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王の住まう城の地下。
フィッシュアイからの予告状を手に、魔女が大鍋を見張っています。
「まったく。ポテトアイだかフィッシュアイだか知らないけど、ひとの大鍋を狙わないでほしいわね」
「フィッシュアイは大鍋を奪ってどうするつもりなんでしょうか? 魚でも煮るんでしょうかね?」
「泥棒の考えなんて分からないわ。でもそろそろ時間に……!! 電気が消えたわ!!これじゃ暗くて何も見えない!」
「まさかポテトアイの仕業……!! でもご安心ください、万能の俺は枠にLEDライトを搭載しております!」
「さすが魔法の鏡、いえ、魔法のハリウッドミラー!」
\カッ!/
「きゃー!眩しい!」
「そこまでよ、フィッシュアイ!!」
「きゃー!!」
「やっぱり白雪姫じゃない。なにがフィッシュアイよ。……あら、その手に持っている瓶は?」
コポコポコポ
「泡立った水、炭酸水? ……いえ、違う、これは人魚姫!! フィッシュアイの正体は人魚姫だったの!?」
「うぅ、バレちゃいました。ごめんね、人魚姫ちゃん……」
「なるほど、泡から人魚に戻る薬を作るために私の大鍋を盗んだのね。そうよね、泡のままじゃ不便だものね」
「いえ、違います」
「違うの」
コポコポ(違います)
「念を押すほどに違うのね。でもそれなら、どうして大鍋を盗もうとしたの」
「芋&魚煮パーティーをするために盗んだんです!!」
「あんたいい加減に自分の鍋買いなさいよ」




