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王の住まう城の地下。
今日もまた魔女は魔法の鏡に問いかけます。
「鏡よ鏡、ねぇちょっとマッサージしてくれない?」
「無理難題にも程があります。俺に出来ることなんてボディーアタックぐらいですよ」
「魔法の研究に熱中してて体が凝っちゃったの。久々に針治療でもしたいわ」
「針治療とは本格的ですね」
「気持ちいいのよ。立ったまま施術して貰うんだけどね、こう狭いところに入って……」
「狭いところに入って」
「前から針のついた蓋を閉められて」
「アイアンメイデン」
「ツボ押されて気持ち良いのよねぇ、魔女狩りが流行ってた時はよく皆で狩られに行ったものよ」
「一般的には拷問ですからね、それ」
「知り合いの魔女から聞いたんだけど、肩凝りが酷いからって狩られてアイアンメイデンを希望した魔女も居たらしいわ。却下されたらしいけど」
「みんな火炙りにされてしまえばいい」
「火炙りのあとの冷えたビールが格別なのよ!」




