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鏡よ鏡、  作者: さき


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 王の住まう城の地下。

 魔女がカレンダーを眺めています。


「そういえば、今年のハロウィンは大人しかったわね。仮装してウェイウェイ騒ぐ連中狩りにも行かなかったし」

「えぇ、行きませんでした」

「去年まではあれほどハロウィンで盛り上がる人間達に憎悪を滾らせていたのに」

「ご主人様もご存知かと思いますが、今年のハロウィン騒動はそれはそれは世間を賑わせ、ニュースにもなりました」

「そうね。今年は特に酷かったわ。あれはもう社会問題よ」

「そこなんです。社会問題にまでなると、逆にこっちの気分が落ちるんです」

「なんて我儘な憎悪なの」

「むしろ最近では『確かに渋谷は酷いけど、ハロウィン自体には罪はないし、仮装して常識内で楽しむ分には良いんじゃない?』という考えに至りました」

「まさかの心変わり」

「というわけで、来年は常識あるハロウィンイベントでディ○ニーのシン○レラ城ミステリーツアーにある鏡の仮装をします。ハッピーハロウィーン」

「この鏡、掌くるっくるだわ。あとミステリーツアーはもう終わってるわよ」

「ですがご安心を。今後はハロウィン関係無く随時渋谷でウェイウェイ騒ぐ奴らを狩っていく所存でございます」

「大義名分を失い憎悪がダダ漏れに」




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