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王の住まう城の地下。
サビ猫の使い魔シャンティが何やら咥えてきたようです。
「あらシャンティ、トカゲを捕まえて来てくれたのね。ありがとう」
「この点数稼ぎのあざと猫め」
「さ、せっかくだから活きの良いうちに毒草と一緒に煮詰めておきましょ。……あら?」
「どうなさいました?トカゲが逃げましたか?」
「あら? あらら?」
「……ご主人様?」
「また大鍋が無くなったわ!白雪姫め!」
「白雪姫」
――――――☆――――――
王の住まう城の地下。
今日の魔女はなにやら棚の整理をしております。
「トカゲを煮詰めたのはこっち、蝙蝠の羽と目玉はこっち……シャンティがいっぱい取ってきてくれるから材料がたっぷりだわ」
「毛玉め」
「ほらごらんなさい、干したヤモリなんて瓶に溢れかえりそう」
「メイソンジャーヤモリ」
「あらお洒落」




