再会と出会い
もう少し先まで書いているのですが、区切りがつかなくなってしまったので一度ここで投稿致します。
なるだけ早く次を出すつもりです。
また、引き続き誤字報告有難うございます・・・!見落としおおくてすみません!
それと、総合評価100点超え有難うございます。
いろんなか形で反響がいただけて本当に嬉しいです。モチベーションが維持されまくります。
「お久しぶりです、ショーキ殿。相変わらず、気が早い事で。」
突然の登場に驚いていたが、ロヴィは慣れたもののようだ、淡々とした口調で挨拶を返す。
「俺らの在り方なんぞ、そうそう変わるもんじゃねえだろうよ。んで、お前らの名は?」
「ご紹介します。こちら、トシヤ、いや、トーヤ様とそのお付きのチルで御座います。」
「チルだよ!よろしくショーキさん!」
軽いな、そんな感じでいいんだろうか?
・・・いや、領主相手だ。出来る限り丁寧に挨拶しよう。
「お目に描かれて光栄です、ショーキ様。トーヤ・アイビーネ・ブルークと申します。」
「でけぇ妖精抱えてる割に、バカっ丁寧な奴だなあ。親父と正反対じゃねえか、面白えもんだ。おいロヴィ!着陸許可は出した、このまま船を下ろせ。」
妖精の大きさと態度に因果関係が・・・?などと考えている間に、船が着陸したのがディスプレイ越しにわかる。音も揺れもしないんだな。
「助かります。それと、申し訳ないのですが、整備場をお借りしてもよろしいでしょうか。道中、砲を受けてしまいましてな。」
「あぁ?ここらに宙賊が出たのかよ。座標送っとけ、後で軍を向かわせる。」
「座標は良いのですが、コチラではなく転移前でしてな。賊については現在の領主にお伝えしようかと。」
「そういうことか、ならいい。んで、整備場か・・・用意した。送った座標のとこ拡張したからそこ使え。」
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整備場に到着し、歩いて出口に向かおうとしたら、チルやロヴィと一緒に、ショーキの転移で連れ出されてしまった。
船の外観を見ておきたかったなあ。
移動した部屋は管制室と似たつくりの部屋で、ディスプレイの代わりに窓が有り、外の景色を眺める事が出来た。
そろそろ日が傾いてきて、夕暮れになってきている。
「んで、おい!コーム!どうするんだこっから?」
おや、コームいるの?どこに?
「トーヤ様、賊の侵入を許した私の不甲斐なさを謝罪致しまス。・・・ご無事で安心致しましタ。」
景色を映していた窓の一つが切り替わり、ニヤリと笑う悪魔が映る。こわいって。
しかし、別次元でも通信ができるんだろうか?
「相変わらずですな、まったく白々しいことです。トシヤ様、こ奴は貴方様が家に害となる者でないと、ようやく今になって判断出来たのです。いつまで経っても臆病な事だ。」
「クソポンコつ、生きていたとはネ。今はお前を破壊しても嘆く方はもう居なイ。その意味がわかっているのカ?」
え、だからこわいって。なんで最初から喧嘩腰なんだ。
しばらく二人が睨み合っている様をオドオドしながら眺めていると、ショーキが盛大に笑い出した。
「グハハハハハハ・・・いやあ、懐かしいモン見れたわ。相変わらず仲いいなお前ら。」
「ククク・・・誰がこんなオンボロなどト。ですがまア、よくトーヤ様を連れてきてくださいましタ。感謝して差し上げまス。」
「ハハハ・・・コームに礼を言われる日が来ようとは。整備を続けた甲斐が有ったものです。」
展開についていけない。緊迫した雰囲気が一転して和やかに話している。どんな仲なんだ。
「ああー、わりいなトーヤ。こいつらは前からこんなでなあ。」
「あ、いえ、大丈夫です。」
混乱はしているが、前世で培ったサラリーマンスキル君が無難な返答を叩き出す。
「クククク・・・どうでス、ショーキ。大物となられる器でしょウ。」
「・・・かもなあ。トシヤの生まれ変わりなんじゃねえか?」
唐突に褒められた、一体何を言ってるんだろう?
「二人共、それくらいになさい。トシヤ様が困惑していらっしゃる。」
「そうですネ。やはり通信は妨害されていましたカ。チルも良くトーヤ様をお守りし、ここまでお連れしましタ。お手柄ですヨ。」
胸を張ってチルが答える。
「えへん!頑張ったよ!」
かわいい。なんとなく頭を撫でてやると、えへへーと笑う。かわいい。
「その貢献に免ジ、しばらくはいじらないで差し上げまス。それト、トーヤ様、性急に話を進めて申し訳ないのですガ、トーヤ様を拐かした者はこの内におりますカ?」
ディスプレイから悪魔が消え、代わりにおっさん5人と青年2人が並ぶ。変な絵面だ。
・・・あ、白髪ダンディー。
「この右下の白髪だったよ。」
「航路情報も送ります。参考になさい。」
「トーヤ様、有難うございまス。ポンコツの航路情報とあわせテ・・・間違いなさそうでス。ハーキル様を派遣しましょウ。」
父があごでつかわれている・・・
「それとショーキ、トーヤ様の帰りの船をご用意いただけますネ?ボロ船で耐えてきたトーヤ様ニ、せめて帰路くらいはマトモな船で過ごしていただかねバ。対価は追って送付しまス。」
「誰がボロ船か」と反論しディスプレイ越しに睨み合うロボと悪魔。
・・・確かに仲いいな。
「船はいいんだけどよ、対価については、ちっとばかし頼みを聞いてくれ。」
「はテ、あなたの頼みとは珍しイ。」
「元貴族の人間の双子をな、預かってほしんだわ。見込みはあるんだがこっちゃ精霊領だ。生命種向きの設備や教育機関が足りねえ。おまえんとこなら悪いようにゃならんだろ?」
「義理堅いのも相変わらずのようですね。」
呆れたようなロヴィに、コームがため息をつきつつ続く。
「ショーキのは度が超えてますヨ。双子ということハ、先月に貴族位を剥奪されたトミーリ家の者でしょウ?あなタ、ここ数代の当主とは疎遠だったでしょうニ。」
「そう言うなよ、借りを返す機会ってなあ、そう訪れてくれんからな。こうでもしねえと。代わりに、治安維持軍で配備が決まった最新型を出すぜ?」
最新型・・・!いい響きだ。しかし、没落貴族ってことか。どんな人だろ。
「どこからくすねてきたのやラ。・・・まア、いいでしょウ。成人するまでの間、貴種に仕える前提の2層民級の教育と養育、就職先の斡旋といったところで良いですネ?」
「十分だ、助かるわ。とりあえず紹介するか。」
そう言うと、目の前に暗い感じのイケメンと、怯える美少女が現れた。
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