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王の住まう城の地下。
日焼けの跡がヒリヒリしている魔女が魔法の鏡に問いかけます。
「鏡よ鏡、答えておくれ。世界で一番美しいのは誰?」
「俺です」
「そうね。それで、誰?」
「美しさの基準は複雑で移ろいゆくものです。たとえば、今の夏というシーズンなら、こんがり焼けた日焼けの跡はひときわ美しく映ることでしょう」
「なるほと確かに。くっきりとした日焼けの線は夏らしい健康美と言えるわね。それなら、日焼け跡を含めて世界で一番美しいのは誰?」
「茶泥姫ですかねぇ」
「誰?」
「だから茶泥姫です」
「本当に誰なの?」




