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王の住まう城の地下。
魔女が鶴を思います。
「過程はともかく、恩返しっていうのは憧れるわ。色んなものを助けて恩を返してもらいましょう」
「なるほど、行ってらっしゃいませ」
「ただいま鏡。恩返しを期待してありとあらゆるものを助けてきたわ」
「流石ご主人様です。きっと恩返しに来てくれますよ」
\コンコン/
「さっそく来たわ!」
「さて、何が恩返しに来たのでしょうか。どなたですか?」
『助けて頂いた芋煮です』
「助けたんですか?」
「ありとあらゆるものを助けたから、芋煮も助けたかもしれないわね」
『御礼をしたく参りました。どうか台所を貸してください、あと鍋を貸してください。それに芋も買ってきてください。それでいてけして覗かないでください』
「早々に覗いてさっさと帰ってもらいましょう」
「そうですね」




