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王の住まう城の地下。
慌てん坊のサンタクロースこと行事先取りおじさんも去り、これにてハロウィン終了です。
「結局、白雪姫に毒カボチャを食べさせることが出来なかったわ。ところで鏡、トリックオアトリート」
「ご主人様、仮装なんてしてないじゃないですか」
「私は魔女の格好をしてるじゃない」
「なんてずるい。お菓子の用意なんてしていませんよ」
「それじゃ悪戯していいのね。何をしようかしら。割るか、鏡面に落書きをするか、むさ苦しい男だらけの更衣室に取り付けるのも良いわね」
「まさかこんなところで危機に陥るとは……」
\魔法の鏡さん、これを使ってください!/
「この声は、白雪姫!」
ドロドロドロ
「白雪姫の部屋に直通してるダクトから芋煮が流れてきたわ!」
「なるほど、これをお菓子代わりに……。ご主人様、これが俺のお菓子です! 悪戯は回避します!」
「ぐぬぬ、白雪姫め……。まぁ良いわ、芋煮もお菓子って事にしてあげる」
\芋煮は主食であり副食でありデザートでありこの世の全てです!/
「まだ聞いてたのね!」
ジョワジョワジョワ
「おやご主人様、芋煮が流れてきたダクトから今度は水が」
「あら本当。食後に一杯ってことかしら」
ジョワジョワコポコポ…
「泡立ってる……これは!」
「「人魚姫!」」




