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王の住まう城の地下。
なにやら魔女が意気込んでいます。
「鏡よ鏡、急いで煙突をつくるわよ!」
「煙突というとサンタクロースですか?」
「そうよ、煙突を作ってお出迎えしなきゃ失礼だわ」
「でもたった一日で煙突なんて出来ませんよ」
「私は魔女よ。煙突も暖炉も魔法で一瞬だわ」
「なるほど、だから冬至で食べきれなかったカボチャを持ってるんですね」
「まずはこのカボチャを馬車にして、馬車をカブにして、カブを赤カブにして…… 」
「結構手間ですね」
「そしてカボチャに戻した瞬間を練って、練れば練るほど色が変わって……」
「この流れは」
「こうやってつけて……ほら、暖炉が出来たわ」
「解せぬ」




