨日の今日で何事も無かった様に学園へ来るのは、家族で出した結論。


お父様もお母様も、本当なら1日くらいは家で様子を見たいけど、お休みしてあらぬ疑い(本当はあるあるな実際だけどね…)を掛けられるのも、万一何処かで繋がりを疑われるのも拙いので、あえて今日は何事もない様に学校に通うのが良いだろうと考えた結果。


お母様のお陰で体調もかなり回復してるし…そのお母様は顔色がまだ悪かったけど、朝に笑顔で送り出してくれた気持ちにも応えたい。

それに今週は今日行けばお休みだしね。


この世界の言う曜日は

【風、火、水、花、召、闇、光】の7日で回っていて、基本はこの世界の主となる魔法属性で構築されてるらしい。

そんで闇と光は学校はお休み。


闇は良くない日とされてて休み。

光は良い日なので回復に努めるためとかなんとか。


つまりはジャパンと一緒の週休2日。


てか月火水木金土日…あれもなんの並びなの?

ざっくり太陽系の惑星かと思ってたけど、順番バラバラだしな〜…なんだろあれ…。


席についても誰も話しかけてくれないので、窓際なのをいい事に、外を見ながら今日もしょうもない事を考える。


窓際の孤高の令嬢とか、誰々かが呼んでるだとかクラスメイトの子が話してたけど、…マジで誰か話しかけて孤高から下ろして頂戴よ…1カ月間何度もムーンウォークさながらの逃げ方されて流石に心が折れているのよ…


シルクも用事があるって言うし、ロイさんもまだ来てない。

唯一のお友達アベイルさんも来てない。


…部活とかあればいいのだけれど、そーゆーの無いんだよね…あっ、でも研究会とかなんとか誰かが話してたわよね!

まぁ直接話してくれた訳でもないし、聞くに聞けないのだけどね…ションボリ…



「おはよう…ございます」


「おはようございますアベイルさん。今日は少し遅いんですよね?」


「えっと…はい。用事が入りまして…」


首を傾げれば、歯切れの悪い返事が返ってきたけど、深く聞くのも悪いかな?と「そうなのですね」だけ返す。

すると次々に


「ただいま姉さん。もう授業始まるね?」


「遅刻にならなくて良かった。ユーリは早かったな。俺も早く準備せねばな」


何事もないかのように話しかけてくれる。

ロイ様、初日の猫被りは今は一切やめてる。あの笑顔で「私」とか言ってたのになぁ。


気になって前に聞いてみたら「ユーリが居るとついつい素が出るから諦めた」って言っていた。

シルク曰く「中等部では一応頑張ってたのに」とのこと。


「わたくしももう少し家族と過ごす様な感じでみんなと過ごせないかしら?」


その時に思わず2人が羨ましくて聞いてみたら、


「なっ…だっめだな!王妃になる以上、キチンとした言葉遣い、威厳を持っている姿も大切だろう!?」

「そうだよ姉さん!公爵家の姉さんが砕けた話し方してたらどうかな?って思われたら困るでしょう??ね!?」


なんて言われてしまった…思い出しションボリ…


了承すれば、2人はなんだかホッとしてた顔をしてたから、やっぱりこの言葉使いとか、動きは必要なのかと納得する他なかった。


「姉さん、ごめんね?そのかわり僕の前ではいつだって素でいいからね?」

「俺とは将来的に家族になるんだ。気にせず話しかけろよ」


優しい2人に頷いたけど…

この喋り方はどうしても原作の悪役令嬢を思い出す。今のところヒロインと接点は無いけれど、この先この言葉使いでこの黒髪黒目で話していたら虐められてると周りから見えないかしら?


真っ黒黒助子ちゃん出ておいで〜って言われたら、いつでもは〜いって出て行ける準備は万端だけど、誰も呼んでくれないわ〜…


既に今日何度目かのションボリだわ…

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⭐︎書籍情報です⭐︎
こちらの作品が書籍化致します!

仁藤先生の美麗な表紙が目印の、2025年8月発売
『悪役令嬢なんてもうちょい若い子に任せたい』

仁藤先生の素敵な挿絵が入ってます!
どうかご自宅にお迎えいただけると嬉しいです!
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