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王の住まう城の地下。
狩られた魔女が戻ってきました。
「鏡よ鏡、いま戻ったわ」
「おかえりなさいませ、ご主人様」
「隠しおやつが荒らされてるわ、どうせ白雪姫の仕業ね。あ、またあの子はひよこ饅頭の頭だけ残して!」
「お元気そうでなによりです。しかし魔女狩りなんてされて大丈夫だったんですか?」
「大丈夫よ、針で刺されるぐらいの簡単な尋問だったもの」
「針で刺されるとは物騒な」
「魔女の体には印があって、そこは針で刺されても痛みもなく血も出ないと言われているの」
「なるほど、それで針を刺すんですね」
「そうよ。針で刺して血が出なければ魔女、血が出れば人間、ポンジュースが出れば愛媛人」
「愛媛人」
「うどんが出れば香川人」
「香川人」




