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王の住まう城の地下。
魔女は暖炉の前で引っくり返ったシャンティのお腹をふかふかと撫でています。
「暖まった猫は普段よりふかふかだわ。あら、アシダカごちょ……上等兵ってば、さっそくゴキ○リを捕まえたのね」
「暖炉にクッションでも置いておくか……でも燃えるな。まぁ垂直落下の衝撃で飛び散った血肉が俺に着かなきゃいいか……」
「鏡、さっきから何をブツブツ呟いてるの? そういえば、私の知り合いにあわてんぼうのサンタクロースがいるのよ」
「それはまたなんとも」
「彼ってばかなり慌てて、今年もクリスマス前なのに……」
「来ちゃったんですか?」
「年賀状が届いたわ」
「慌ててますね」
「しかも喪中のはずなのに」




