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鏡よ鏡、  作者: さき


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 王の住まう城の地下。

 魔女が魔法の鏡に問いかけます。



「鏡よ鏡、答えておくれ。世界で一番美しいのは誰?」

「それは今この瞬間を切り取っての美しさですか?」

「どういう意味かしら」

「時間とは常に流れていくもの、そして一瞬に宿る美しさというのもあります」

「なるほど、その一瞬一瞬で世界で一番美しい人が変わるのね。それなら答える瞬間に世界で一番美しいのは誰?」

「俺です」

「安定の」

「俺です、俺です、俺です、俺です」

「毎秒になることでしつこさが倍増」

「俺です、俺で……、……、俺です、……、……、俺です」

「たまに誰かに抜かされてるのね」




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