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王の住まう城の地下。
魔女と魔法の鏡と慌ててないサンタクロースが芋煮を食べます。
「それで、どうして慌ててないサンタクロースをお呼びしたんですか?」
「慌ててないサンタクロースなら今の私達の欲しいものを持ってきてくれると思ったのよ。そう、私達に必要なもの……!」
「俺の美しさですか?」
「違うわ」
(芋煮ですか?)
「違うし、白雪姫はさっきからちょくちょく脳内に語り掛けるのをやめてちょうだい。とにかく私達が求めているもの、それは……!!」
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「暖炉に飾っていた靴下にとつぜん何かが入り暴れだしました!」
「慌てているのよ!」
「まさかあわてんぼうのサンタクロース! でも普通に考えて誰だって突然でかい靴下に入れられたら慌てますね」
「今慌ててるのはちゃんと理由があるわね。あわてる時にあわてるあわてんぼうのサンタクロースだわ。むしろ私のせいだからあわてさせられたサンタクロースね」
「慌て時を知るサンタクロースですね」




