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王の住まう城の地下に作られた特設会場。
世界各国から集められたイケメン達が閉じ込められ、一週間が経ちました。
「さてそろそろ殺し合いも終わって真のイケメンが決まった頃ね。さっきから鏡が見当たらないあたり、おおよそのオチは見当がついているけど、一応扉を開けましょう。さぁ、過酷な殺し合いを生き抜いた真のイケメンは誰なのかしら……!」
キィ……
「俺です」
「でしょうね」
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王の住まう城の地下にある特設会場。
そこには殺し合いを生き抜いた真のイケメンこと鏡が居ました。
「それで、他のイケメン達はどうしたの? 殺したの?」
「さすがにオチの見えている茶番の為に殺すのもしのびないので、イケメン達は帰しました」
「優しいのね」
「途中、白雪姫がバレンタインのチョコレートを作るためのパティシエを作るためにって、数人イケメンを浚っていこうとしましたが、それもなんとか抑えて帰しました」
「またあの子は! パティシエを作るならちゃんとパティシエを使わなきゃ、上質のパティシエを作れないのに横着して!」
「イケメン達に感謝されるのも悪い気はしませんね。イケメン達に慕われる心優しい俺です」
「そもそも発端はあんたの蟲毒でしょ」




