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日記の2ぺージ目 エピローグ

「トーヤ、自覚無しで評価しちゃってたんだねー!」


懐かしの青空空間に太陽ランプ、そこに浮く豪奢な寝台に腰かけ、チルと話す。

思ったより落ち着くなあ。


「しょうがないだろ?まさか、いいねを押しただけでそんな大事になるとは思ってなかったんだし。」


「いいねっていうのはわからないけど、トーヤは魔力量多すぎるから、そういうとこ気を付けないとね!慣れるまではしょうがないけど!」


あの後、父からの話でわかった事だが、動画への簡易評価って込めた魔力分のおひねり?投げ銭?が振り込まれるシステムらしい。俺としては、評価するぞ~と軽く念じていたつもりだったんだけれど、実際に振り込まれた魔力量は莫大で、あの動画のランキングを跳ね上げ、父の目にもとまったそうだ。


「でも、あの地味な動画を父上があんなに気に入るなんて意外だったなあ。」


「『とても良い人材を発掘したね。』とか言われたもんね!」


チルが父を真似て言う。全然似てないけど、そこは触れないでおこう。

執務に戻る時間がきて、どうして良い人材なのかは結局聞けなかった。

おいおい確認しておきたいことが増えてきたなあ。一度、整理しないと。


「そういえばトーヤ!日記もうつけないの?」


!?

何故それを?


「ど、どうして、チ、チルが日記の存在を知ってるの?」


「だって、保管してるのわたしの中だし。」キョトンとした顔で返される。


・・・そっか、そりゃあ、そうだよなあ。

だ、大丈夫だ、恥ずかしい事は書いていなかったはず。

ええっと、まあ、せっかくだし、纏めておくか。


青く光る四角い枠を呼び出す。

入力モードは前回から引き継いでくれているようで、思考がいきなり反映されることは無かった。


◇俺

腕は消えたけど、今は元通り。カーノス曰く、脳死寸前だったらしいけれど頭や思考に違和感はない。

助けてくれた皆と培養器、ありがとう。


「無事なのはよかったけれど、もう無理しちゃだめよ!」

どうやら、書き終わると、チル先生のコメントが来るらしい。迂闊な事書けないな。


◇カーノス

時間の精霊で、コームの知り合い。話してみて改めて、悪い奴ではない事を確信。

ただ、目的がわからないのは気になるなあ。

助けてくれた恩も返したいし、いつか話す機会があればそこらへんを聞いておきたい。


「そんな精霊いたかなあ・・・」チルも知らないらしい。コームに聞けばよかったかもな。


◇父

近接戦闘限定とはいえ帝国最強って響きがとてもいい。魔力は少なくても、その運用の巧みさで強いってのも憧れる。少しでも近づく為に、まずは課題を乗り越えよう。


「トーヤなら大丈夫よ!」・・・なんだか少し照れる。


◇コーム

妙に強い。守護精霊と領主精霊の立ち位置がわからないけれど、似たような強さなのかも。

異様に交友関係も広いし・・・そういえばロヴィどうしてるかな。


「明日聞いてみようか?」と聞かれ、頷く。


◇ロヴィ

3万年前のロボット。専属で管理してた船は修理中。

結局、船の外観見られなかったなあ。洞窟に埋まってた時の外壁は銀色で、操作した結果でた画像は涙滴型っぽかった。改装が終わったら見せてもらおう。


「最新型にするらしいから、時間はかかりそうかも?完成が楽しみね!」

流石に3万年の差があると、改装も簡単じゃないだろうしなあ。


◇ショーキ

豪快なおっさんだった。偉い精霊らしいんだけれど、最後まで実感は持てなかったな。

過去の恩義があったからとはいえ、没落した家の子を預かって、しっかり育てようとしているのは尊敬する。


「コウとレアはショーキさんと縁があってよかったよね!」

二人とも、少し影はあるけれどいい子たちだからな、本当によかった。


◇コウ

美形双子の兄。少しとげのある話し方をする事はあるが、根は熱くてまっすぐな子なので憎めない。

魔法の考察はかなり深そうだし、また時間が有るときにでも教えてもらおう。

◇レア

美形双子の妹。おとなし気な話し方と戦闘スタイルが正反対の子。

コウに対してはしっかり意見を言えてるところを見るに、芯はしっかりしてるんだろうなあ。


「トーヤ!私は書いてくれないの?」

・・・そうくるよなあ。

前回、愛着があるとか書いちゃってるんだけど、これ以上どうするか。

・・・いっそ開き直って恥ずかしがらせてみるか?


◇チル

いろいろ二人の関係性について考えたけれど、結論は出なかった。

「大切な家族」が一番しっくりくるのかな・・・精神的な支柱だし、大事なパートナーだ。

撫でた時の反応がかわいいのでつい撫でたくなる。

新しい服装もかわいくて


ここまで書いて、頬を染めてうつむいているチルに気づく。

作戦は成功だ・・・成功のはずだ・・・けれど。

恥ずかしがるチルを見ると、自分も妙に恥ずかしくなっている事に気づく。

・・・冷静に考えると、俺は何を書いてるんだ。


「ありがと。」そう言ってチルが後頭部に抱き着いてきた。

・・・喜んでくれてるようだ。・・・恥ずかしい真似をした甲斐は有った、のかな。



こうして書き起こしてみて、改めて思う。やっぱり、俺は恵まれている。


遠い未来に生まれ変わり、強大な力や権力を得た。

進んだ文明の利器の便利さを痛感した。

それらのお陰で、今は前世の俺よりも出来る事が沢山ある。


けれど、どんなに恵まれていても、一人で出来る事は限界がある。

結局、今でも俺は自分一人では生きられないんだ。

終わってしまえば短い旅だったけれど、それを再認識させてくれた出会いの数々に、深い感謝をする。

きっと、何か一つでも欠けていたら、俺はこうしていられなかった。



後頭部にチルのぬくもりを感じつつ、日記の締めを記す。




多元宇宙帝国の地方領主に転生したけど進んだ文明でも人間なんて大差ないもんだ

ここまでお付き合いくださいまして、本当にありがとうございます!


作中に書かれたことは、そのまま私自身が実感していることです。

私は弱い人間なので、一人で黙々書きつづけていては、ここまで続けられなかったと思います。


思い悩むことは多々ありましたが、楽しく書き続けられたのは、これまで読んでくださった方、ブックマークいただいた方、評価いただいた方、感想いただいた方、ツイッターで反響いただいた方、皆さんのお陰です。


少しでも、作品としての楽しさで恩返しができているといいなあ・・・


これから、1章全体の見直しを15日までに終わらせ、そこから2章にはいるつもりです。


まだまだ、いろいろ書きたいことがありますので、どうかこれからもお付き合いください。


改めて、トーヤ君の冒険にお付き合いいただきありがとうございます!

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